10話 奴隷契約
やっと10話まで行ったが話があまり進んでいない。
10話 奴隷契約
大輝はどうにか山賊達を倒す事が出来た。
山賊親分はレベルが29だった、おそらく下っ端も大輝より上のレベルだっただろう。不意討ちでなければ、タマがいなければ、そして強化の魔法がなければ、どれか1つ足りなければ勝てる相手ではなかった。
他に仲間がいるといけないので周囲を警戒するが大丈夫そうだ。殴り倒した奴隷商も確認したがまだ気を失っているが念の為、山賊が持っていたロープで縛りつけておく事にする。
大輝は安全を確保して、捕まっていたミミ達の方へ振り向き歩きだした。
そして少し近づいた時、異変が起こった。
「何が起こった?急に足元に魔法陣が現れた!」
突然、大輝の足元を中心に魔法陣が浮き上がったのだ。しかし異常はそこだけではなかった。ミミの横にいる赤髪の女の子の胸元にも小さな魔法陣が浮かび上がり光っているのだ。
何が起こるか分からない状況なので大輝は周囲を警戒して身構えていたが、しばらくすると魔法陣も光も消えていき、その後完全に消え元の状態になったのだ。
「何だったんだ今のは?」
今の現象が何かは分からないが一先ず縛られているミミ達を開放する。
「ミミ大丈夫だった」
「怖かった、怖かったよぉ~!」
ミミは助かったと分かり緊張の糸が切れたようで泣きながら大輝に抱きついてきた。
「大丈夫、もう大丈夫だから」
「うあぁぁぁぁぁぁん」
相当怖かったのであろうミミはしばらく泣き止む事がなかった。
「ううう」
しばらくしてミミが落ち着いてきたらしく泣き止み始めた。
「ミミもう大丈夫?」
「…うん。もう大丈夫。お兄ちゃん助けてくれてありがとう」
「ミミが無事で良かったよ」
「キュー!」
「タマもありがとう」
ミミはタマにもお礼を言いそのまま抱きかかえた。タマを抱く事で元気が出てきたのか顔色が少しづつ良くなっていった。
しかしその間も赤毛の子は特に反応する事なくその場から動きもしない。
「ミミこの子が誰か分かるかい?」
「分からない、私が捕まった時にはもういたの。でもずっとこんな感じで大丈夫か心配で」
山賊達は拾ったと言っていた。そうなると行き倒れかモンスターに襲われたか何かしらの事情が合ったのであろう。
「とにかく此処で考えても分からないし村に連れて帰ろう。皆もミミの事を心配しているだろうし」
「そうだね。おじいちゃんを早く安心させたいしね」
そうて大輝は山賊達の武器をカードにしまい、赤髪の子を背中に背負って村に向かうのであった。
村では夜明けと供に山賊達を追いかけると決まったらしく、大輝達が入り口に着いた時にはほぼ村人全員が集まっていた。
先頭にいるワンスが帰ってきた大輝達を見つけると勢い良く走ってきてミミに抱きついた。
「ミミ無事か?怪我はないか?」
「痛いよおじいちゃん、大丈夫、怪我も何もないよ。お兄ちゃんが助けてくれたから」
「すまん。しかし良かった、良かった!」
ワンスは力を入れすぎていた事に気付き急いで力を抜いた。そして少し落ち着いたのか立ち上がり大輝の方を向き頭を下げた。
「ありがとう、お主のおかげでミミは無事に帰ってこれた。本当にありがとう」
村人達も皆喜び大輝にお礼と声を掛けて来る。
「たいしたものだ、こんな短時間で取り返してくるなんて」
「ミミちゃんが無事で良かったよ。若いの、ありがとのう」
「山賊が眠ってでもいる内に助けて来たのかい?」
お礼から始まりどうやって救出したのか気になり始め質問も入ってくる。あまり特異な目で見られるのは嫌な大輝はどう誤魔化して説明しようか悩んでいると
「違うよ。お兄ちゃんが全員やっつけて助けてくれたんだよ」
ミミが答えてくれて誤魔化すのが不可能になってしまった。
「どうやって?見るからに奴らのレベルは高かったぞ?」
