7-29 大規模オフ会7 女子会
本日もよろしくお願いします。
覇王鈴木が去り、あとにはニーテスト、ネコ太、そしてネムネムが残った。
背の小さなネムネムはネコ太からソフトなあすなろ抱きで捕獲され、目をグルグルさせている。陽キャに絡まれた陰キャそのままの姿だ。
「それで。見た感じ、お前はネット弁慶で、こっちでは内気ということで良いか?」
ニーテストから言われて、ネムネムは絶望したような顔を見せてから俯いた。
それを見たニーテストは肩をすくめた。
「ハッ、別に気にしちゃいないよ。大人しいヤツなんてこの世にごまんといる。普段は大人しいのに、自分の理屈で大義名分を見つけてネットでは平気で人を傷つけるヤツだっている。それに比べたら随分まともだ」
ネムネムはワンピースの裾をギュッと握り、俯きながら頷いた。
「はー、タバコ休憩でござる」
と、そこに浴衣姿のライデンがやってきた。
「むっ、何者でござぁー……ネムネムでござるか?」
「よくわかったな」
「これでも軍師でござるからな!」
ライデンは得意そうにしてからその場を離れ、庭にあるベンチに腰掛けた。その間、ネムネムは一言も喋っていない。
「アイツを見ろよ。こっちで初めて会ったお前と話すよりもタバコだぜ? 嫌煙家の多い今の世の中でなかなか頭おかしいだろ?」
その会話が聞こえているのに、ライデンはキセルで紫煙を燻らせてどこ吹く風。
「世の中にはいろんなヤツがいるんだから、気楽にいけよ。喋りたければ喋ればいいし、黙って話を聞いていたいなら頷いていればいい。気楽にいけ、気楽にな」
ニーテストはそう言って、ネムネムの頭をガシガシと撫でた。ネムネムは心がちょっと温かくなった気がした。
「それでも、あんまり硬いようならおっぱい揉むぞ」
しかして、次の瞬間、豹変!
ニーテストがネムネムの前で両手をワシワシと動かし始める。
「あーわわわわ……」
ネムネムは絶望した。ヤバいところに来てしまったと。
すでにその身はネコ太からあすなろ抱きで捕獲され、眼前にはおっぱいを揉むという変態女。そして、ここはドキッ女だらけのシェアハウス。
まあ、冗談なのだが。
ニーテストはフッと笑い、再びネムネムの頭をガシガシと撫でる。まるで男のような乱雑な撫で方だ。
「まあ、察するに変わりたくてここに来たのだろうから、話さなくても良いから人と一緒にいることだな。存外、人の声を聞くというのは重要だぞ。私もネコ太たちと一緒に暮らすようになって気づいたことだ」
「いつもすっごくうるさそうにするけどね」
「お前、細かいんだもん。まあいい、ほら、中に入るぞ」
「ネムネム、お腹空いてない? ずっとミニャちゃんと遊んでてくれてたんでしょ?」
「だ、大丈夫だけど……」
しかし、ネコ太からの質問に答えたそばからお腹がくるると鳴り、ネムネムは慌ててお腹を押さえて顔を赤くした。
「マンガみたいなことをするヤツだな」
「じゃあ夜食にしようね」
「アヤメ婆ちゃんのぬか漬けがあるんだ。マジで美味いぞ」
ネムネムはたくさんの言葉に目をグルグルさせながら、家の中に入っていった。
「青春でござるなぁ」
あとに残されたライデンは紫煙を空に吐き出す。
火を始末し、体に入った煙を全て吐き出すように深呼吸。
家に入ったネムネムを待っていたのは、外部勢の7人の女子たちだった。女所帯の大きな一軒家なので、割り振られた人数も多い。そこにニーテストたちとネムネムを加えて、11人。
「まあ、ネムネムですのー!?」
「ちっちゃーい!」
「あははは、おとなしー!」
キャッキャである。
しかし、当然、全員が姦しいわけではない。
