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「新皇!?」
蛍は平将門のスケールの大きな野心を聞いて驚愕する。
「その通り。腐った天皇や役人の手から日本を切り離し、私が公平平等に農民たちが笑って暮らせる国を、武士である私が支配するのだ。」
平将門は良い国を作りたいと願っているだけだった。
「でも、やり方が無茶苦茶過ぎる!?」
蛍たちは、あまりにも突然の平将門の思想に戸惑う。
「そうか? そこにいる鎌倉幕府の創始者と尼に聞こう。この世は平和か? 日本に生きていて幸せか?」
「・・・。」
「・・・。」
平将門は源頼朝と北条政子に尋ねる。しかし2人は平将門の問いかけに答えることはできなかった。
「どうして何も答えないんですか!? 頼朝さん!? 政子さん!?」
蛍には分からなかった。なぜなら政治の中心にいないからであった。
「答えられないのではない。答えたくないのだ。」
「え?」
「私と彼らは政治の頂点に立ったことがある。悩みを共有している。何の権力も無いのに天皇というだけで上からものを言ってくる天皇。幕府を作る時は一致団結した仲間が権力争いを始める。気が付けば息子も暗殺されている親の悲しみ。敗れると決まった時の仲間の逃げ足の速さ。これが日本の政治であり、権力を欲する人間の愚かさなのだよ。」
平将門は政治未経験の蛍に詳しく人間のサガを説明する。
「・・・。」
「・・・。」
鎌倉幕府を運営していた源頼朝と北条政子は、平将門の言葉の意味を実感しているので何も言えなかった。
「そ、そんな・・・。」
今の日本や天皇に少し絶望する蛍。
「分かったか、蛍。これが今の日本だ。どうだ? 今の日本の腐敗に気づき、人々が幸せに作れる世界を作りたいと思うなら、私と来い。一緒に日本を作り直そう。」
「師匠・・・。」
蛍は平将門の言葉に心が揺れる。蛍も今の戦乱の日本が悲しみに包まれているのを知っているからだ。
「・・・分かりました。今の日本を壊して、新しい日本に変えていきましょう。」
「おお! さすが我が弟子の蛍だ。私の言うことが理解できたみたいだな。」
蛍は平将門と共に日本を再建すると言う。
「ただし、一つだけ条件があります。」
「なんだ?」
「楓を返してください!」
蛍の条件は、楓を自由にすることだった。
「それはできん。楓は私が生き返る時に生贄として死ぬのだから。」
平将門は楓を蛍に返す気はなかった。
「それなら俺も師匠に従うことはできません。」
蛍は平将門に断りを入れる。
「ほう。娘一人のために私に歯向かうというのか?」
「俺には日本国より、楓一人の方が大切だ!」
蛍は平将門を倒すことを決めた。
つづく。




