37 1回戦、第6試合
試合が開始された。
直後、秀明はまだ観客に手を振っているダヴィに殴りかかるが、まるで子供でも相手しているように躱す。
「てめえ!いつまでも余裕こいてんじゃねぇ~」
するとダヴィの動きが鈍くなる。
「・・・重力。しかし大した事ないですね。LEVEL3の下といったところですかね」
秀明の能力は重力、自分の半径3メートルの自分意外が重力が2倍になる。
結果的にダヴィよりも若干身体能力が上になったが、秀明の攻撃は当たらない。
ダヴィは死角をとり、足払いで秀明を倒すと、重力を利用した蹴りを倒れた秀明の鳩尾に落とした。
そして試合は呆気なく終わる。
「まだまだだね。もう少し自分の能力を使える様にしないとここでは生きられないよ」
気を失った秀明はすぐに目を覚ますが息があまり出来ない。
何が起きたか分からないまま負けていた。
そして次の試合の準備が始まる。
次の試合は柔術家の東城明と三輪剛だ。
明は日本の四大貴族と言われる東城家の次男だ。
東城家は長男が継ぐ事で明は自分の腕試しの為にこの裏試合を聞きつけ参加してきた。
一方、剛は今までこの裏試合に参加している。
成績は悪いが今まで怪我をしたことがない。
怪我をする前に降参するのもあるが、彼の能力にも秘密があった。
彼の能力は一言に言うとバリアだ。
彼の前には見えない壁が出来る。
しかし強度はさほど強くなく、範囲も狭いので打開策はある。
★ ★ ★
「蓮」
「何だ棗」
「あれ、彩水の幼馴染みじゃない」
「そういえばそうだね。東城家がこんな大会に出るとは思わなかったよ」
「アイツ、いつも彩水に付きまとっていた次男だよ!」
「そういえば俺も喧嘩を売られたなぁ~」
「蓮さんに喧嘩を売るなんて命知らずですね」
「まぁ最初の頃は彩水ちゃんと組んでいたからね。勘違いしたんでしょ」
「えっ!そうなんですか!!」
「まだ始めの頃はね」
「この中だと一番乗り古株は蓮と彩水だね」
「そうなんですか響子さん!てっきり蓮さんと響子さんかと思ってました」
「まぁあの頃は色々あったからねぇ~、私達は」
「ちょっと聞きたいんですけど…」
「あんまり佳子を詮索する男は嫌われるわよ」
「そんなぁ~、棗さんも聞きたいですよね!」
「聞きたいけど、また今度でいいわ。試合見たいから」
「えぇぇぇぇぇぇ」
「ほら、悠斗!試合見なさい」
「はぁ~い」
すると蓮に小さい声で耳打ちする。
「蓮さん、今度教えて下さいね」
「別にいいけど」
「約束ですよ」
そんな話をしている間に試合の準備が進められていく。
「ところで蓮さん。東城家は炎って聞いてますが…」
「そうだよ。長男はLEVEL5って聞いているけど、次男はLEVEL4の下だね。今まで見てきた炎の使い手と違って、炎で具現化されて戦うんだよ。悠斗の能力に近いかな」
「僕・・・ですか?」
「そう、だから結構レアだよ!エレメント系で具現化はあまりいないからね。彼はサラマンダーの形をした炎を出す。その炎は彼を守るように行動する。だから相手は2対1の闘いになるね」
「2対1…確かにそうですね。僕の能力に近いですね」
「棗も見ておいた方がいいよ。棗も彼に近いんだから」
そして東城明と三輪剛の試合が始まった。
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