第26話
連絡を受けた後、急いで自転車のペダルを回し学校へ到着した。放課後終了のギリギリの時間だ。息を切らし科学研究部の扉を開けると懐かしい顔が見える。
「やぁ、白鋼君」
ミステリー研究部で昆虫人間の音無零治だ。北区の超獣事件から共闘して以来、彼は単独行動を取っていた。
「なんで、音無が?」
「たまたま、そこで桐谷君に会ってね」
「嘘つけ。用があって来たんだろ」
「アハッ。ばれたか」
右手で頭を掻き笑う。
「で、いきなり現れて何のようだ?」
音無の笑っていた顔は次第に緊張感のある表情に変わる。
「あの女の子。大門寺雪さんはエデンナイツと接触した可能性がある」
「なんだって!?」
「詳しく教えろ」
間髪挟まず蒼助は音無を鋭く睨む。
「彼女行きつけのカフェ、ダイヤモンド。そこのオーナー、澤城冬はエデンナイツだ」
カフェ、ダイヤモンド。大門寺さんがお気に入りの店だ。昔に一回だけ行ったことがあるがあまり覚えてない。
「そういえば、俺が入院したときそこのクッキーを貰ったな」
あの独特な食感を思い出したらまた食べたくなってきた。
「彼女達は最近まで接触があった、ということか。何かに変化は?」
そう言われても大門寺さんには違和感はなかったはずだ。
「特に無かったと思う」
「そうか、一応注意してくれ」
「でもあそこの店って障害を持つ人達が社会復帰に向けて仕事ができる店だよな。そんな店のオーナーがエデンナイツなんてあり得るのか?」
「彼らエデンナイツは何か個人的な目的を持ち活動しているからね。善な者のいれば悪い奴もいる」
「そうなのか......」
「だから、君達は彼らの理想と戦うことになる。覚悟はあるかい?」
白鷺会長、柳葉も理想を背負って戦っていた。だけど......
「俺達は最初から真実に辿り着くためにこの道を選んだ。だろ、蒼助」
蒼助の肩に手を置き眼を合わせた。
「当たり前だ」
「ふっ。どうやら二人の眼に嘘はないみたいだね」
音無の緊張した顔は心なしか緩んだ様に見える。俺達の応えに安心したのかもしれない。そんな音無に蒼助は口角を上げ答えた。
「じゃあ、早速行くか。そのカフェとやらに」




