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SR25M110SASSセミオートライフル銃のメンテナンスを概ね終えたところで、アッパー部分に装着されているデジタルナイトビジョンスコープを標準装備となっている米国の光学機器メーカーであるリューポルド社製の外装がフラット・ダーク・アースカラーに塗装され3.5-10倍の可変スコープに取り換えておいた。
暫くの間は駐屯施設で待機となるが、その間にSR25M110SASSセミオートライフル銃で射撃訓練を昼間に行った方が、何かにつけて都合が良いのと現時点で、次に立案されるミッションが夜間に実施されるのかも不明な状態である。
ナイツアーマメント社製のワンピーススコープマウントリングに装着されたスコープをアッパー部分の最上部にあるレイルに取り付けるが、この時に注意するのはスコープ本体を固定する場合にスコープマウントリングという部品でライフル銃等の銃器に装着・固定するのだが、通常はスコープ本体の2箇所にスコープマウントリングを取り付けたうえで銃器のレイル部分に取り付けていくのだが、そうなるとスコープマウントの基部をそれぞれ銃器のレイル部分に取りけなければならず、使用目的に応じて光学照準器を取り換えるような場合には手間が掛かって利便性が良くない。そこで、2つのマウントリングを一体化したのがワンピース構造のスコープマウントリングとなり銃器への取付けも1ヶ所を固定する事になるので利便性が良くなる。しかし、一体化されたと言っても銃器に取りける際にはSR25M110SASSセミオートライフル銃のような構造の銃器に取り付ける場合、アッパーレシーバー部分とハンドガードの上面にあるレイルは一見すると同一面となっているように感じるが、実際には別構造体なので運用中にハンドガードが何かに衝突したりすると、ワンピーススコープマウントリングをハンドガードとアッパーレシーバーに跨るように装着していれば、ハンドガードが衝突した際に掛かる力によって、ハンドガード上面にあるレイル部分は歪む事になりワンピーススコープマウントリングの取付け部分が不安定となりスコープが常に動いているような状態となって正確な照準に支障を来たしてしまったり、場合よってはワンピーススコープマウントリング本体に僅かな歪みが生じて、その影響でスコープ本体内に組み込まれている照準調整用の歯車の嚙み合わせがズレてしまい正しく照準調整が出来なくなりスコープ自体を分解修理するか、或いはスコープ自体を交換しなければ使い物にならなくなるので、ワンピーススコープマウントリングの取付けに際してはアッパーレシーバーのレイル部だけに装着するように心掛けている。
なかにはハンドガード側のレイル部分を使用する者もいるかもしれないが、スコープの使用にあたっては接眼レンズと利き目の瞳までの距離であるアイレリーフが正確な照準の要となり、アイレリーフが適正に保たれていないと接眼レンズを覗いた場合に、ケラレと呼ばれる接眼レンズに映し出される画像の外側に黒い影が発生していまって限定的な部分しか見えなくなる。スコープを正しく使用するためには接眼レンズ全面に綺麗な状態で画像が映し出される必要があるので、接眼レンズと利き目の瞳との距離であるアイレリーフは目安として2インチ(約5センチメートル)から4インチ(約10センチメートル)と一般的に言われているので、ハンドガード部分にワンピーススコープマウントリングを取り付けた場合は、明らかにアイレリーフが離れ過ぎて接眼レンズを覗いた時にケラレが発生してしまい正しい照準が期待できない。一方、アイレリーフが2インチ以下となった場合にはケラレの発生が懸念されるだけはなく、銃器を発砲した際に反動によって銃器が上方というよりも後方へ押し出される動きが発生するので、ストックに利き目側の頬を当てて顔を固定するためのチークピースを使っていても、頬とチークピースが接着固定されているわけではないので後方へ押し出されるような反動によって瞬間的に銃器は後方へ動き、その動きに伴ってスコープの接眼レンズ側が覗いている利き目に向かって突進してくる。アイレリーフが近過ぎれば接眼レンズの外装部分が衝突して眉毛の辺りに裂傷を引き起こすくらいなら未だ良いが、最悪の場合は眼窩部の骨を折ってしまう事にも成り兼ねず危険このうえない。
アッパーレシーバーのレイルに、リューポルド社製のスコープが装着されているワンピーススコープマウントリングをマニュアルに記載されている適正なトルクで、装着ネジを締め上げて完全に固定してからアッパー部分を専用ケースへ収納する。
専用ケースを閉じてから右手に提げて、一度備品係へ赴いて借用していたメンテナンスギアを返却してから駐屯施設内の野外射場へ向かう。
野外射場の各射座では、一緒にミッションを行ったオペレーター数人を含めた連中が拳銃やアサルトライフル銃を使った射撃訓練を実施しているので、屋外とは言え結構な音量の発砲音が響いている。当然の事ではあるが、射撃訓練に従事している連中は全て聴覚を保護する目的でイヤーマフラーを装着している。特に、アサルトライフル銃や短機関銃を使用している場合では、射手の耳と発砲音の音源である銃器との距離が近いだけはなくアサルトライフル銃に使用する弾薬は拳銃弾よりも装薬量が多いので発砲音の音量も半端ないことから、イヤーマフラーを装着したり場合によっては耳の孔にウレタン製の耳栓を詰めた上で、その上からイヤーマフラーを装着して自らに聴覚障害が発症しないようにしている。
