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運命の出会い

『緊急連絡っ。東と西から新たな敵影発生! 迎撃よろ! 誰か来てぇ!』


 戦場で生唾を飲んでいた僕は、その声に我に返った。

 目の前には僕と同じ部隊に所属していた精鋭部隊の人たちが魔物を相手に闘っている。

 その壮絶な生存戦争を目の当たりにして、僕は自分の覚悟が足りなかった事を知った。


 アルテイン・プロテイン。それが僕の名前だ。

 イシナキ村に生まれ、農作業を手伝う傍ら父に剣術を教わり、少し前に父に一撃当てる事に成功した。

 そしたら父が「こりゃあ未来の勇者になりそうな強さだ」と言ってくれたのだ。

 だから、僕は勇者になるんだとずっと言い聞かせてきた。


 魔王を倒せるんだと幼馴染のイチゴショートケーキを無理矢理誘って親に内緒で旅に出た。

 僕は魔王を倒せるくらい強いんだと証明したかった。

 冒険の合間にギルドに登録して、カスティラとトルーアという仲間もできた。


 本当に、自分が物語の主人公に思えていたんだ。

 どんなに辛い戦いでも最後は必ず勝って皆で笑いあえるんだって。

 でも、魔王城へ乗り込んだ僕たちは、そこにいた元魔王に手も足も出ずに敗北した。


 僕の攻撃はまったく通じず、与えられるダメージは全て0。

 あの時程自分の力の無さを悔やんだ事はない。

 なんのことはない。僕はただ父の親バカ発言を鵜呑みにして自分を英雄視していた……ただの子供だったんだ。


 今までは上手くいっていただけ。

 あの元魔王ナルテアに付いてここまで来て、自分の実力を自覚させられた。

 悔しいが彼女のおかげでかなりレベルアップ出来たのは確かだ。でも、全然弱い。


 魔獣に乗った魔物たちを相手に闘おうとしても、その数の多さに身体が震えて動かないのだ。

 気が付けばカスティラとトルーアが真横に来て僕のフォローをしてくれていた。

 それでも、震える体は殆ど動かない。

 歯がガチガチと噛み合わず。怒号飛び交う目の前の惨状に加わりたくないと全身が戦いへの拒絶をしめしていた。


 なぜ、皆死ぬかも知れない絶望的な戦いに自分から向えるのだろう。

 光に飲まれて一撃死だってありうるのに、それでも皆突撃していってしまう。

 僕も向わなきゃ。とは思うものの、鉛のように重い身体は言う事を聞いてくれなかった。


 そんな時だ。天から女神様の声が聞こえたのは。

 まるで天啓のように、その声で僕の身体が動き出した。

 運命的な程に、弾かれるように僕は走りだす。


 行かなきゃ。せめて、せめて僕も役に立たなきゃ!

 半ば脅迫観念にも似た思いに突き動かされ、僕は北門から王国内に入り、東門へと向かった。

 僕の突然の行動に驚いたカスティラとトルーアが僕の名を呼ぶけど、僕は止まらない。


 やるんだ。勇者になるんだ。

 僕はそのために旅に出たんだ。

 だったら、ここでブルってる場合じゃない。


 東門と西門から侵入されればこの国は終わるんだ。

 僕一人行った所で大した意味はないかもしれないけど、それでもせめて数分は稼いでみせる。

 最悪でも、町を守った英雄の一人として。


 ……ああ、嫌だ。英雄の一人として死ぬなんて、そんなの嫌だ。

 でも、でも勇者は命の危険な場所に飛び込んで、見事生還しなきゃいけないんだ。

 僕は勇者になりたかった。

 物語の勇者のように、多くの試練を乗り越え、皆から賞賛されて、英雄だって、勇者様だって、言われたい。


 死ぬのは怖い。身分不相応だとも思う。でも……

 僕は、どうしても勇者になりたいんだっ!

