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頭が、ぼーっとしている状態ではあるなかで俺は後悔の念に捕らわれている。
確かに、初冬の季節を迎えているとは言え密林が生い茂るジャングルでスコールに降られてずぶ濡れとなった状態のままで、多少の無理をしていたところで降っていたスコールが止んだ後、予想外に気温が急速に下がったため、体温を奪われたことで寒さを感じたので一休みをするのに風避けのつもりで一時的な手頃と思われる場所にテントを張った上に防水タープを設置してからテントに入り込んだまでは良かったが、濡れたままの衣服を着替えることもせずに居た最中に油断して居眠りをしたのが不味かった。
目を覚ました時にはテントの中は暗くなっており、身体は怠さを感じているだけでなく悪寒を感じて小刻みに震えて止まらない。
これは完全に風邪を引いて発熱をしている症状であること判断したので、身体が怠くて動きたくないと言った気持ちを抑え付けてバックパックから乾いた下着を取り出すと、テントの中で濡れた衣服と下着を脱いで新しい下着に着替える。
乾いた下着を身に着けて寝袋へ潜り込んでいると体温によって寝袋の中は、徐々に温かくなってきて居心地が良くなり直ぐにでも眠ってしまいそうになるが、このまま眠るわけにもいかずバックパックから携帯用の栄養補助食品であるクッキータイプの箱と500ミリリットル入りペットボトルの水を取り出してクッキーが入ったビニールの包装を歯を使って破り、中身を口に頬張ってペットボトルの水で胃に夕食代わりの食べ物を送り込んだうえで、救急セットのボックスを取り出して中から抗生物質の錠剤を口に放り込んでペットボトルの水を使って服用し、ペットボトルのキャップを閉めると早々に寝袋のフロント・ジッパーを引き上げて眠りに入る。
震えながら瞼を閉じてみると寝袋の下にエアクッションを敷いたのは正解であった。
身体の怠さと悪寒のためにテントを設営する際、下にクッションの代わりとなる草等を敷いていなかったので、テントの上に寝袋を敷いていれば如何に寝袋に中綿が入っていたとしても地面の凹凸が直に伝わる感じがして快適な睡眠どころではなかったのだが、エアクッションのお陰で随分と快適に眠ることができる。しかも、今は未だ大丈夫ではあるがスコールによって大量の雨が降ってきたので地面には相当の水分が含まれており、眠っている間にテントの底布に水分が沁みてくるようだと寝袋にも水分が移ってきて身体を冷やすことになり、病状は更に悪化する可能性があるかもしれない。
気が付いてみるとテントの中は薄明るくなってきているので、夜明けを迎えるまで一度も目を覚ますことなく眠っていたようだ。
充分に睡眠が摂れたことで身体の怠さ等は幾らか消えているような感じがするし、心なしに熱も下がっているような気がするが、寝袋の脇に置いていた救急セットのボックスに入っているデジタル体温計で熱を測ってみる。
左の脇の下へデジタル体温計を挟み、1分くらいすると「ピッ、ピッ、ピッ」とデジタル体温計が計測を終了したことを知らせてくれるので、脇の下からデジタル体温計を取り出して見ると、液晶画面には37度と表示されている。未だ微熱があるようだが、寝る前に服用した抗生物質が利いて体内のウィルス等を攻撃しており、そのウィルス等を完全には駆逐していないのだろう。
昨日の夕食と同じ内容となるが、2度目の抗生物質を服用するためには胃の内壁が荒れないように、抗生物質を服用する前に胃に食べ物等を入れておく必要がある。
クッキータイプの栄養補助食品は、半分の残りがあるので包装を破ってペットボトルの水で胃に送り込んでやり、その後に抗生物質をペットボトルに残っている水で服用する。
多少の時間的な遅れになってしまうが、この後のミッションを無事に遂行するためには病原を確実に退治して健康体に戻ることが肝心で、未だ病気が治っていない状態で無理をしてみても大事なところでドジを踏まないとも限らない。
だいたい、今回のミッションについても事前のお膳立てが完了していて俺は単にライフル銃のトリガーを引けば良いといったような気楽な内容ではなく、いつも通りに必要なお膳立ては自らで行わなければならないのだから、ここで半日か1日を病気療養のために費やしたところで大勢に大きな影響を及ぼすとは思えない。
未だ微熱があるため、温かい寝袋に身体が包まれていると再び睡魔が訪れて、いつの間にか眠りに就いていた。
暑苦しさで目が覚め、テントの中は温室のような感じで温かいというよりも暑いといった方が合うような状態で、テントの外は樹々の枝が生い茂っている割には陽の光が差し込んできて相当に明るくなっている。
恐らく、時間的には正午近くになっているのかもしれないと思いながら、救急セットのボックスに戻しておいたデジタル体温計を取り出して、左の脇に挟んで体温を測ってみる。
「ピッ、ピッ、ピッ」という計測終了のアラームが鳴ったので、左の脇からデジタル体温計を外して見てみると、体温は36度8分という表示になっている。
徐々に平熱に戻ってきているのが確認できたことで安心した俺は、流石に昼食の内容まで栄養補助食品で済ますのも飽きてきたので、バックパックから1人用の湯沸かし器と携帯用ガスコンロ、それにインスタントのカップ麺1個を取り出した。
湯沸かし器に、バックパックから取り出した500ミリリットル入りペットボトルの水を注いで携帯用コンロの上に載せてコンロを点火し、テントの正面ジッパーを開けて外気をテント内に取り入れるようにしておく、テントの素材は布地なので完全に外気を遮断しているわけではないが、コンロを点火している間にテント内の酸素が不足して一酸化炭素中毒にでなってしまたら、何のために抗生物質を服用して病気に対処してきたのか分からなくなってしまう。
湯沸かし器の中の水がお湯になるまでの間、アラスカからフォートブラック基地へ帰還してからの事を思い出してみる。
アラスカから帰還した俺は、フォートブラック基地内デルタ・フォースの上官に詳細な報告を口頭で行った後に、上官からは直ぐに新たなミッションが命じられ行き先は南米のジャングル内で麻薬を密造してアメリカへ送っており、南米での麻薬王と言われている人物の暗殺作戦となっている。
以前にもチームで麻薬の密造工場を襲撃しているが、あの襲撃を受けても以前として麻薬が南米で製造されて、アメリカへ密輸出されている状態となっており現大統領はアメリカ国内へ密輸入されている麻薬の撲滅についても公約の1つとなっており、その公約を実現するために南米での麻薬王と言われている人物の殺害を実行することになった。




