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15話 僕はいつの間にか寄生虫にされていた②

ポイント、評価、ブックマーク誠にありがとうございます。連載の励みになっています。


エリザベートは、テオドール、カルヴィン、他の冒険者、ギルド職員と会う以外に、マメにアレクにも接触していた。


アレクの容姿態度はエリザベートのどストライクだったからだ。


だが何度も会うたびにスキル【ハイ魅了】を発動しても、エリザベートが体を密着して誘っても、心を許さないアレクに苛立ちを覚えていた。


エリザベートからアレクに恋の告白をしても関係は進呈しない。

アレクも嫌がっていないが、エリザベートに心を許さないのが彼女のプライドを傷つけていた。


カルヴィンを骨抜きにするのに思った以上に時間がかかった。

と言うより、アレクを寄生虫と認識させ、漆黒の翼から追い出す決意をさせるのに時間が掛かった。


カルヴィンは自分達がA級にこんなに早くなれたのはアレクのお陰と思っている。

口に出したことはないが。


カルヴィンは首と肩に違和感と痺れを感じ、右手の指1本を欠損していて、左肘は動かすとき痛みを感じていた。そのためDランクに甘んじていた。


それは、オーウェン、ヒルダ、セシリアも同じだった。アレクのおかげで自分達はA級になれたと。


オーウェンは前衛の盾士のため、右手の指2本は欠損していて、左手の指2本は神経がやられて動かなかった。左膝も筋がやられて動かすのがつらかった。右肩も損傷していて以前の様には動かせなくD級で停滞していた。


ヒルダも、利き腕の指2本がしびれて動かなかった。腰と肘、右肩に痛みも抱えていた。だからD級から抜けれなかった。


セシリアは、生まれつき体が弱く常に腹部の痛みと頭痛に悩まされていた。痛みで魔法に集中できなくDランクから上がる事が出来なかった。


それが、アレクが加入して直ぐの討伐で【ヒール】を使ってもらった途端、今までのハンデが消えた。


その後も、手がちぎれたり、足をかみ砕かれたり、背中を鋭い爪で切り裂かれたり、腹部をかみつかれて内臓を引きちぎられたり、何十回もそんな事があった。

何度死を覚悟した事だろう。

そのたびにパーティーの皆がアレクに救われた。身も心も。


アレクは素直で皆の話をよく聞き、まれにドキリとする判断力を見せ、しかも自分たちが本当にDランクなのかと思う位、アレクの魔法は皆に勇気と自信をくれていたのを、漆黒の翼のメンバーは口には出したことはないが、皆心からアレクに感謝をしていた。


初期魔法がどうした、アレクは最高の仲間だと。


・・・


だが人の心は弱いものだった。


カルヴィンは1ヶ月間 エリザベートの舌技、絶技、献身的な奉仕で体はすでに虜になっていた。


心もぐらつき始めていた。


そして連夜の夢のような快楽の後のエリザベートとのピロートーク。

カルヴィンはだんだんとアレクに騙されてるのか?と疑心案疑になり始めていた。


確かに体を張っているのは前衛の3人だ。

前衛をフォローしてるのがセシリアの攻撃魔法だ。

俺たち前衛は後衛なんて見てない。


アレクはそのとき何をしていた?

前衛より安全な後衛で、何をしていた? 何かしていた? 何もしてないんじゃないか。

俺たちが危険な目にあってるのに、アイツは後ろで俺たちの苦しむ姿をただ見ていたのか?


そして当たり前のように、アイツは皆と同じ報酬を得ていたのか?


そう心に疑問が出てきて疑心暗鬼にあった時、噂がカルヴィンの耳に入ってきた。

独り立ちした噂が。尾ひれがついた噂が。根も葉もないない噂が。


アレクは漆黒の翼を利用してる。

アレクはリーダーが馬鹿で助かってると言ってると。

奴らは俺のために危険な目にあってくれてるとアレクが話してたと。

アレクの根も葉もないうわさがカルヴィンの耳に沢山入ってくる。


ここ迄来ると、エリザベートのピロートークより、効き目がある。


エリザベートがグルバリア王国の首都ロザリアに来て1ヶ月半たった頃には、

オーウェン、ヒルダ、セシリアたちの耳に根も葉もないうわさが大量に入って来ていた。


毎日毎日、根も葉もない噂は尾ひれを付けづづけて、漆黒の翼のメンバーの耳に入ってくる。


他の冒険者、ギルド職員、果ては街の人まで、アレクの悪い噂話をしている。

元々冒険者、ギルド職員、街の人等も、年端も行かないアレクが大金を稼いでいたので、妬み、僻み、羨ましさを心の中に持っていた。

それが今回の騒動で心の中にあった感情が爆発した。


オーウェン、ヒルダも、最初の頃は、アレクがそんなこと言うわけない。

お前たちにアレクの何が分かる!と噂話をしていた者を怒鳴ったことも有ったが、

未だに収まらないアレクの根も葉もない噂話を少しづつ、少しづつ・・・心が受け止め始めていた。


此処迄噂になって、静まるどころか加熱するのは真実だからじゃないか?

オーウェン、ヒルダの心が揺れる。


自分達以上にアレクに好意、恩を感じていたカルヴィンが、アレクに対して許さない敵意をを出してるのを見て、オーウェン、ヒルダもいつの間にかアレクに敵意が芽生え始めた。


こうなると人の感情は負に傾く。



セシリアだけは違っていた。確かに噂話は嫌と言うほど耳に入ってくる。


戦闘時はアレクとセシリアは後方で隣同士で戦ってるからアレクが何をしてるか常に目に入る。

戦闘している時アレクは常にメンバー全員に目を配り的確に魔法を繰り出していた。

後でのほほんとしたり、前衛を馬鹿にしていたり、ましてや安全な後衛で何もしてないなんて、真っ赤な嘘だと言う事を現に自分が見てるから、噂に心は動かされなかった。


しかしそれを皆に説明したり、否定する勇気がセシリアには無かった。


連載のモチベーションのためにも、ポイント、評価等よろしければお願いします。

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