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ミニャのオモチャ箱 ~ネコミミ少女交流記~  作者: 生咲日月
第7章

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特別編 ドングリ工作

書籍化情報公開記念で、本日も!



【8月23日】生産会議


1、ふともも男爵

 ここは生産活動を議論するスレ。

 基本的にここで方針は決まるけど、大きなことは定例会議を通して決定するよ。

 議論して熱くなりすぎないように注意しよう。

 次のスレ立ては960、もしくは日付が変更したらお願いします。

  ・

  ・

【ミニャたちがドングリ拾いをした日の夜】

  ・

  ・

639、工作王

 定例会議を見て知っている人も多いかと思うが、明後日にドングリを使って工作が行なわれることになった。何を作るか議論したい。(※ミニャは基本的に隔日で修行を行なっているので、ドングリ拾いから一日空けて)


640、サガ

 ドングリ工作について色々調べたけど、やっぱりネックレスが良いんじゃないか?


641、ふともも男爵

 みんなビーズ遊びが好きだし、ネックレスは外せないね。


642、リッド

 僕はオモチャを作りたいなー。コマ、ヤジロベー、ドングリ笛とかかな。


643、ゲンナイ

 ドングリ笛とは懐かしい物を知っているね。


644、工作王

 コマとヤジロベーは良いけど、笛はなぁ。知らない高音を鳴らすと大人が慌てる可能性がある。


645、ゲンナイ

 あー、それはそうかもしれない。未知が広がっているというのは忘れてはいけないね。


646、リッド

 それじゃあコマとヤジロベーか。


647、ネムネム

 大きなドングリがあるし、ペイントさせてあげたら喜ぶんじゃないかな?(*’▽’)あたしが!


648、ルナリー

 私も喜びます!


649、ネムネム

 ねーっ(*’▽’)(‘ω‘ *)ねーっ!


650、工作王

 それじゃあルナリーちゃんのためにペイントは採用するか。


651、ネムネム

 え(。´・ω・)?ぶっ飛ばされてぇなら言えよ。


652、シロナ

 あのあの、私もペイントのお手伝いしたいです!


653、ネムネム

 むっ、絵心ありの新人か。よし、ついて参れ(。-`ω-)この道は厳しいぞ?


654、シロナ

 頑張ります!


655、工作王

 イラスト班はリーダーからしてこんなだから、そんなに気を張らなくて大丈夫だ。


656、ネムネム

 やろうってのか!?(ꐦ・ω・)おぉん?


657、髑髏丸

 ドングリにペイントか。なかなか面白そうじゃないか。


658、名無し

 待て、お前はアップするな。


659、名無し

 ドングリが全部頭蓋骨になるやろがい!


660、ウォッカ

 逆に見たいなwww


661、ルナリー

 あとは、ペイントをするならシンプルにお部屋の置物でもいいですよね。大きなドングリなら映えそうですし。


662、サガ

 ドングリのジオラマとかあるしな。まあ、ジオラマはちょっと子供には難易度が高そうだけど。


663、工作王

 それじゃあ、ネックレス、コマ、ヤジロベー、置物をメインに考えて、全体的にペイントありでいこうか。


664、ふともも男爵

 良いと思う。ヤジロベーも顔とか書いてあると楽しいしね。


665、ネムネム

 異議なし(*’ω’*)ノ良いと思います!


666、工作王

 では、準備クエストを作成するから受けてくれ。納期は明後日の朝までだ。


667、リッド

 さあて、頑張るぞー。

  ・

  ・

  ・

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>



 ミニャたちがドングリ拾いを楽しんだ翌々日。

 今度は拾ったドングリで工作をすることになった。


 これに腕まくりをしたのは生産賢者たちである。


 前々日の夜から準備を始め、工作グッズの作成や工作方法の確立まで行なった。

 工作方法の確立は、ここが日本ではないからだ。日本ならドングリを磨く場合レシートなどを使えばピカピカになるが、異世界にそんなものはないので研究する必要があったのだ。


 そして、迎えた当日。

 昼ご飯を食べた子供たちが広場のテーブルに集合した。ポカポカ陽気で風も出ておらず、絶好のアウトドア工作日和である。


 ミニャを筆頭に、子供たちはワクワクしながらお座り。

 そこに賢者たちがお道具箱をたくさん持ってやってきた。最初からテーブルに置いておけという話だが、こうして持ってきたグッズを見て、子供が喜ぶ姿を見るのが賢者たちは好きなのだ。


