表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
160/1162

南方防衛戦3

色素剥奪ディプリヴィ・ピグメント!」


 増渕が上空で魔法を唱えた。

 対象はケツァルコアトルの一匹。

 上空へと上がってきたところに魔法が直撃する。


 が、何のダメージも無くそのまま上昇している。

 一瞬失敗か? と思いながら大振りに振られた猪人族の魔族が持つ矛を躱す。

 ああ、もう、普通に成り行き見守ることもできないとか……


「邪魔だっ!」


 反撃とばかりに斬り裂くような蹴りを顎に叩き込む。

 猪人族は上空へと一瞬浮かび、そのまま大地に倒れ込む。

 毒を打ち込んでやろうと思ったが、すぐに別の敵が来たのでそちらに対応。

 猪人族が被りを振って立ち上がる。


「ブォオオオオオオッ」


 やってきたリザードマンに毒を打ち込み蹴り飛ばし、突っ込んで来た猪人族の攻撃をぎりぎりで避ける。

 すると横から入ってくるゴブリンソルジャー。

 シャムシールを頭上に掲げ俺へと振り下ろす。

 さらに逆方向から俺を狙うスケルトンナイト。


 さすがに三対一では分が悪いと思った所に、槍を持ったコボルトが突っ込んでくる。

 ヤバい、これは避けきれな……


光の雨シャイニー・レイーンッ!」


 場違いな声と共に光の雨が周囲に降り注ぐ。

 俺はなんともなかったが、雨に触れた魔族たちが悲鳴を上げながらのたうちまわる。

 九死に一生か。誰かは知らんが助かっ……!!?


 声の聞こえた方を見た俺は、予想外の事態に完全に思考が停止した。

 目の前を人間大の妖精が飛んでいる。

 どぎついピンクのフリフリドレスを身に纏い、両手のリングに魔力を溜めて、つんつるてんな服でティタニアさんが舞っていらっしゃった。


「おーっほっほっほっほっほ。さぁ悶えなさい。魔王に味方するもの全て等しくわたくしの神聖な力で消滅させていただきますわー。おーっほっほっほ」


 なぜだろう。あれには扇子でも持っていて貰いたいと思うのは。

 シャイニー・レインを連発しているティタニアは、踊るように浮遊しながら敵陣を漂って行く。

 あっちにふらふらこっちにふらふら雨を降らせて移動する。


 局地的豪雨に見舞われた魔物たちは悶え苦しむものの、死ぬことは無いらしく、むしろ怒りをあらわに俺たちに突っ込んでくるようになった。

 傍迷惑だ。


 怒り心頭で突撃して来た猪人族になんとか鞭毛を打ち込み、身体を捻って突進を躱す。さらにスケルトンナイトの頭蓋を踵落としで砕き割る。

 着地と同時にゴブリンソルジャーの頭蓋に拳を打ち込み、背面蹴りでコボルトを蹴り飛ばす。


 少し余裕が出たので頭上を見上げる。

 すると、ケツァルコアトルの数匹が、まるで幽霊のようにすぅっと姿を消していくのが見えた。

 なんだアレ……


 よくよく見てみると、どうやら増渕の魔法を掛けられた個体のようだ。

 色素剥奪だったか。語感と現象から察するに、相手の色素を奪っていって透明にしていく魔法のようだ。

 増渕が消えた魔物に注意を払っていない所を見るに、そのまま魔物たちは命を終えると見て良さそうだ。


 となると、形として残らないのでアイテム入手は不可能。そして、おそらく蘇生も不可能だ。

 確実死の魔法とか、間違ってもくらいたくないと身体をぶるりと震わせ、近づいてくる敵に仕方なく対応する。


 本当に、途切れることなく魔物がやってくるな。

 オパールアリゲーターという鰐型の魔物を蹴り潰し、再び空いた時間で空に視線を向ける。

 アグニの辺りに大量の蛇が纏わり付いているのが見える。


 アレは厄介そうだ。

 アグニのヤツ大丈夫だろうか?