 僕の物語を読んで憧れてくれる誰かに、見て貰いたいんだ。僕は、頑張ったんだってところを!


 東門をくぐり抜け、僕は剣を引き抜き魔王軍に斬り込……もうとして、門を出た所で足が止まった。

 目の前に広がるのは、無数の魔物。

 おぞましい程に蠢く生物の群れに、僕は冷や水を浴びせられたように急激に全身が冷えた。

 おおよそ二万数千の魔物の軍勢が、東門向けて進軍して来ていた。

 その足音が、僕の足を止める。


「う……ぁ……」


 また、全身が震えだした。

 手にした剣が焦点が定まらない程に揺れ動く。

 無理……僕には無理だ。こんな魔物の群れの中に飛び込んで、あの鎌を持った女の子みたいに闘うなんて……


 死ぬ? 嫌だ。そんなの嫌だ。怖い。でも勇者になりたい。だけど怖い。

 勇者になりたいけど……無残に殺されるのは、嫌だ。

 ダメだ。僕は……僕は、闘えない。闘いたくない。


「アルッ!」


 カスティラの声に僕はハッと我に返った。

 気が付けば、僕は何かの影に居た。

 巨大な影に、なんだろうかと振り向くと……

 双首の巨大な犬、オルトロス。


 ナルテアの城にいた魔獣がなぜここに……?

 疑問と同時に絶望が襲う。

 いつの間に後ろを取られたのだろうか?

 僕は、こいつに殺されるのだろうか?

 無残に食いちぎられて終わるのだろうか?


「大丈夫。その子は味方よお坊ちゃん」


 不意に、綺麗な声が聞こえた。

 誰かと思って隣を見ると、とても大きな女性型ゴブリン。

 この人は……エスメラルダ・エルミット・エーデルワイスさん?


 認識した瞬間、僕はあの夜の出来事を思い出してしまった。

 覗いてしまった初めての女性の裸……

 恥ずかしすぎて顔をまともに見れない。

 な、なんだかドキドキしてきちゃったぞ? ど、どうしよう。

人物紹介(仮)


 アルテイン・プロテイン

   イシナキ村の自称英雄

 カスティラ・エーデルハント

   イシナキ村の冒険者

 トルーア・トルクスタ・トゥルフーカス

   カトナの森のダークエルフ

 エスメラルダ・エルミット・エーデルワイス

   ゴブリンメイド


 部隊構成(仮)


  魔王軍

   第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅

   第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 壊滅

   第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万 残り約6千

   第六部隊 巨人部隊 約84体

   第八部隊 南方奇襲部隊 約6千

   第九部隊 西方奇襲部隊 約2万5千 竜巻により壊滅

   第十部隊 東方奇襲部隊 約2万5千

   第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約98体

   第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約2千6百体

   第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名


  フルテガント王国軍


   第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約5千名

   第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約9百名

   魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約7百名

   負傷者               約2千名

   死者                約3千名

   完全死               549名

   医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約5百名

   南方防衛部隊(魔法・医療部隊混合) 約5百名

   遊撃部隊テイムモンスター25名

   竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名

   伏兵部隊・西            970名

   伏兵部隊・東           1001名

   行方不明                1名


 魔王軍戦経過報告(仮)


 ・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。


 ・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に嵌める。


 ・魔法部隊による追い打ち。


 ・機動部隊壊滅。


 ・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。


 ・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。


 ・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。


 ・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。


 ・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。


 ・大井手が持ち場に戻り魔法再開。


 ・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。


 ・巨人部隊最前線に出現。


 ・巨人部隊一つ目兄貴たちによる一斉射。


 ・増渕により一斉射の防衛成功。体力が尽き増渕死亡(仮死)。


 ・巨人族対巨大宇宙人&竜族


 ・南方防衛戦


 ・西東より新たな奇襲部隊出現


 ・伏兵出現


 ・西方防衛戦


 ・東方防衛戦


   ↑いまココ


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