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SR25M110SASSセミオートライフル銃の光学照準器を交換した事によって、改めてゼロインを行ったのだが、射程100メートルのレンジに空きがなかったので25メートルのレンジのみでの中途半端な照準調整しかできなかった。ただし、中途半端と言ってもスコープ等の光学照準器を交換した直後に行うゼロイン作業とは違って概ねの照準調整は済んでいるので、射撃レンジでペーパーターゲットを狙って発砲しても大外しという事にはならない。
初日のゼロインが済んだ翌日、運良く100メートルの射程があるレンジを使用する事ができたので、早速SR25M110SASSセミオートライフル銃を収納している専用ケースを開けてアッパー部分とロア部分を組み付け、更に消音器も装着し射撃準備を整えて、20発の7.62×51ミリメートル弾薬が装填されているマガジンをSR25M110SASSセミオートライフル銃に装着する。専用ケースに収納するためにバイポッドの脚を前方に倒しているので、2本の脚を下向きに起こしてSR25M110SASSセミオートライフル銃を射座のテーブルにターゲット方向へ向けて置き、その後方に腹這いになって射撃ポジションをとる。
対物レンズと接眼レンズを保護しているプラスチック製のキャップを跳ね上げて、利き目である左目を接眼レンズに近付ける。スコープの倍率は最も低い3.5倍にしてペーパーターゲットのセンターへレティクルセンターを合わせてから、SR25M110SASSセミオートライフル銃のグリップを握っている左手の力を緩めてしまってSR25M110SASSセミオートライフル銃が動いてスコープのレティクルが狙っている箇所から移動しないように注意する。接眼レンズ側にある倍率を変更できるノブを回して5倍に合わせてから、改めてスコープを覗くと3.5倍の倍率の時には、とても頼りない大きさに見えていたペーパーターゲットが拡大されて接眼レンズに映し出されている。ただし、その影響で接眼レンズに映し出されている範囲は狭くなるので、スコープの倍率を可変する場合には極力スコープを覗いて自分が何処を見ているのかを把握した状態でなければ、倍率変更の為にスコープの接眼レンズから目を離して倍率を上げてからスコープを覗くと本来スコープを向けたいと思っていた場所が分からなくなり、暫くスコープを動かして狙点を探さねばならなくなり時間の無駄となってしまう。もし、これが実践というシチュエーションであるならばターゲットを見失った状態となって、改めてターゲットをスコープ上で探す羽目となり、ターゲットを捉えた時には狙撃のチャンスを逸してしまう事に成り兼ねない。
昨日のゼロインでは、25メートルでゼロインを行い概ね狙点の周辺に着弾させていたので、この状態でレティクルのセンターで狙った箇所へ着弾させられるのは射程300ヤード(約274.32メートル)となる筈である。そうなると、100ヤードの射程でレティクルのセンターをペーパーターゲットのセンターに合わせた状態で発砲すれば、着弾は概ねターゲットのセンターから12時方向に10数センチメートル上方に着弾すると想像できるので、スコープのレティクルセンターをペーパーターゲットのセンターに合わせて1分間に1発のタイミングで3発を続けて撃ち込んでみた。
3発目の発砲を終えた時点で、腹這いの姿勢から上体を起こしてテーブルから降りてペーパーターゲットへ向けて歩き出す。発砲によって熱せられたバレルや消音器等を空冷によって冷やすためにペーパーターゲットまでは通常の速度で歩いて近寄る。
ペーパーターゲットの前で、着弾の状況を確認すると予想していた通りにターゲットのセンターから12~13センチメートル上方に弾痕があったのだが、12時方向ではなく11時方向に1インチ(約2.54センチメートル)の範囲に散っている。1インチ以下に集弾させたいところだが、気になるのは12時方向ではなく11時方向という点だ。ペーパーターゲットの前に居る今の時点では、着弾に影響しそうな横方向からの風を感じない。3発を発砲していた瞬間のペーパーターゲット近辺が如何様な風が吹いていたのかは判別しようもないが、少なくとも発砲していた時の射座では、着弾に影響しそうな横方向からの風を感じることはなかったので、スコープのビンテージダイヤルを1クリック分くらい右方向へ移動させた方が良いかもしれない。