この家には闇人も泊まっていた。パジャマはゴシックドレスの印象からガラリと変わり、黒地に赤い蝶が飛ぶ薄手の浴衣。
そんな闇人は、部屋の端っこで座禅を組んで呼吸法を復習しつつ、アニメと雑談スレッドを眺めていた。浴衣で座禅を組んでいるので白い脚が丸見えだが、女だけしかいないので気にしない。
なお、行きはユナやアオと一緒だったが、女子高生はアパートを借りて宿泊中である。
「見ろよ、あのマイペース女を。あんなんでいいんだよ」
「ブイ」
闇人はしっかりと会話だけは聞いているようで、ニーテストに顎で示されると、ピースサインで返した。
ネムネムは、ジーッと闇人を見た。喋らなくてもいい相手なので、楽そうだと思ったのだ。
「素麺茹でるけど、食べる人ー」
そこでネコ太が問うた。
女子たちは一瞬目をギラリとさせて、「はーい!」とみんなして手を上げた。ネムネムだけ手を上げないが、当然、メインはネムネムである。
ニーテストはネムネムを女子に任せて、ソファにふんぞり返るようにして座り、夜になって始めていたクエスト作成業務を再開する。
「ネムネムは覇王鈴木に送ってもらったんですか?」
素麺を待っている間に、早速、乙女騎士が話しかけた。
先ほどまでずっとブレイドについて尋ねられていたので、新たな話題の種を欲していたのだ。生贄とも言う。
ネムネムはもじもじして、コクンと頷いた。
「覇王鈴木、カッコイイよねー」
「わかるー。ニートやってたとは思えないよねー」
「アイツは私が育てた」
などと横からニーテストが言うので、女子たちは「言う言うー!」と笑った。
実際のところ、とりあえず雑用は覇王鈴木に振っておけばいいと思っていたので、ニーテストが育てたというのはあながち間違いではないだろう。
「あら、そのミニャちゃんのキーホルダー、とっても素敵ですわね!」
「わっ、ホントだー! めっちゃ可愛いー!」
ネムネムのカバンについているアクリルキーホルダーに気づいて、目を真ん丸にして驚くのはお嬢様系賢者のラフィーネ。そのパジャマはフリルがついた青いネグリジェ。ネグリジェの語源は身なりに気を使わないといったような意味だが、これでもかと気取っている。
ネムネムは「自分で作った……」ともじもじした。
「まあ、自分でお作りになったんですの!? さすが生産属性ですわねー。はえー」
「生産属性はいいよねー。欲しい物はだいたい作れちゃうし」
「工作王もちゃんとした服を作ってたしねー」
「あれ剣鹿でしょ? 凄いよねー」
「髑髏丸君も人形の服を自分で作ってるんでしょ?」
「彼岸花ちゃんねー。ああいうドール人形でミニャちゃんみたいなの欲しいなー」
「ほしー!」
などとすぐに移り変わる会話の渦中で、ネムネムの目はグルグル。
「できたよー」
しばらくすると、ネコ太が素麺を持ってきた。
素麺とそれぞれの麵つゆに加え、トッピングとして薬味、瓶詰めなめこ、大根おろし、カニカマほぐし、茹でオクラの輪切り、キュウリの千切り、トマトが。おかずにはニーテストが大好きなぬか漬け。
「まあっ、豪勢ですわねー!」
ラフィーネが目をキラキラさせて言った。
「野菜は里の人から貰ったヤツなんだよ」
「へえ、さすがだねー」
異世界産の物はないが、パッと作った夜食としては十分だろう。
適当に席について、みんなでチュルチュルし始めた。
「ほら、ネムネムも食べて」
遠慮していたネムネムのお皿に、ネコ太が素麺の玉を移してあげる。
「あ、ありがとうございます」
「トッピングはなにがいい?」
「えっと、あの、じ、自分でやる……」
「じゃあ遠慮しないで、いっぱい食べてね」
「う、うん」
「お前、田舎のおばちゃんみたいになってきたな」
「……ハッ!?」