俺もイヤーマフラーを装着したうえで、専用ケースを開けてSR25M110SASSセミオートライフル銃のアッパー部分とロア部分を取り出して組み付ける。アッパー部分とロア部分を結合したなら、専用ケースから消音器を取り出してバレル先端部のフラッシュハイダーから被せるように消音器を差し込んで、ハンドガード手前のガスブロックの辺りで消音器に設けられている鳥居型のゲートラッチを押し下げて消音器を固定した後、前方へ倒れた状態にしているバイポッドの脚2本をそれぞれ下向きに起こしてから、銃口先端をターゲット方向へ向けて射座のテーブルに置いた。
次に、専用ケースからライフル用弾薬の空薬莢みたいな形をしたレーザーポインタータイプのボア・サイタ-を取り出し右手に持つ、射座のテーブルに置いたSR25M110SASSセミオートライフル銃の右側に立って、左手の人差し指と中指をチャージングハンドに掛けて引っ張ると閉じていたエジェクションポートカバーの蓋がパタンという音を立てて下側に開き、エジェクションポート内を後方へ向けてボルトが移動しているのが見えてくる。チャージングハンドを一杯まで引きチャンバーがすっかり露出して見えてくるので、右手に持っていたボア・サイタ-をチャンバーへ差し込んでから左手の人差し指と中指で引いていたチャージングハンドを離すとスプリングの力によって後方へ引かれていたボルトが勢い良く前進してチャンバーにボア・サイターが装填された状態で閉鎖する。
SR25M110SASSセミオートライフル銃の後方に腹這いとなってテーブルの上に載り、スコープの対物レンズと接眼レンズを保護している樹脂製のキャップを跳ね上げて前方のペーパーターゲットに視線を向けるとペーパーターゲットの右端にボア・サイタ-から照射された赤点が浮かんでいるのが見えた。
何重かの円が描かれているブルズアイ・ターゲットのセンターにボア・サイタ-から照射されている赤点を合わせてからスコープを覗いてみると、接眼レンズから見えるレティクル・センターはペーパーターゲットの左上11時の方向にズレている。
スコープのエレベーション・ダイヤルとビンテージ・ダイヤルを回してレティクル・センターとボア・サイターから照射しているペーパーターゲットのセンターが重なるようにスコープのレティクルを調整してから、左手の人差し指と中指をチャージングハンドに掛けてから、チャージングハンドを手前に引くとボア・サイタ-のリム部がボルトのエキストラクターの爪に引っ掛かった状態でチャンバーから引き抜かれてエジェクションポートから排出されるのを右手で受け止める。
右手で受け止めたボア・サイタ-を蓋を開けっ放しにしていた専用ケースへ仕舞い、替わりに20発の7.62×51ミリメートル弾薬が装填されているマガジンをSR25M110SASSセミオートライフル銃に装着して、右手の人差し指と中指をチャージングハンドに引っ掛けて手前に引っ張るが、ボア・サイタ-をチャンバーから抜き取る際にチャージングハンドを引いたためにSR25M110SASSセミオートライフル銃の内臓ハンマーが倒されている状態なので、少ない抵抗でチャージングハンドは手前に引かれて後退したボルトの空間にはマガジンの最上部に装填されている7.62×51ミリメートル弾薬がエジェクションポートから見えたところで、チャージングハンドに掛けていた右手の人差し指と中指を離すと、ボルト前端が7.62×51ミリメートル弾薬のリム部を押してチャンバーへ送り込んでチャンバーを完全に閉鎖して発砲の準備が整う。
俺は一度、SR25M110SASSセミオートライフル銃のマニュアル・セフティ(手動安全装置)をSと刻印されたセーフティの位置に合わせて、意図せずに暴発するような事がないようにしてから、利き目である左目でスコープの接眼レンズを覗いてレティクル・センターをターゲットのセンターへ合わせて1分間に1発のタイミングの遅撃ちで3発を連続して発砲した。
3発目を撃ち終えた時点で、SR25M110SASSセミオートライフル銃のマニュアル・セフティをSの位置に合わせてから、上体を起こしてテーブルから降りるとペーパーターゲットに向かって歩く。今俺が、SR25M110SASSセミオートライフル銃に取り付けたスコープのゼロインを行っている射場の射程距離は25メートルなので、射座からペーパーターゲットまで歩いたとしても大した時間は掛からないし、SR25M110SASSセミオートライフル銃の取扱いマニュアルにも射撃訓練時にはバレルや消音器が素手で触れるくらいの状態で行うように記載されているので、射座とペーパーターゲットの間を往復して歩いている間にSR25M110SASSセミオートライフル銃の消音器や機関部が冷やされてくれるならば申し分ない。
ペーパーターゲットの前に立った俺は、着弾した3発の弾痕を見ると狙点としたターゲットのセンターより上方1センチメートルから2センチメートルくらい離れた所に4センチメートルの幅で着弾しているのが分かった。本音としては、もう少し集弾させたいところなのだが25メートルの射程距離でスコープのエレベーションやビンテージを弄ってみたところで着弾結果が大きく改善されるとも思えないので、ゼロインとしては充分だと判断した。元々、ライフル弾薬から発射された弾丸が安定して飛翔するのには50メートルくらいの飛翔距離が必要で、50メートル以下の飛翔距離では弾丸の飛翔状態が安定した状態ではないので、どうしても着弾が拡散する結果となってしまう。なので、スコープの微調整を本格的に行うのは100メートルの射座が使用できる時に、改めて着弾状況を確認してからにする事とした。




