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封印されていた最古の魔王。――外伝――  作者: 斉藤一


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決着

「では行くぞ。アブジェクト・サーヴァント」


カオスリッチの周囲に魔法陣が広がり、そこから数百体のスケルトンが召喚される。そのスケルトンは、様々な服装をしていた。


「スケルトン軍団……?」


「ただのスケルトンではないぞ? それゆえ、このような芸当もできる。ハウリング・エコー」


カオスリッチからゆるやかな波動が発生し、スケルトン達を包んだ。


「まだ時間がかかるのかしら?」


「慌てるな。お前たちが生きていられるのもあと少しなのだぞ? どれ、小手調べだ。ダーク・バレット」


「「「「ダーク・バレット」」」」


カオスリッチが、闇の弾を放つ魔法を唱えると、同様にスケルトン達も同じ魔法を唱えた。


「スケルトンが魔法を使うですって?」


「光よ」


空間を埋め尽くすほどの闇の弾を放つスケルトン。そして、スケルトンが魔法を使ったことに驚くエリザ。弱い魔法だったため、いくら数百発集まろうとソルナの光の障壁を破る事は無かった。


「驚いたかね? 我に勝負を挑み、敗北して死した勇者達だ。そして、その保有する魔力は生前と変わらぬ」


「その程度じゃ、大したことは無いね。私が全員片付けてあげるわ」


「ほぅ。勇者自らが相手をするか? だが、もう終わりだ。バーニング・フィールド」


「「「「バーニング・フィールド」」」」


「光よ」


「アクア・ウォール」


炎が、カオスリッチ作った空間全てを埋め尽くす。それを防ぐためにソルナは光の壁を、マオは水の壁を作り出す。しかし、その炎は範囲は広いけれど威力は大したことが無い。


「この程度の魔法で何を?」


「分からんか? ほら、もうすぐ分かるぞ」


炎が収まってくると同時に、ソルナが膝をつく。ソルナはこれを受けるのは2度目だが、1度目の時の記憶はない。


「そう……言う……事ね。まさか……酸素を……消費する……ためだなんて……」


「昔、勇者が我に対して行った事だ。我には意味が無く、勇者達は自爆しただけだったがね」


「ならば、お主も下がっておれ。エア・シールド」


マオはソルナの周りに空気を集める。


「……なぜ死なぬ?」


「我達にも呼吸は必要無いのでな」


驚くカオスリッチの質問に、マオは素直に答える。


「ならば魔法で葬ろう。ダーク・スピア」


「「「「ダーク・スピア」」」」


先ほどの闇の弾と違い、威力のある闇の槍だ。さらに、闇魔法は風や水、炎では防ぐ事が出来ない。


「我が相手をしよう。ハンドレッド・ダーク・スピア」


カオスリッチ達の数百の闇の槍に対し、マオは百の闇の槍を一人で作り出す。ぶつかり合った闇の槍は相殺されるどころか、マオの槍が打ち破りスケルトン達を減らしていく。


「馬鹿な! 複数個の魔法ですら勇者達にも不可能なのだぞ! さらに、その馬鹿げた威力はなんだ!」


「ただの実力だ。それに、我はまだ本気ではないぞ」


「ならば、戦士たちよ、魔法を唱える前に殺せ!」


「たまには、接近戦もよいか」


「私に近づくなら私も戦うわよ?」


カオスリッチは、元戦士のスケルトンに接近戦を挑ませる。それを、エリザは側転しながら頭部を蹴り抜いて倒す。マオは、フローターを鈍器として扱い、スケルトンの頭部を砕いてゆく。そして、マオとエリザがスケルトン達の相手をしている間に、カオスリッチは自らの最強魔法を準備していた。当然、マオとエリザは気づいていたが放置する。


「我の勝利はやはり変わらぬ。貴様らも、我の下僕に加えてやるから安心しろ。アルティメット・レーザー」


カオスリッチは残ったスケルトン達の魔力を使い、すべての属性を含んだレーザーを放つ。それが出来るのも、魔法使い、僧侶、勇者、賢者、魔導士など様々な職の勇者パーティを倒したからこそである。


