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南方防衛戦5

 人化の妖術を解く。

 煙が掲げたドクロより溢れ、全身を、そして周囲を覆い隠していく。

 妾の身体が変化するのが自分でもわかる。


 変化というのはなかなか簡単なようでいて難しい。

 常に気を張っていないと一部が元に戻っていたりするからだ。

 特に尻尾と耳。これは感情が高ぶるとついつい出て来てしまうのが玉に傷じゃな。


 その変化を解くと狐状態になるのじゃが、これがまた体格がのぅ。

 人間形態がぼんきゅっぼん、あるいはむちむちぷりんならばよかったのじゃが妾の姿では本来の姿とギャップがありすぎるというか小さくなりすぎていて身体の動かし方が全く違うのじゃ。


 一度変身した後に変化を解くと、しばらく身体に違和感を覚える。

 二足歩行が四足に戻るだけでなく、ちびっちゃい人型から巨人と見紛うばかりの巨体になるのだから。

 そう、変化を解いた妾の姿は十メートルはあろうかという巨大な妖狐。


 黄金色に輝く巨大な体躯。狐特有の猛禽類を思わせる顔に、五つに分かれ、風もないのにたゆたう尻尾。

 そんな巨躯を、妾は地上から少し浮かせていた。


 この大きさなので地面を歩くとめり込むのだ。

 とてもじゃないが回避や攻撃が難しくなる。

 そんな危険をなくすため、妖力を使い地面から身体を浮かせることにしたのである。


 少しだけしか浮いていないのだが、あまりに突然出現した妾の存在に、奇襲部隊が驚きと恐怖の声をだす。

 彼らは一様に妾を見上げ、その余りの巨大さに唖然となっていた。


 一声鳴いて相手に絶望を教えてやりたいところじゃが、妾がこの姿で鳴き声をあげると、コーンになってしまってしまらない。

 なので声を出す事はやめにして、代わりに狐火を無数に召喚。


 雷撃を全身に纏わり付かせて防壁となす。

 さらに土人形で地上の魔物どもをけん制する。

 狐火を流星のごとく放出。上空の蛇に向い乱射した。


 近づいてきた魔物には尻尾による攻撃で沈黙させ、一人一人確実に潰していく。

 三方同時に闘う妾に、仲間部隊が即発されたのか俄然勢いを増してきた。


 下方ではにっちゃうぐれいととアグルジャブが奮戦している。

 こやつら地味に頑張っておるな。踏みつぶさんように気を付けねばなるまい。

 それにしても三機同時稼働はキツイのじゃが、妾の妖力はこの程度では終わらんよ。

 まさに湯水のごとき勢いで妖力が急激に減っていくのが手に取るように分かる。


 そうりゃ、テンプテーションじゃ。これでも喰らや。

 さらにテンプテーションを発動し、周囲の歩兵部隊を味方に引き込み同士討ちを促す。

 一応、仲間も効果範囲に入っておるのじゃが、仲間と認識すればテンプテーションは対象外になるのじゃ。

 この世界ならではの能力じゃな。少々扱い辛いが労せず敵を倒せるのじゃからな。

 しかもMPさえ回復させれば無限テンプテーションも目ではない。

 同士討ちを始めた魔物たちを見ながら、妾はほくそ笑む。


 もう少々楽しみたいのじゃが、じゃれ合う間に噛みつかれたら大変だ。

 とくにこの国の王女などが危険に見舞われるとコトだ。

 速攻で潰してしまうとするかの。どうせ北方面はもっと敵がおるじゃろうしな。

 さっさとこちらを終わらせて向こうに助っ人といこうかの


 周囲に漂う雷撃を纏め上げ、妾の眼に見えるほどに巨大な雷球を作り上げる。

 それを空中に放り投げてしばらく。

 圧縮された雷撃が解き放たれ、武器防具に身を包んだ奇襲部隊達へと降り注ぐ。


 にょほ。にょほほほほ。まさに阿鼻叫喚の地獄絵図。これこそ妾の望む無双じゃて。

 おっと。洩らさぬよ?

 妾の足元を抜けようとしていた哀れなゴブリンを見つけたので地に足付けて押し潰してやる。


 ふふ。テンションが上がってきたわ。存分にコロコロしてくれようぞ。

 テンションに任せて大きく鳴いてみせる。

 やはりコーンという声では恐怖感があまりなかった。

 もう鳴くのは止めようと思う。


 前足を踏み出し魔物の群れを踏みつぶしながら、焔を纏った尻尾を振い、羽の生えた蛇を薙ぎ払う。

 狐火で遠くの蛇を燃やし、赤龍や黒竜にタカっていた蛇どもを焼殺する。

 さらに土人形が軍隊のごとく押し寄せ奇襲部隊を蹂躙。

 これはもう、妾一人で無双状態ではないか? にょほ、にょほほ。笑いが止まらぬぞ。


 と、調子に乗ったのが悪かったのだろうか?

 不意に、ゆらりと遠くから巨大な何かが見えた。

 なんじゃ? と思った瞬間、その影から光が放たれる。


「無効之盾!」


 危うく逆鱗の眼光とやらをくらいそうになった妾だったが、すんでのところで増渕が妾の前方へ割り入った。

 光の直撃を完全に無効化してみせる。


「コーンッ!」


 スマン助かった。と言いたかったのだが、声帯が違うので変な声が出てしまった。

 しかし増渕には伝わったらしく、気をつけろとだけ言われてしまった。

 うむむ。まさかこちらにまで巨人が来るとは予想外じゃのぅ。

 何匹おるんじゃ? ひぃふぅみぃの……ちょ、百体くらいおらぬかえ!?

 これ、妾のみではちと辛そうじゃぞ!

人物紹介(仮)


 小出こいで葛之葉くずのは

   妖狐・五尾之狐


 部隊構成(仮)


  魔王軍

   第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅

   第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 壊滅

   第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万 残り約7千

   第六部隊 巨人部隊 約90体

   第八部隊 奇襲部隊 約8千

   第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約百体

   第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約2千8百体

   第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名


  フルテガント王国軍


   第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約6千名

   第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約9百名

   魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約7百名

   負傷者               約2千名

   死者                約千名

   完全死               541名

   医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約5百名

   南方防衛部隊(魔法・医療部隊混合) 約5百名

   遊撃部隊テイムモンスター25名

   竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名


 魔王軍戦経過報告(仮)


 ・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。


 ・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に嵌める。


 ・魔法部隊による追い打ち。


 ・機動部隊壊滅。


 ・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。


 ・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。


 ・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。


 ・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。


 ・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。


 ・大井手が持ち場に戻り魔法再開。


 ・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。


 ・巨人部隊最前線に出現。


 ・巨人部隊一つ目兄貴たちによる一斉射。


 ・増渕により一斉射の防衛成功。体力が尽き増渕死亡(仮死)。


 ・巨人族対巨大宇宙人&竜族


 ・南方防衛戦


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