世話を焼くネコ太はニーテストに指摘されると、自分の行動を鑑みてハッとした。
ネムネムは器に盛られたトッピングをスプーンで取り分け、素麺と一緒に食べ始めた。
「ネムネム、美味しーい?」
「うん」
コクンと頷くネムネムは小動物のように一生懸命食べている。
「今日、ミニャちゃんはどうだった?」
「か、可愛かった」
「わかるわー」
同意してもらえたネムネムは、「む、むふー」としながら素麺をチュルチュルする。ちゃんと会話ができて嬉しかった。本人的には立派な会話なのである。
「ネムネムは仕事って全部ネット上でやってるのか? イラスト業もそうだけど、ルナリーたちと作っているミニャのスタンプとか」
ウインドウを弄りながら食事をするニーテストにそう問われて、ネムネムは「うん」と頷く。ネムネムは仕事関連で他人と直に会ったことは一度もなかった。かつて薄い本に手を出した時もそうだ。
「へえ、凄いねー。あたし、ネットで仕事なんてしたことなーい」
「私もありませんね」
「そんなことありませんわよ。わたくしたち、カスミ製薬に薬草を卸しているではありませんこと。あれだってネットで明細を受領しているではありませんか」
「たしかにそうですね」
「あたしたち、いつの間にかフリーランスになってた!?」
「まあ、明細を出しているのは最強女神教団だけどな」
などと会話の輪が広がる。
話を聞きながら大人しくモグモグしていたネムネムは、そこではたとする。覇王鈴木やニーテストに教えてもらったことを実行して、「ふんふん」と控えめに頷いた。
この程度のことで良いというのは本当で、喋りたい人が勝手に喋り、ネムネムが無口なことなんて誰も気にしない。たまに話を振られても、少し言葉を発すればまた勝手に話が広がっていく。
「あっ、あたしたちがいないことを良いことに!」
「モグちゃん布団最高だよねー」
「あれ以上のベッドって現代科学でも作るのは不可能だよね」
ウインドウの中では、モグの肉布団で寝始めている賢者たちの姿が。
そんなふうに生配信でも話題が提供され、会話の潤滑油はジャブジャブだ。そんな時のネムネムは「ふんふん!」と自信を持って頷く。
「さて、ミニャもベッドに入ったことだし定例会議を始めるが、参加したい者はしてくれ。こんな日だが、特別に思わず、普段通りに過ごしてくれていいからな」
ニーテストはそう言って、素麺を食べながら器用にスレッドを建てる。
定例会議に参加する者もいれば、スレッドを眺めながらお喋りする者もいるし、マイペースな闇人に至っては素麺を食べ終わるとダンジョンへ行ってしまった。
思い思いにワイワイした空間。
ネムネムは緊張しつつもそんな楽しい時間を過ごした。
定例会議が終わり、22時。
ネムネムは現在、ニーテストから借りたロングTシャツに着替えていた。
小柄なネムネムのサイズに合うパジャマはニーテスト、ネコ太、ライデンの誰も持っていなかった。そのため、ニーテストのロングTシャツである。
「彼シャツみたいで草」
「可愛い!」
「えっろ!」
ネムネムはもじもじしながらTシャツの裾を握る。その下は下着なので反応としては今までで一番正しい。
「ていうか、ニーテストさ。このTシャツの英語の意味わかってる?」
女子の一人が言った。
「知らん。たしかこれはジャスコーンで買ったヤツだと思うけど、変なことが書いてあるのか?」
「ジャスコーン! 金持ってんじゃないの?」
「別に私がどこで服買ってもいいだろ。当時は誰かに会うでもなかったし、高い物だと洗濯するのにだって気を使うし。そんなことより、なんて書いてあるんだ? どうせ碌でもないことなんだろうけど」