見えないスキルなど説明しても信じてもらえないだろうから後ろから不意打ちをして、運良く倒すことが出来たと言うしかなかった。タマの協力もあったがスキル持ちのモンスターは危険だ!と言われるのは嫌な為話にも出せず、かなり無理がある説明だがこれで押し通すしかなかった。
「まあ、まあ、ミミも無事に帰って来て、山賊も退治してくれたならもう来る心配はなくなった事だし大輝も夜通しの活動で疲れたであろう。家に帰って休むがよい」
ワンスさんの助けで話に一区切り付けれて解散する事になった。
ワンスさんの家に入り赤髪の子をベットに寝かしてあげる。
ミミは疲れていたのでワンスさんに連れられ自分の部屋ですぐに寝てしまった。
「ワンスさんこの子はどういう状態なのでしょう?」
戻ってきたワンスさんに問いかけると。
「おそらく空腹からか毒草を大量に食べてしまったのじゃろう。お主が向かった北の森に生えている毒草は精神麻痺の状態を引き起こす物で、少量なら一度意識を失う程度で済むがこの子は大量に摂取してしまい、ここまで重度の症状が出ているのじゃろう」
「…この子は治るのでしょうか?」
「おそらくここまで重度じゃと自然回復はないじゃろう。それにあそこまで痩せているのは食事も食べる事が出来ないからであろう。…残念じゃがもって2日じゃろう」
「この子の症状は状態異常なんですよね?」
「そうじゃ」
ワンスは大輝が何を考えているか分かっていた。出会って間もないミミの為に命を掛けてくれるほどのお人好し、救う方法がある状態で見捨てる事はしないと確信していたのだ。
「スライムの雫を使えば治せるのでしょうか?」
「おそらく大丈夫じゃ」
大輝は寝ている赤髪の子にスライムの雫を飲ませようと瓶を近づけるが反応がない為、飲み込もうとしない。
「飲んでくれないか、どうすれば…」
「何を悩んでおるのじゃ?口移しで飲ませれば良いではないか」
「く、口移し!!!でも女の子にそんな」
慌てまくる大輝に不思議そうな顔をしているワンス。大輝は15年の人生で初となる事に動揺しまくりだが、これは人命救助、人命救助と言い聞かせる事で少し落ち着きを取り戻した。
「行きます」
大輝は覚悟を決めスライムの雫を口に含み赤毛の子に飲ませる。口に含ませ、こぼれない様に唇をあてがい喉を通る音を聞きながら顔を見ていると次第に目の焦点があっていき大輝と目が合った。
「き、きゃぁぁぁぁぁ!!!」
赤髪の子は悲鳴を上げ驚いた大輝を勢いよく突き飛ばし大輝はお尻から転んでしまった。
「いった、あ、ごめん。でも仕方なくでどうしようもなくて」
言い訳を始める大輝の目の前で赤毛の子の胸に小さな魔方陣が浮かび上がっており、どうやら苦しんでいるようだ。
「が!な、何が…起きて…いるの?」
心臓の位置を押さえて苦しんでいる赤髪の子様子に何も出来ずただ見るしか出来ない大輝にワンスさんが
「これは奴隷契約の烙印!大輝お主何をやったのじゃ」
ワンスの質問に何かした記憶はないが何か起こった事は覚えている為説明する。
「実は山賊達を倒して奴隷商をロープで縛りつけた後に突然足元に魔方陣が浮かび出て、この子の胸にも似たようなのが出てきたんです。しばらくすると消えたから忘れていましたけど、もしかしたらその時に…」
「お主その時、…血を流しておらんかったか?」
「はい、腕をやられて血が出ていました」
「奴隷商は人攫いから受け取ると直に奴隷契約を行い逆らえぬようにするのじゃ。奴隷契約は相手の血を魔方陣の書いた紙に吸わせ、その後主となる者の血を吸わせる事で契約が完了するのじゃ。そしてお主が血を流していたのであれば、まずその時にお主が奴隷契約をしてしまったのじゃろう」
「童がこの変態の奴隷じゃと」
赤髪の子は痛みが落ち着いたのか話が出来るまでは回復したようだ。




