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04 第三話 海の見える丘

時間の憩から少し離れた海の見える丘、一人でこの丘で大和は寝転んでいた


大和

「・・・・・・・・・」


無言で寝転んでいる大和に風が吹き、近くにあった花びらが大和に乗っかった


大和

「・・・フッ」


その花びらを息で落とす


大和

「・・・♪~♪♪♪~♪~」


目を瞑って歌を歌い始める大和、その歌声は何処か寂しげな声だった、大和は学校の帰りには毎日この海の見える名も無い丘に来るのである、そしてまだ見たことの無い生みの親の事を思い、一人で歌っているのである


大和

「ふぅ・・・俺の親は一体何処に行ったんだよ・・・」


そう呟いた大和の目には涙が溢れていた


大和

「さてとっ!そろそろ帰るか・・・」


そう言って大和が立ち上がろうとした、すると・・・


「(・・・こっち)」


大和

「ん」?


突然、何処からか声が聞こえた


大和

「何だ?・・・気のせいかな」?


そう言ってその場を立ち去ろうとすると・・・


「(駄目・・・行かないで・・・)」


また声が聞こえた


大和

「気のせいじゃない・・・君は一体誰なんだ」!?


「(こっち・・・)」


大和

「こっち」?


大和は声のする方に向かって歩き始めた


「(こっち・・・こっちよ)」


大和

「こっちって・・・この先は断崖絶壁の岩場じゃないか」?


大和が丘を下ると、そこにはゴツゴツとした岩が沢山あり、崖っぷち近くにとても大きな岩がある岩場だった、地元では自殺の名所やら心霊スポットやら噂され、誰も近づかない岩場である


「(あの大きな岩の後ろ・・・)」


大和

「後ろって・・・通れる所が無い・・・ってこの細いのが道か」!?


岩の両側にはとても通れそうにもない位の細い道があった


「(その道を通って・・・)」


大和

「通ってって・・・仕方無い」


そう言って大和が片方の道を歩き始めた


大和

「・・・(チラッ)」


大和が下を覗くと、岩に波が勢いよくぶつかっていた、大和はそれを見ないように息を飲んで進んだ


3分後・・・


大和

「ふぅ~怖かったぁ・・・」


やっとの思いで岩の裏側に到着した大和、そこには・・・


大和

「空洞?・・・これは表側から見ても見えないなぁ・・・」


岩の裏側は人が入れる程の大きな空洞になっていた


大和

「これは誰にも見つからないな・・・ん」?


大和が空洞の中を見渡すと、下にある物を見付けた


大和

「なんだ?この六角形の岩は」?


下にあったのは明らかに人工的に作られた六角形の形をした岩だった


「(その岩に乗って・・・)」


大和

「この岩に乗れ」?


大和が岩に乗った、すると・・・


ガコンッ!!!


大和が岩に乗った瞬間に、何かが作動する音がした


大和

「な、何だ」!?


大和が慌てていると・・・


カパッ!


大和の乗った岩が下に開き、大和は暗い穴の中に落ちて行った


大和

「う、うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」!!!


声を上げて大和が下に落ちて行き、岩は硬く閉じてしまった


それから数時間後・・・


大和

「う、うぅ・・・」


暗闇の中で大和は目覚めた


大和

「こ、ここは・・・」?


辺りを見渡してもそこは真っ暗であった


大和

「まいったなぁ・・・そうだっ」!


そう言って大和は学ランのポケットを漁った、そこから出したのは懐中電灯だった


大和

「もしもの為に持っていて良かったぜ・・・しかしここは何処なんだ」?


大和が懐中電灯で辺りを照らして見た、懐中電灯の当てた先にある物を見付けた


大和

「ん?何だあれは」?


照らして見えた物は、灰色の鉄、スラッと伸びた電波塔、とても長い大砲、ハリネズミの如くある機関砲、灰色と黒の色の煙突に混じっている金色の時計のエンブレム


大和

「これは・・・船!?しかも普通の船じゃない、これは・・・軍艦だ」!!!


大和がその軍艦を見て驚いた


大和

「しかし・・・なんでこんな所に」?


大和がその軍艦を眺めていると・・・


「(その軍艦の中に入って・・・)」


またあの声が聞こえた


大和

「入れって・・・一体どうやって」?


軍艦との間には水が見え、とても飛び越えて行ける状態では無かった


大和

「う~ん・・・何か変わりになる物を探すか・・・」


そう言って大和が近くを探し始めた


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