「ちん〇んに私の祝福をって書いてある」
「下品すぎて草。クレームもんだろ。基本的に部屋着にしてたけど、何回かそれを着てコンビニに行ったことあるんだけど」
「外国人が見てたら爆笑ものだったわね」
その話を聞いていたネムネムは絶望した顔をニーテストに向けた。そんなことが書かれた服を着ちゃってるんですけど、と。
「大丈夫、だーいじょうぶ! よく似合ってるから!」
「なんのフォローにもなってないですわよ」
ラフィーネがツッコンだ。
ネムネムはハッとして、「ふんふん!」と頷いた。
なにはともあれ。
ネムネムは勇気を出して良かったと思うのだった。
一夜明け、アパートの一室でホクトは目を覚ました。
知らない天井を見上げながら冒険の書をロードして、すぐに状況を思い出す。
昨晩はダンジョンで賢者仲間や遅れてきた兄と一緒に呼吸法を復習しながら魔物をしばき、帰ってくると女子会をする余裕もなく、濃厚な一日の疲れを取るようにぐっすりと眠った。
脱衣所の方ではシャワーの音が聞こえてくる。周りを見れば、アオとユナが泥のように寝ており、一緒に泊まったルナリーがいない。ちなみに、この部屋は女子高生4人で借りている。
ホクトはクセですぐにウインドウを起動すると、ミニャンジャ村の様子をチェック。時刻はまだ6時少し前。ミニャは起きておらず、ミニャのベッドの周りでダラダラした近衛隊の様子が赤裸々に映し出されていた。この状態なら問題は起こっていない。
確認を終えたホクトは脱衣所に入り、さらに風呂場のドアを無造作に開ける。
中ではルナリーがシャワーを背中に浴びながら、ひゅおーと呼吸法をしていた。
ちょくちょくダンジョンの修行に参加しているおかげか、インドア派なのにすっかりスポーティなボディになったルナリー。
水を弾いた腹筋は女性らしさを残しつつ引き締まり、鼠径部からウエストを巡り肋骨の下にかけて、すりガラスの窓から差し込む自然光によって素敵な陰影を作り出している。この体を躍動させて力を生み出すことで、銃を持った男ですらぶっ飛ばすのだ。
「ふえきゃわーっ!?」
ハッとしたルナリーが両手で胸を、片足を上げて下腹部を隠して、悲鳴を上げた。
ホクトはヒューッと口笛を吹き、「えっろ」と一言。
「ナナちゃん! いきなり開けないでよ!」
「レイの裸なんて見慣れてるから良いじゃん別に」
「そうだけど! いや、そうじゃないよ! 全然良くないよ!」
「あたし、外で運動してくるから」
「それだけ!?」
「報連相は大切だからね。じゃあ行ってくるから」
「う、うん、わかった」
ホクトは「はー、朝から良いものを見た」などと言いながら支度をして、アパートの外へと出る。
時期は夏。すでに太陽は上がり、朝のセミが鳴き始めていた。大声で叫べば届きそうな近さに青々とした山が見え、普段とは違う場所での朝活はとても気持ちが良い。
ホクトは準備運動を開始した。
「むむっ!」
体の調子がすこぶる良い。
体が温まり、そのまま昨日学んだ呼吸法へと入る。
目を瞑り、鼻から深く息を吸い、薄く開いた唇から空気を吐き出す。一回の呼吸が非常に長い。
「なかなか良いねぇ」
その声にハッと目を開けた。
近くにネコ忍のお婆ちゃんがいた。おそらく70は過ぎているはずだが、見た目は50代程度に見える。ホクトはさすがに賢者全員の名前は把握しておらず、このネコ忍のお婆ちゃんの名前はわからなかった。
「おはようございます!」
「はい、おはようさん。元気があっていいねぇ」
「ミニャちゃんのところに行ってから元気いっぱいです」
「ほっほっ、そりゃ私らもだ。まったくありがたいことだねぇ。どれ、私も一緒にやろうか」
野良の達人、参戦!
