- C 1378話 マルのささやかな冒険 3 -
託された地図の宝物レベルは伝説級。
SSRを遥かに超えた、UR。
どっかの公団みたいな響きだけど、そっちじゃない。
ウルトラ・レアの略称記号で。
光ってまともに見えなくなった――恐らくは、いや、十中八九で運営の仕業だろう。
攻略中のゲーム内の穴埋め地図よりも正確で。
しかも見えちゃいけないモザイクの掛かった箇所までモロちんちんされてた。
素っ裸で路上を走り回ってるようなほどのネタバレ具合。
そりゃ見えなくするわな。
売らないって、売らない。
必要なくなったら... いあ、売りません。
そう自問しただけで。
どんどん見えなくなる仕様のようで――すっかり白い紙に置換された。
ちょー、迷惑。
「迷惑なのは、マルの薄汚れた心根の方だ。長身で頑丈そうだが、根は純真でウサギのようなつぶらな瞳の天心を売る気なのか?! まあ、見た目は労働力として申し分ないように見えなくはない。蒼が文学少女のように見えて実はってギャップ萌えは、私のなかでようやく消化されて若干頼りにしてしまっているが、アレら二人を引き離すとは鬼か、悪魔かっ、このドブカスが!!!!」
最後のネットミームは言わせないよ。
小さい形でも腰の回転で力いっぱい殴り倒せば。
同性だって回転しながら叩き伏せられる。
ま、こんちくしょい、だ。
「ふぎゃ」
◇
「売らないよ、誰も売らない!! この見えなくなった地図...もとい昔は地図だった、今はただの白紙のロールは価値が無くなった訳じゃなく。運営がボクらに見せたくないからって塗ったくった証拠な訳だ。――たぶん、ここじゃない何処か(引き攣りながら)、王国領内に戻りさえすればワンチャンス見れるかもしれない!! そんだけだから。天ちゃん誤解しないで、いあ、その怖い睨みしないでください、後生です」
ようやくだが。
天ちゃんの表情からトゲが消えた。
なんでこんな目に遭うんだよ、ボク。
でもまあ。
ボク記憶力はいい方だから。
立ち寄りたい町や村は一通りインプットした――出回ってる穴埋めの簡略図とともに照らし合わせても、一分のズレがないとすると。やっぱりこの『王国戦略図』は本物だってことだ。
「先ずは?」
モモチんの険しい表情?
糸目だかんなあ、表情筋が読み難い。
こう険しく眉間にって縦スジ作ったとしても緊張感、その『糸目』が邪魔をする。
「――っ、なんかごめん。シリアスなとこだけど」
嗤いが。
「マルも大概だとは思いますがね?」
何?
「アバターを作り直す、その機会があれば通常。メイキングに時間を割いて拘りの理想的ボディに造り上げたりしませんか?」
えっと、それは。
モモチんが譲れない“糸目”とか、天ちゃんの普段より控え目の“おっぱい”とか。
蒼の脱ぐと凄い腹筋ではない“文学女史”っぽい四肢とか?
そういう、の。
「そそ、マル。ほとんど変わってないですよね」




