深層の……
階段は、下へ下へと続いていた。すでに何百段も降りている。
「段々と、空気が重くなってきている気がします……」
「少し、息苦しくなってきてるきがするな」
クロンとレランは、下りるにしたがって環境が変わってきているのを感じていた。
「そうかしら?」
「気温が少し上がったか?」
「いつまで続くんだろうねー」
エリザ、マオ、ソルナは普段と変わらない。ただ、勇者装備の妖精は明確に違いを感じている。
「邪悪な気配を感じるわ。もうすぐ、その元凶に近づくわね」
妖精が言った通り、しばらくして階段が行き止まりになり、そこは扉になっていた。鉄に見えるが、鉄ではない様に見える。
「これは、ミスリルの扉ね。マオ、売ればかなりのお金になりそうよ」
「では、持ち帰るか」
「ちょっと待ちなさいよ! 明らかにおかしいでしょ!」
扉を持ち帰ろうとするマオに、妖精はストップをかける。
「お主……そう言えば、何と呼べばよいのだ?」
「伝説の鎧よ」
「それは名前ではないだろう」
「それなら、勇者が決めていいわよ。私、勇者用の装備だし」
「えー、めんどくさい。じゃあ、妖精のヨーちゃんで」
「ヨーちゃんね。分かったわ」
安易どころか人間ならニーちゃんと名付ける勢いだ。本人が文句言わないので妖精は今後ヨーちゃんと呼ばれる事になる。
「ではヨーちゃんよ。なぜ待たねばならぬのだ?」
「そうよ! どう見ても、ここを封印している扉でしょ。鍵も取っ手もないから開けちゃダメなやつでしょ」
「開ける必要も無い。圧縮魔法で仕舞うだけだ。このようにな」
「あ」
マオは、ヨーちゃんに説明がてら扉を圧縮空間へ仕舞う。エリザの様に亜空間に仕舞うわけではなく、あくまで圧縮空間なので時を止めるアイテムボックスの様な便利さは無いが、荷物を持てる量は格段に多くなる。
そして、扉が無くなったことで奥へと続く道が開かれた。