 子供たちはその術中に見事にはまり、パァッと顔を輝かせる。


「にゃー、いっぱいある!」


「ミニャちゃん、木のビーズもたくさんあるよ!」


「ホントだ!」


 各テーブルにたくさんのお道具箱が置かれた。

 大小様々なドングリに、ウッドビーズ、希少石ビーズ、木の棒、素敵な紐など素材はもちろん、各種工作道具も揃っている。

 さらに、完成しているネックレス、コマ、ヤジロベー、置物が各テーブルに置かれて、見本にしてもらう。


 まだ文字を読めない子もいるので、代わりにミニャが賢者のフキダシを読んで説明した。


「うんとねー、これはヤジロベーって言って、こうやって遊ぶんだって……にゃんですと!?」


 説明していたミニャは、テーブルの上でヤジロベーの遊び方を実演する賢者を見て、ふぉおおおとした。

 賢者の手の平の上でヤジロベーがグラグラするが、バランスを取って絶妙に落ちない。そのヤジロベーには可愛らしい顔が描かれているので、キッズ特効性能を持っている。


 順番に説明をして、工作がスタートした。


 女の子が多いので、やはりビーズアクセサリーの人気は高く、まずはそれから着手。


 これまでもミニャたちはビーズアクセサリーを何度か作っているので、慣れたものだ。しかし、今回はドングリを磨き、必要なら塗装するので、そのあたりの工程は初めての体験。


「ゴシゴシゴシゴシ」


「ミニャちゃん、キュッキュッキュだよ」


「えー? んー……キュッキュッキュかも!」


 マールに言われ、ミニャは手元を見てキュッキュッキュだと改める。

 大きな汚れが落ち、さらに磨くとくもりも落ちて、ドングリがツルツルになった。


「おっ、ビャノ、面白そうなことしてるじゃねえか」


 女神の森から帰ってきた冒険者のザインとバールが興味を示した。


「ドングリでコマを作ってるんだ」


「へえ、面白そうだな」


 ザインはそのままミニャの下へやってきた。


「ミニャ様、俺たちも何か作っていいですかい?」


「いいよー!」


「それじゃあ、お邪魔して」


 ザインたちはビャノたちのテーブルに座り、子供たちと一緒に工作を始めた。


「おっちゃん、なに作んの?」


「お兄さんと呼べ」


「お兄さん!」


「ったく。そうだなぁ、それじゃあ俺はドングリ戦士でも作るかな」


「「なにそれぇ!?」」


「なんだ、お前らドングリ戦士を知らねえのか? じゃあ、いっちょ作るとするか」


「じゃあオイラもドングリ戦士を作るかね。さてさて、良い形のドングリは、っと」


 異世界にも歴史あり。日本にヤジロベーがあるように、異世界ではドングリで戦士を作るらしい。これには同じテーブルにいる生産属性たちが、どんな物を作るのかとワクワクし始める。


「えー、なになに、なにしてんのー?」


「あ、セラさんだ! ミニャたち、ドングリでネックレスとか作ってるんだ」


「へえ、良いじゃないですか。私も交ざっていいですか?」


「いいよー!」


 今度は召喚士のセラがやってきて、ミニャと同じテーブルで工作を始めた。


「コーネリアさんはダンジョン?」


「ええ。ルカルカと一緒に行ってますよ。明け方から入っていたし、もうそろそろ帰ってくるんじゃないですかね」


「そっかー」


 初めて村に来た冒険者グループだけあって、ミニャはコーネリアやセラ、ザインたちに懐いていた。


「おー、なに子供と一緒にやってんだ?」


 休日を過ごしている他の冒険者もやってきた。


「ドングリ細工だよ」


「へえ、昔よくやったな。ちょっと俺も交ぜてくれよ」


「そういうのはミニャ様に言え」


「おう、そりゃそうだな」


 ザインたちは決してミニャを下に見ない。

 もちろんミニャの返事は「いいよー!」であった。ドングリ工作が謎の人気だ。


 下準備を整えたミニャは、ウッドビーズを布の上に並べ、うーんと腕組みをしてお姉さんの構えで悩んだ。以前、ビーズを紐に通す前に、並べて完成図を描くという手法を学んだので、それを実践しているのだ。