 あ、いや、大丈夫そうだな。

 黒竜が近づいて来てドラゴンブレス。

 アグニが自分を巻き込むなと文句垂れていたが、助かったのは事実なのでツンデレ風味にお礼を言っていた。


「ウッキキ――――ッ!」


 不意に、ジェネラルモンキーの焦った声が聞こえた。

 慌ててそちらに視線を送れば、魔法部隊に突撃していく魔族の一団。

 さすがに二万の軍勢を俺達だけで止めるのは無理だったようだ。


 ネリウやイチゴが危険だと慌てる俺だったが、再び魔物が怒涛のごとく押し寄せて来て対応に追われる。

 助けに行きたいが周囲に居る仲間は魔物の対応に忙しく助っ人に入る事すらままならない。

 アグルジャブとにっちゃうぐれいとに任せるしかないのか……


 二体の仲間に数十体の敵を相手してくれと願う俺だったが、女神様はそんな俺たちに天の使いを使わした。

 魔法部隊と奇襲部隊を分け隔てるように、光の柱が一本、舞い降りてくる。

 驚く奇襲部隊は足と止め、警戒しながら光を見つめる。

 光の収まった先には……一人の女学生が仁王立ちしていた。

 頭に金色のケモミミを生やし、尻からは黄金色の尻尾が実に楽しそうにぱたぱた動いている。


「妾、見参なのじゃあっ!」


 そして、新たな助っ人、小出葛之葉が異世界へと召喚されたのだった。

人物紹介(仮)


 武藤薬藻

   改造人間・フィエステリア・ピシシーダ

 ヌェルティス・フォン・フォルクスワーエン ≪田中ナナシ≫

   吸血鬼・真祖

 増渕ますぶち 菜七ななな≪ナルテア・ナルティウス・ナーフェンデ≫

   転生者・元魔王

 小出こいで葛之葉くずのは

   ???


 部隊構成(仮)


  魔王軍

   第一部隊 機動部隊(魔獣のみの構成)約2万 壊滅

   第二部隊 騎馬部隊(魔獣に騎乗した魔族)約2万 壊滅

   第三部隊 歩兵部隊(魔族のみの構成)約4万 残り約7千

   第六部隊 巨人部隊 約90体

   第八部隊 奇襲部隊 約1万7千

   第四部隊 重歩兵部隊(高ランク魔族のみ)約1万 残り約百体

   第五部隊 巨大獣部隊(攻城用・魔獣魔族混合) 約3千体

   第七部隊 精鋭兵・魔王 約百名


  フルテガント王国軍


   第一部隊(王国軍冒険者人猫族混合) 約6千名

   第二部隊(勇者王国近衛兵暗部精鋭兵等)約9百名

   魔法部隊(王国軍冒険者エルフ族混合) 約7百名

   負傷者               約2千名

   死者                約千名

   完全死               541名

   医療部隊(王国軍冒険者妖精族混合) 約5百名

   南方防衛部隊(魔法・医療部隊混合) 約6百名

   遊撃部隊テイムモンスター25名

   竜部隊(赤龍王と黒竜は含まず)13名


 魔王軍戦経過報告(仮)


 ・大井手真希巴、ヌェルティス、増渕菜七による広範囲魔法での先制攻撃。


 ・三人の退却後、魔王軍機動部隊(獣部隊)を罠に嵌める。


 ・魔法部隊による追い打ち。


 ・機動部隊壊滅。


 ・龍華出陣。敵軍中央(重歩兵部隊)にて無双開始。


 ・機動部隊の後詰、騎馬部隊と第一部隊が激突。


 ・騎馬とさらに後詰の歩兵部隊が合流。


 ・綾嶺の自業自得な危機で超幸運効果発動により大井手が助っ人に入る。


 ・重圧魔法が無くなり騎馬部隊が本格的な行動を開始。


 ・大井手が持ち場に戻り魔法再開。


 ・騎馬部隊と歩兵部隊の一部が左右の森へと侵入。遊撃部隊が迎撃。


 ・巨人部隊最前線に出現。


 ・巨人部隊一つ目兄貴たちによる一斉射。


 ・増渕により一斉射の防衛成功。体力が尽き増渕死亡(仮死)。


 ・巨人族対巨大宇宙人&竜族


 ・南方防衛戦


   ↑いまココ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