ペーパーターゲットから踵を返して射座に戻った俺は、テーブルに腹這いとなるがスコープのビンテージダイヤルを弄ることなくスコープを覗き、レティクルのセンターをペーパーターゲットのセンターから6時方向に10センチメートル下へ合わせて、再び1分間に1発のインターバルで3発をペーパーターゲットへ撃ち込む。なお、この時も着弾に影響を及ぼしそうな横方向からの風は感じることはなかった。
テーブルの上で上体を起こしてから、歩いてペーパーターゲットへ向かい着弾状況を確認しに行く。俺の想定に間違いがなければペーパーターゲットのセンターから9時方向に1.5インチ(約3.81センチメートル)くらい離れた箇所に着弾している筈であり、運がよければ1発くらいはペーパーターゲットのセンターど真ん中を撃ち抜いているかもしれない。
そんな想定をしながらペーパーターゲットに近付いて弾痕を見ると、9時方向なのは当たっていたが、ペーパーターゲットのセンターから2インチ(約5.08センチメートル)くらいは離れている。5.56×45ミリメートルNATO弾を使用するアサルトライフル銃でダット・サイトを装着した射撃ならば納得できる結果であるが、狙撃を目的にして専用スコープを使った結果としては少々頂けない。
戦闘服の胸ポケットに差し込んでいた赤のサインペンで、今しがた発砲した着弾跡に赤いバツ印を記入してから射座へ引き返して、テーブルの上に腹這いとなる前にスコープのビンテージダイヤルを2クリック分だけ右方向へ移動させるように廻してから、テーブルの上に腹這いとなってスコープを覗きペーパーターゲットのセンターから6時方向10センチメートル下を狙い、左手の親指でSAFEの位置にしていたセーフティ・レバーをSEMIの位置へ移動させて左手の人差し指をトリガーへ置いた瞬間に、2時方向から7時方向へ向けて微風が吹いてきたのを自覚した。着弾に影響を及ぼす程の風速ではないように思ったのだが、反射的にスコープのレティクルセンターをペーパーターゲットの6時方向へ引かれている線の気持ち右側へ狙点を移して1分間に1発の割合で3発を発砲していた。
再度、テーブルから降りてペーパーターゲットへ向かい着弾状況を確認しに向かうと、ペーパーターゲットのセンターから3時の方向へ0.5インチ(約1.27センチメートル)ほど外れていたが、弾痕の間隔は1インチ以下に集弾しているだけではなく2発分しか確認できない。これは、発砲した3発のうち2発が同じ箇所へ着弾した同痕だったのだろう。また、ペーパーターゲットのセンターから0.5インチ3時方向へ外れたのは、発砲直前に感じた風の影響を過大に意識したために狙点を反射的に気持ち右側へ移したのが失敗だったかもしれない。
本来ならば、エレベーションダイヤルも調整して100ヤード離れたペーパーターゲットのセンターをスコープのレティクルセンターで狙って着弾するようにしたいところだが、現時点で新たなイラン国家元首への襲撃計画が立案されていない状況では、仮に100ヤードの距離でスコープの照準調整をしたところで実際に計画された作戦内容で、俺に課せられる役割が如何なる距離からの狙撃となるのか分からないのでエレベーションダイヤルを弄ったとしても大した意味がない。
最も、昨今ではスコープのエレベーション移動量を計算してくれるソフトがあって、俺も自分の携帯電話にインストールしているので、新たに立案された作戦計画の詳細が分かってから想定される射程距離に合わせてエレベーションダイヤルを移動させるのでは大して面倒な事ではない。ただし、厄介なのはエレベーション移動量を計算するソフトでデータを入力して得られる回答が、必ずしも整数解とはならずに小数点以下の答えが表示されるので、現実的にはダイヤルを小数点以下まで合わせる事は不可能だから整数解分だけダイヤルを移動させるか、或いは小数点以下を切り上げてダイヤルを移動した後は、射手自身が多少の修正を感覚的に加味した上で狙点を移動させて狙撃しなければならい。




