- C 1325話 騎士王と獅子王、仮面の王 5 -
仮面の王チヨダと同じ背格好、喪失した時刻から舞踏会場付近で目撃された青年に対して、ひとりの監視者が付いて、方々に散った――噂の信ぴょう性と、礼法・作法のひとつひとつに嫌みなほどの上流階級っぽさが域を出るのか否なのか。
それらの真贋を確かめる必要があるからだ。
と、いうのも。
この御仁、ああ、チヨダ卿。
旗本退屈男と自称する怪しい男だが、とかく厄介ごとに巻き込まれる。
いあ厄介ごとを引き込むような体質があって。
そんなミステリアスな薄幸さが華にはとかく人気が高い――故に、夜会の風物詩と言えば、さらなる深夜のお誘いなんかも、これはこれで婚前の御令嬢方には刺激が強いようで。
まあ何をしたかと言えば。
彼は盗みを働いた、ひと時のと言えば大したことではないのかもしれないけど。
チヨダ卿は夜の蝶。
蜜を滴らせる花弁に悪戯を。
お父さん激オコである。
◇
チヨダ卿捜索班とは別に。
悪霊に対応するのは王国の禁衛軍・護衛隊。
と、巻き添え喰らったわたしたち。
Aさんと修道女さんは、客将としての立場で指揮が採れるけど。
マルは凶悪なトゲを持つカニの甲羅と格闘中だ。
ドレス姿でジタバタと暴れてる。
あ、そんなに動くとパンツ見えるよ、みっともない。
「ふっふふ~ん(鼻を鳴らし)、そこは大丈夫!! 今日はこんな事も有ろうかとスパッツに」
スカートをたくし上げて。
わたしにマルのアニマルなパンツを見せてくれた。
おお、なんか可愛いな。
ソレ、カエルなの?
「え、いあ、えー か、カエル?」
手がカニ汁でベタベタなのに全身が見える鏡の前に飛び出してスカートをたくあげた。
悲鳴。
甲高いというか。
こう「おぉ!?」って唸ったような感じの悲鳴。
履いてるパンツが勝負の方じゃ無いからスパッツでいいや、って朝、出かける前までの記憶がある。
果たしてそこからここまでの記憶がない。
「モモチさんに何かされた?」
「んにゃ。食事何出るのかなあって」
言い終える前に気が付く。
レイスの方はAさんを敵として認識してTAGマークを刻んで絡んでて。
トイレから戻ってきたモモチさん、
「な、なになに?! え、えーええー!! せ、戦闘? なんでよぉおー! まだ三口しか」
って叫んでた。
ちょ、騎士王アーサー卿はどこ行ったよ?! マジで。