 ウッドビーズは染色された物や無垢の物もあり、全体的に素朴な色合いになりそうな予感。それもまた渋みがあっていいのだが、若いミニャにはまだ早いセンスだった。


「ここにこれがあると良いかも!」


『シロナ:わぁ、素敵です!』


『ネムネム:葉っぱの中にドングリがあるみたいだね』


「うん、そんな感じなの」


 ドングリの両隣に緑の葉っぱのチャームをつけ、ちょっぴり華やかさがアップ。日々のビーズ遊びは侮れないようで、ミニャたちのセンスは着実に上がっていた。


 配列が決まったので、紐を通していく。そうして出来上がったネックレスを見て、ミニャは満足気。

 しかし、それで終わりではないようで、ミニャは全く同じ配列のネックレスをもう一つ作った。


 そして、お尻の横で寝ているモグを抱っこして、テーブルに置いた。


「これモグちゃんのね」


「もぐ?」


 モグの首にかけてあげて、後ろで長さを調整。

 それからミニャは、自分も首にネックレスをかけた。


「ももぐ!」


「そう、一緒のネックレスだよ」


「もぐ!」


 全裸のモグはアクセサリーを理解できたのか、腕をパタパタさせて喜んだ。非常に尊いふれあいに、賢者たちが受けるほっこりコンボは止まらない。


「どーお、良い感じ?」


「ももぐ?」


 ミニャがセラやマールに問うと、テーブルの上でモグも自慢げに賢者たちにネックレスを見せた。


「へえ、可愛らしいですね」


「わぁ、モグちゃんも似合ってるね!」


『ネムネム:二人ともめっちゃ似合ってるよ!』


『シロナ:可愛いですぅ!』


「にゃふー!」


 こいつぁ良い物ができたと、森のファッションリーダーは喜んだ。


「ミニャちゃん、マールもできたよ。どうかなー?」


「にゃー、マールちゃん凄く似合ってる!」


「へえ、マールは器用ねぇ」


「んふーっ!」


 などと女子たちは褒め合ってキャッキャ。


「次はどれ作ろうかなぁ。ミニャちゃんは?」


「ミニャは、ヤジロベー作ってみる!」


「じゃあ、マールも一緒に作るね」


 2人はネックレスを付けたまま、次なる工作を始めた。モグはそのままテーブルの上で賢者たちから無限にモフられる。モグはそこそこ大きいので割と面積を取っており、ほどなくしてミニャの隣の椅子に下ろされた。


 そんな折、ミニャはふとセラの手元を見て、目を見開いた。


「あーっ、セラさん、ドングリでシカさん作ってる!」


「おっ、よくわかりましたね。もうちょっとで完成ですよ」


 セラはドングリでシカの置物を作っていた。

 ナイフで表面を削ることで縞模様も表現し、まだ工程半ばなのにクオリティの高さが窺える。本気の工作だ。


「ただいまー」


 その時、コーネリアたちが帰ってきた。


「あら、ミニャ様とマールは可愛らしいのをつけてますね。むっ、モグちゃんまで!」


「いま作ったんだ! ミニャとモグちゃんのはね、ここが可愛いポイント!」


「マールのはここがオシャレなの!」


「もぐも、ももぐ!」


 コーネリアに褒められて、ミニャはマールと一緒にお気に入りのポイントを解説する。いつも遊んでくれるお姉さんの登場に、モグもここぞとばかりに二足立ちしてネックレスを自慢した。


 当然のようにコーネリアとルカルカも参加し始めた。


「へえ、セラも上手いじゃない」


「まあね」


「それじゃあ私も本気でいきますかね」


「ドングリ細工かぁ。村にいた頃はよくやってたわね」


 コーネリアは人形使いという要求DEXがえげつない職業に就いているだけあって、器用な冒険者だ。人形の簡単な補修を自分で行なうこともあるようで、ある程度の生産活動もできる。

