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私は魔女になる
夫は暴力男だった。そんな夫が戦争に行ってくれたのは幸せだ。ゆったりと過ごせる毎日に戦争に駆り出されなかった優しい男との甘い愛。あぁ、幸せ。
でも、それは戦争が終わると同時に終わってしまう。夫が帰ってくる。
「ねぇ、何か良いのないかしら?」
私はこの村唯一の産婆に訊ねた。彼女はにっこりと笑って、液体の入った小瓶を渡してきた。
「とっても、良いものよ。疲れて戻る勇敢な旦那様のスープに一匙入れてあげたら良いわ」
「まぁ、ありがとう」
知っている。これの中身は私達の暮らしの厄介者を駆除するのに使っているものだ。
帰った夫は相変わらずな男だった。足を悪くして人の手を借りないといけなくなった癖に私を殴るのを止めない。あぁ、我慢出来ないわ。
私は知ってしまったのよ。本当に幸せな愛を。
夫は土の下。