2人で、昨日のトンネルで行なったように体を動かしながらの深い呼吸を繰り返す。
「少し呼吸が早いね。あと1秒長くを目安に呼吸しなさい」
「はい」
「アンタの眠っていた肺細胞は空気の味を思い出した。それに応えるように、体も自然と動くはずだよ。それ、弾むようにぐるんとしながら吸ってぇー」
そんなアドバイスを受けながら体操と呼吸を続けると、どんどん清々しい気持ちになっていく。それを見通したようにお婆ちゃんが言う。
「少しクイズを出そうかね。そこのドアの横にある窓の縦の柵が何本か答えてみなさい」
「12本ですか?」
「うむ。では、これはいくつかね?」
お婆ちゃんが手を振ると、複数の小石が空中にふわりと投げられる。
「8個です」
「ではこれは?」
さらにもう片方の手を振ると、花びらが複雑に舞う。
「12枚」
全ての質問を瞬時に答えられたホクトは、自分で驚いた。
「良い子だねぇ。正解だよ」
「なんだかパッとわかりました」
「それはそうさね。呼吸は脳も活性化させる。訓練をする際にはそれも念頭において脳を鍛えると良いかもね。今みたいな単純なことでも状況判断を素早くする訓練になるんだよ」
「わかりました」
この清々しさの正体は脳の活性化なのかとホクトは思った。
「ところで、あれが何かわかるかい?」
お婆ちゃんがホクトの背後を指さした。
ホクトが振り返るが、どれを指さしていたのかわからない。
「すみません、どれでぇええええ!?」
再びお婆ちゃんへ向き直るが、そこには誰もいなかった。隠れられるアパートの角まで10m近くある。
「ネコ忍のお婆ちゃんこわぁ」
足元の花びらがお婆ちゃんは本当にいたと告げていた。
八鳥村の朝の風景であった。
20分ほどで朝練を終えて部屋へと戻ったホクトは、シャワーで汗を流すことにした。
無造作に洗面所のドアを開けると、全裸のユナが鏡の前でポーズしていた。
こいつぁ夏休みが終わったら大変な騒ぎになるぜぇ、みたいなニヤケ顔をしていたのも束の間、ドアを開けられたことで悲鳴を上げた。
「にゃえー!? いきなり開けないでよ!」
「ごめんごめん。まあわざとなんだけどね!」
ユナが部屋にいないのはわかっていたので、当然わざとである。
「夏休みが終わったら大変な騒ぎになるぜぇみたいなこと思っていたでしょ」
「思ってないし! ていうか、いいから出ていけー!」
「こえーっ! 女同士なんだから別にいいじゃん」
「そんな理屈通るかー!」
よく聞くセリフだが、一緒に風呂に入るとか、プールのために着替え中とかならともかく、一方が服を着ているのだから、実際には同じ女性でも通らない理屈だ。
「ナナちゃん、よくないよ」
居間に戻ると、ルナリーからジトっとした目で注意され、ホクトはてへぺろとおどけて見せた。
ユナが赤い顔で出てきたので、入れ替わりでホクトがシャワーを浴びに。
風呂場にある鏡に水をかけ、水が玉を作って弾く己の体を見る。
ルナリー以上にダンジョンでの修行に参加しているホクトは、ここ数か月ですっかり素敵ボディに変わっていた。女性らしい曲線の中に、ネコのようなしなやかな筋肉をつけている。そんな美ボディになったので、最近はお風呂に入るのがとても楽しいホクトである。
両手に水の小太刀を作り、風呂場の戸へ向けてシュバッとポージング。全裸でキメ顔だ。
その時、ガラリと風呂場の戸が開けられた。
「なにやってんの!?」
「絶対に来ると思ってサービスカット」
さっきのお返しで入ってきたユナとルナリー、ついでに被害がないけど見物のアオ。
そんな3人にホクトは顔を赤らめて言う。目撃した3人も顔が赤い、ルナリーに至っては顔を手で隠して、指の隙間から見ている。
が、ホクトはお返しに来るのがわかっていたので、脚や腕、深めた腰の角度、水の小太刀で大切なところを絶妙に隠したポーズである。
「ナナちゃん、ちょー良い体じゃん。美少女アサシンみたい」
「濡髪えっろ。ねえ、ちょっと色々ポーズ変えてよ」
すぐに気を取り直して見学モードに変わったアオとユナが言う。
「やだ! もうサービスは終わり!」
「やっぱり恥ずかしいんじゃん」
「恥ずかしいよ!」
「大丈夫、エロいけどカッコイイから。ほら、今度は水の鞭を体に巻きつけて敗北した悪の女幹部風のポーズしてよ」
「そんなポーズするかー! 出ていってー!」
キャッキャキャッキャ!
ホクトやルナリーと同じクラスの友達程度の関係だったユナとアオだが、立て籠り事件や賢者へのスカウト、そして今回のお泊まり会を経て、本当の親友になるのだった。
読んでくださりありがとうございます。
ブクマ、評価、感想、大変励みになっています。
誤字報告も助かっています、ありがとうございます。




