表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

二話 「異世界転生」

「なまこ聞いてんのかよ」

 授業の課題を終わらせて呆けていた邦一は、不名誉なあだ名で呼ばれたことでクラスメイトに向き直る。

「あの……なまこはやめてくれませんかね……」

 彼は周囲から「なまこ」と呼ばれていた。今まさに話しているクラスメイトが思い付いたせいだ。ジメジメしているから、なまこ。まだ高校に進学してすぐ、邦一の名前を知らなかったクラスメイトは、なまこ、というあだ名で呼ぶようになった。特に明確な悪意もなく、皆がなまこ呼びに慣れてしまい、今更変えられなくなってしまった。当然、不服ではあるので邦一は変更を要求するが、特に思いつかないので何時も却下されている。

「うん、まあ今度ね。そんでここなんだけど」

 指を刺された問題は、邦一の得意な数学の問題だ。二人は、数学で出た課題を教えあっていた。

 日本の東京。公立高校の中でも最も学力偏差値の高い高校に通う二条邦和は、その校内でも成績優秀者である。並大抵の人間では敵わない。彼はあだ名こそ酷いものだが、無味無臭のような性格で、妬まれることもなく、ごく普通に高校生活を送っていた。

 あだ名の元凶であるクラスメイト、久保野くぼの克也かつやにも、こうして勉強を教えたり、逃げて分野については逆に教えられたり、と問題なく人間関係を築いている。

 波風のない順調な人生だった。

 帰り道、人が溢れる大通りを歩いていた邦一は、夕日のまぶしさに目を細めた。そして、何の前触れもなく背中に酷い痛みを感じて、その場に倒れる。どういう訳か叫び声をあげることも出来ず、体は痙攣していて、体が濡れていた。視界の隅に血まみれのナイフを持った男を認識して初めて、自分が刺されたということを理解した時、何も出来ずに意識を失った。

 目覚めたとき、そこは海の中だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