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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2461/2533

- C 1312話 伯爵令嬢と魔女の、 2 -

 第二都市・ポートリー。

 かつて領都だった街だが、美しい大聖堂を置く『乙女神信仰』のメッカ。

 領主の城はなく、小さな佇まいの屋敷があるのみだ。

 まあ、申し訳なさそうな低い城壁はある。


 初代領主から連綿と受け継がれてきた年代物の屋敷で。

 それぞれの時代の子供たちが足跡を残してきた――いわゆる歴史そのものだ。

 これ、博物館にでも出来るような。

 そんなつくり。



 いあ。

 まだ使用している人が居ましたね。

 小王国・初代女王エリベートそのひと。

 マーガレットの傍で侍女に扮するという遊びに興じている女性である。

 さすが長命種エルフ




 女王に戴冠したその時から、精霊と契約して長命種となった。

 先祖帰りしたってわけだ。

「その行動不思議、思いませんでしたか?」

 同じ姓を持つマーガレットは、エリザベートの白い手を取る。

 女王は払うでもなく。

 自由に、魔女にゆだねて。

 マーガレットはその真っ白な手の甲にキスを贈る。

「精霊石の万能感と不完全さを?」

 魔女は続ける...

「これは呪いです! 縛りを与えて、強制的に長命種であることを放棄させる呪いなのです。しかし、陛下は今、そのくびきから解き放たれました。精霊石とはコードを書き換える装置なのです!!!」

 歴代の王族たちに誕生と、別れの際に現れる精霊はそもそも半身だという。

 精霊石によって強制的に分離させられたものだ。

 分離させられた半身を取り戻す儀式が、戴冠式に組み込まれている。


「では、皆、戻れるのか?」


「無理でしょうな。先人が試行していない筈はありません...儀式もその方々の苦肉の策でしょうし。この術式も完全ではありません」

 半身は守護霊のような形で本人の周囲に存在し続ける。

 これをプロテクトされてた魂に刻み直す行為なので、誕生時に枕元に立つ行為が無ければ。

 そもそも臣民の半身は何処にあるのやら、だ。

「なぜだ?」

 王族の血統の問題せいだろう。

 万が一、不具合が起きた時。

 王族の決断が尊重されるようなつくりだったのかも知れない。

 エルフ最後の王国の終焉。


 いや、これは欲望だな。

 支配欲が不平等を捻じ曲げた。

「聡明な陛下はどう思われますか?」


「わたしか? 退屈しのぎにはなるのかえ」

 マーガレットは二度目のキスを贈る。

 ならば...

「エリザベート・イクリンガスはここに精霊石の破棄を宣言する!!」

 ま、内輪だけのものだけど。

 この時、均衡が崩れたと言っても過言じゃない。

 三つの始祖王家が破棄を宣言すれば術が停止し、石は砕け、島の結界が消える。


 魔女曰く――始祖王家、ちょろいん。

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