「合成魔法か。我にも出来るか?」


マオも、フローターを使っての補助をしつつ、自らも複数属性を使おうと魔力を練る。感覚ではあったが、自らの体にある魔石を使うことで全属性とはいかないまでも複数属性を同時に使う事ができた。そして、威力はマオの方が上であり、カオスリッチのアルティメット・レーザーを飲み込んでカオスリッチを直撃する。


「もう終わりかしら? この程度の事も片付けられないなんて、やっぱりあの女神はだめね」


エリザは、戦士たちを倒し終わり、マオはカオスリッチの周りにいたスケルトンを倒し終わった。カオスリッチも粉塵の向こうで、生きているか死んでいるかも分からない。


「ありえぬ、ありえぬ、ありえぬ」


「あら、生きていたのね」


「くるなくるなくるなくるな!」


カオスリッチは、近づくエリザに恐怖を感じ、狂ったように叫ぶ。


「くるなーー!」


そして、瘴気が膨れ上がりカオスリッチを包んだ。数倍にも大きくなったカオスリッチ。知性と引き換えに、無限とも思える瘴気がカオスリッチの原動力となった。


「奥の手ね。確かに、女神の手には負えないわね」


「この圧、我の魔法も通じそうにないぞ」


マオは、急激に膨張した瘴気に、自らの魔法が効かないと判断した。実際、カオスリッチは瘴気の塊のようなもので、聖なる属性以外ではダメージを受けることは無い。そして、魔王であるマオは聖なる属性を使う事はできず、似たような効果のある光属性は、光の無いこの場所では使えなかった。


「それなら、最後は私の出番ね。美味しそうだし、このままいただくわ」


エリザは、姿を犬に変えるとカオスリッチに近づく。


「ああああああああああああああああ」


カオスリッチは、叫びながらエリザに向かって突っ込む。ただの体当たりであるが、先ほどのアルティメット・レーザーよりも威力がある。


「私の中で飼ってあげるわ。いただきます」


それを、エリザは大きな口を出現させてパクリと食べる。エリザは、人間の姿に戻る。また、カオスリッチが倒された為、空間が元に戻ってただの通路になった代わりに空気が補充される。


「終わったのですか……?」


「あたしたち、何もできなかった」


「仕方ないわよ。あれだけの存在はさすがに手に余るでしょ」


「ありがとうございます!」


エリザ達の前に、女神が現れる。カオスリッチが倒された事でイベントが変わり、女神はクリアさせたことを即座に知ることが出来ていた。


「用件は片付いたわよ」


「はい! これで私も上司に怒られずに済みます。本当に、ありがとうございました! お礼に、私に出来る事なら何でも致します!」


「あなたに出来る事なら、自分で出来るからいいわよ。でもそうね、それなら面白そうな世界を紹介して頂戴」


「面白そうな世界ですか? と、言われましても……」


女神は、エリザが期待するような世界は知らなかった。なぜなら、この世界意外にはほとんど干渉できないから。出来るとしたら、勇者の召喚元の世界くらいだ。というところで、ソルナの存在に気が付く。


「それなら、地球はどうですか?」


「地球? 聞いた事無いわね。どんなところかしら?」


「私の故郷だよ。でも、魔法なんて無い世界だよ」


「魔法の無い世界? 珍しいわね。魔法が無いなら、どうやって魔物を退治したり、生活したりしているのかしら?」


「魔物なんていないし、生活は機械を使ってるのよ」


「へぇ、よく分からないけれど面白そうね」


「私は、地球に帰るつもりは無いんだけど」


「あ、その地球何ですが、今確認したらいくつかのパラレルワールドが存在します。その一つに、異星人が襲来しそうなものがあるのですが」


「何それ、面白そう! すぐに行きましょう。クロン、レランはどうする? あなた達はこの星に残る事も出来るわよ?」


「エリザ様に着いて行きます」


「あたしも!」


クロンとレランは、即座に着いて行く事を決断する。マオとソルナは行く事は確定していた。


「それじゃあ、送って頂戴」


「はい!」


エリザは、新たなイベントに心を躍らせるのであった。



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