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epilogue: 雪のあとに残るもの
雪の気配が空を満たすころ、
二人は言葉もなく、並んでベンチに座っていた。
静かな時間が流れてゆく。
アルはすっと立ち上がる。
「……また、いつか」
彼は、独り言のように空を見上げたまま呟いた。
しかし、アルは何も言わなかった。
振り向きもせず、去ってゆく。
静寂が戻ったその場所に、
彼の小さなため息は、静かに夜の空気に溶けてゆく。
「……これが、最後なんですね」
それは独り言のまま、空気に静かに溶けてゆく。
確認でもなく、ただ“理解”として。
彼はゆっくりと立ち上がり、アルが去った先を見つめる。
何も言わずに去っていった、あの背中を――
名残雪か、小雪が舞い散る中、彼は空を見上げていた。
言葉もなく、ただ、そこに。
金色の瞳は、微かに揺らいでいた。
静かな冬の終わりを告げるように。




