ドキドキ!!お守り役さまの懺悔タイム!!
「ね、ねぇ、君。わ、私の城に住み込みで働かない?」
なんと愚かな人の子。なんと哀れな人の子。だが、首を縦に振ってしまうとは・・・。私も絆されてしまったのかもしれません。久しぶりに触れた他人の肌が、あまりにも暖かかったから。
「うわぁあああああん!!!もうこんなの嫌だぁあああああ!!!!!」
私を自らの城へと招いた人間は駄目人間という言葉が相応しい人物だった。が、まぁ、楽しい生活でした。
「・・・・うっ・・・ひっく・・・ひっく・・・。ん・・・?」
私を城へと招いた人物は魘されていました。その姿に、これまで少しも知らなかった感情が湧き上がってきたのです。・・・・ああ、これが人のいう慈しみというものでしょうか。
意味だけ知っていた言葉がすっと胸に馴染んでいった。
「わあっ!!綺麗!!」
そうでしょうか?この花は、綺麗でしょうか?本当に?その花の本質を知ってなお、綺麗と言ってくれますか?
「って、私を焼いて食べる気なの!?美味しくないよ!!!」
油でギトギトしてそうですし、あまり食べたいとは思いませんよ。必要に迫られても、あまり食べたくはないですねぇ・・・・。
「今日は・・・・・なんか・・・・・ごめんね。」
ふふふ・・・いいのですよ。貴方の意外な一面が知れて大変面白かったですよ。・・・なのに、この胸を静かに蝕むものは一体なんだろうか?ふと、鏡を見ると仮面をつけた方の瞳が緑色に輝いていた。・・・嫉妬か。ああ、そうでした。蛇は、嫉妬深いのでした。私は嫉妬したのでしょう。貴方が激しい感情を向ける相手に。貴方が悲しみを向けられる相手に。だから私は可笑しなことをしてしまったのでしょうか。・・・まぁ、いいでしょう。あの方たちを利用させていただく日もいつか来るかもしれません。
「もういやだねるカレーたべさせて。」
駄目ですよ。シンイさん。・・・ああ、なんだろうか。私は可笑しくなってしまったのだろか。なにも殺さない、なにかを惨く傷つけもしない、誰とも命を賭けた戯れをしない。そんな日々を楽しく感じてしまうなんて。
「もう、大丈夫だよシンイ。シンイのことはユリが守るから。」
・・・・・ああ、ここにもいたのですね。シンイさんを愛する方が。ふふふ。
馬車の窓にはこちらを見つめる緑の目をした怪物が映っていた。私もまた、その怪物を見つめていた。
「そう、この私、シラユリ・ユリがシンイの婚約者さま(仮)だよ!!」
・・・・私は、なにをしているのでしょうか。蛇の姿となって部屋に忍び込むなど。そして、後悔するなど・・・・。ああ、聞かなければよかった。
・・・・・ああ、忍びこんでよかった。覚悟は決まりました。そして、いい策が浮かびました。
「だ、大丈夫!!!?」
いいえ、大丈夫なんかではありませんとも。私は長らくこの姿にはならず、この姿とは正反対の姿で生きてきました。神と悪魔、両方の面を持つ私といえど、穢れの溜まりすぎたこの体を完全な神とするのはあまりにも酷だ。・・・・・ああ、シンイさんは勘違いしているようですが、私は神に仕えてはいましたが別に元天使というわけではありません。私は、神でありながら、神に仕えていたのです。まぁ、そんな馬鹿らしいことはやめましたが。だから、今私は悪魔でありながら神、ということであって、神性を完全に捨てきったわけではありません。もうほとんど捨てきったも同じですが、多少は神性があるからこそ、神の姿に戻れるのです。
ともかく、私には今余裕がありません。この身を蝕む激痛もそうですが、この姿になると傲慢になる。今、貴方の手に触れれば私は貴方を間違いなくこちら側に引きずり込んでしまう。貴方を現世から今引き離すのは口惜しい。確かに覚悟は決めた。だが私はもう少し、もう少し、貴方のありのままの幸せそうな姿を見ていたい。
『最後に一つ・・・。緑色に輝く鏡には気をつけなさい・・・。絶望はすぐそばに・・・。いつでも貴方に寄り添っております・・・。』
ふふふ・・・貴方方兄弟は殺意を込めて否定なされるでしょうが、貴方方はよく似ていますよ。ええ。人がもっとも嫌がることを平然と口にするところがね。
「あ、待って。そもそも私を不幸な道に導く人は私を愛している人でしょ。マリリンが私に抱いているのは・・・・愛じゃないから・・・・・・。」
・・・・・ククク。愚かなシンイさん。あの騎士が貴方を愛していないと?そんなはずがないでしょう。あれは、愛に狂った人の子そのもの。裏切るなんて頭のどこにもないでしょう。ところでシンイさん。ご存知ですか?一説によると、鏡の語源はカカメという言葉だそうです。そして、カカメのカカというのは蛇、メは単純に目を指しているのだとか。つまり、蛇の目、ということなのです。ご存知ないでしょう?
緑色に輝く蛇の目・・・・・一体なんのことやら?
「・・・ここが二人っきりで、嫌なことは忘れて過ごせる、新しい世界です。シンイさんが望んでいた世界です・・・・・・!!ククク・・・ふはははは・・・!!私は嬉しいですよ・・・!!シンイさんが私と同じ世界を望んでくれて・・・!!どうぞこれからも・・・・・・存分に私の胸で嘆いてください・・・・!!永遠に・・・!!」
私は、確かに貴方を貴方にとって幸せな道へと導きましたよ・・・・!!シンイさん・・・!!貴方が望む世界を用意して差し上げたのですからね・・・!!ああ、幸せ!!これが幸せなのです!!睡蓮、いえ、白鳥の君!!私は確かに幸せですよ・・・!!ただ一つの気がかりがありますが、出てきた暁には短剣を叩き折ればよいだけのこと。逆に体の中に居られる方が吐き気がする。本当はシンイさんの胸を引き裂いて引き摺り出したいところですが、シンイさんが傷つくのは心だけでいい。体に傷をつける趣味はないのです。あの堕天使とは違ってね。ククク、あの堕天使の愛は歪み切っていますよねぇ。愛するものの全てを知りたいがために、全てが欲しいがために骨の髄にまで傷をつけるなんて。まぁ、あの堕天使のことなどはどうでもいい。
「さぁ、」
シンイさん。二人の、二人きりの宴はまだ始まったばかりです・・・!!この終わりなき宴を楽しみましょう・・・・!!!永久に!!ふふふ・・・・はははははは・・・・。
スノウさまのまるで信号機な左目の色
赤→神さまor興奮
黄→通常
緑→嫉妬
それ以外にはなったことはない。
あと、シンイがシラユリからの手紙に違和感を感じたのは封蝋が砕けていたから。まぁ、スノウがシンイよりさきに開けて、リコリスとフランと姉さんに見られてるので、封蝋が砕けているのは当然ですが・・・・。
そして、『ペン』で焦ったように書かれたシラユリの手紙の最後の文が『墨』で塗りつぶされていたのは、スノウにとって都合の悪い文だったので、スノウが墨で塗りつぶした。
どちらももっと完璧に隠蔽できたはずなのに、そこまでしなかったのは、本当はシンイに自らの裏切りに気づいて欲しかったからなのか、どちらもうっかりなのか、ただ単に面倒だったのか、シンイがそんなことに気づくはずがないと手を抜いたのかはスノウのみぞ知る。