 ルカルカは村育ちで、水属性アレルギーという重い病を患っていた子供時代だったものの、ドングリ細工はやったことがあるようだった。


 二人はセラにライバル意識を燃やし、子供から称賛を得るためにドングリで置物を作り始めた。大人げない。


 一方のミニャたちはほのぼのと工作を楽しむ。


 賢者たちにサポートしてもらいながらドングリにペイントし、ヤジロベーを組み立てる。

 ミニャは、そうして出来上がったヤジロベーを、ネムネムの頭の上に載せた。


『ネムネム:あ、あ、あ……』


『シロナ:せ、先輩、載ってるのはヤジロベーですよ!』


 ネムネムがあわあわし、新人賢者はハラハラ。ミニャはケラケラと笑った。


『ネムネム:あ、あーっ!』


『シロナ:ヤジロベーなのになんで!?』


 小悪魔系ミニャちゃんの策謀により、ネムネムがクソザコだということが新人賢者に暴露される。


 ひとしきり笑った後、ミニャはまた何やら作り始めた。クリエイターミニャちゃんである。


「なに作るのー」


「賢者様!」


「面白そう! マールも作る!」


 その発想はなかった賢者たちは、コイツは一大事だとワタワタした。


 ミニャは、自分とマール用に人形倉庫からお人形を2体出して見本に使う。自分たちも宿る人形の制作なので、賢者たちも全面協力だ。


 さて、そんな折である

 ザインとバールが作っていたドングリ戦士なる物が完成した。


 これは、ドングリで作る『起き上がりこぼし』だった。

 小さな穴から中身を根気良くくりぬき、錘付きのフタで穴を閉じて樹液の接着剤で固定する。その工程の都合で、ある程度大きなドングリが使われるようだった。


 完成したドングリ戦士をコロンと転がすと、見事に起き上がった。


「すげぇ!」


「起き上がった!」


 ビャノとラッカが目をキラキラさせてその様を眺める。


「小さいのに何度も起き上がるからドングリ戦士っていうんだ」


「へえ!」


「お前らにやるから、好きに絵を描いていいぞ」


「ホント!? ありがとう!」


「あまり強く握ると割れちまうから気をつけろよ。あと、コイツは普通、人の顔と剣を描くもんだからな」


「「わかった!」」


 そんなやりとりを見て、賢者たちはパトラシア人の遊びにとても感心した。


「できた!」


 コーネリアがドングリの置物を完成させた。

 トンッと置いたそれは、大きなドングリであるクマの実にペイントしたモグだった。その腕前はなかなかのもの。


「「モグちゃんだ!」」


「もぐ?」


 ミニャたちはすぐにわかったが、モグはドングリで自分を表現されたとはさすがに認識できなかった様子。


「ザインたちもドングリ戦士を作ってたのか。被ったわー」


 ルカルカもドングリ戦士を作って、自分でペイントまでしていた。子供時代に何度も作ったのか、コーネリアがモグ人形を作るまでに3つのドングリ戦士を完成させている。


「全部起き上がった!」


「あはははっ、すごーい!」


 その3つをまるでサイコロを振るようにテーブルへ転がすと、一斉に起き上がって子供たちを驚かす。ルカルカは良い気持ちになった。


「わぁ、シカさんだぁ!」


「へえ、足に木の棒を使うのかぁ」


 一方、セラが作っていたシカも完成しており、見に来た子供たちがテンションを上げる出来栄えになっていた。


 総評して、冒険者は工作遊びを本気で取り組む人種であった。


 そして、いよいよミニャとマールが手掛けていた人形が出来上がった。

 木の芯を持ち、足以外の全てがドングリの人形である。頭部には顔が描かれており、愛嬌がある。


 ミニャがウインドウを操作して、自分が作った人形にはニーテストを、マールが作った人形には覇王鈴木を召喚する。ナンバー3と5という目に留まりやすい場所に名前があるため、この2人でいいや、という精神である。


「あっ、起き上がった! 覇王鈴木さんだ!」


「ニーテストさん、どーお?」


 賢者が宿って動き出し、嬉しそうに観察するマールとミニャ。

 近くではセラたちがドングリでもいけるんだと、興味深そうに見ている。


『ニーテスト:ああ、なかなか良い感じだぞ』


 そう言いながら立ち上がったニーテストを見て、ミニャはふぉおおとした。


「カッコイイ!」


 ドングリを連結させた人形なので、これまで作った人形の中で一番素朴な雰囲気だが、ミニャ的にはカッコイイらしい。


 賢者たちは草人形や糸人形なども作ったことがあり、それらは植物系統の人形で一番低いスペックをしていた。ドングリ人形はその少し上くらいのスペックだった。

 ミニャが一生懸命作った物だが、残念ながら実用的ではない。しかし、たまに遊ぶには良さそうで、賢者たちの大切な人形の一体になった。




 一部の冒険者は自分で作ったドングリネックレスを気に入って持ち帰り、あとの冒険者は作るだけ作ってあとはいらなかったようで、子供たちのお部屋を飾ることになった。

 ミニャもコーネリアが作ったモグの人形を貰い、ドングリ賢者人形やヤジロベーなど、自分が作った作品と一緒に玄関に飾った。


 それを見て、ミニャは「にゃふぅ!」とご満悦。


『ネコ太:ミニャちゃん、とっても素敵だね?』


『ネムネム:お客さんが来たら、きっと、すごーいってビックリしちゃうよ!』


「うん!」


 こうしてまたひとつ、ミニャちゃんハウスに命が吹き込まれるのだった。



読んでくださりありがとうございます。

また、たくさんのお祝いのコメントありがとうございます。


情報公開しましたので、↓のフッター部分にリンクを貼っておきます。ぜひ見ていってください。


※なお、フッターの作成には、『作者様向け。ランキングタグ・テンプレート 著:灰猫さんきち様』のテンプレートを使用しました。ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
そういやミニャンジャ村の通貨単位はドングリだったな・・・
団栗の皮を剥いて、粉にして、水を加えて捏ねて、焼いて、とかしなかったのね(笑)
異世界における謎のドングリ人気 異世界の田舎は、あらゆる物を遊び道具にする創意工夫が無いキッズは生きていけない。
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