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モンスターの目
夫に妊娠を伝えた。それを夫が喜ばないと分かっていたが、伝えなければいけない事ではある。
そして、告げられたのは堕ろせの一言。他には何も無い。
「こんな親の所に来ちゃうなんて」
可哀想?それとも、ちょっとお馬鹿さんだったの?
それとも、それでも此処に来たいと思ってくれたのかな?
苦笑いしながら、準備を始める。
「大丈夫、大丈夫」
失敗したって怖くないわ。
だって、私にはあなたが居る。
「パパが居なくても良いよね」
まぁ、我が子を殺せって言う父親は要らないか。モンスターみたいな目でこの子を見ていた。
私はこの子をモンスターから守るの。




