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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
幻の島、アヴァロン
2453/2537

- C 1304話 真実を知った今、 4 -

 ケーニヒスベルク伯マーガレット・イクリンガス。

 対峙する人によっては、宮廷魔法使いにして賢者。

 或いは、戦場の若き雌獅子王。

 いや、

 最も有名なのは『帝国アイゼン魔女ヘクセ』と呼ばれたことの方が多い。

 数十万もの軍団を指揮し、数多くの戦場に赴き常勝無敗の大将軍だったこともある。

 ある時間帯では信念を曲げて、皇帝を廃位に追い込み市民革命に貢献し。

 また別の時間帯では帝国が、悪の根源と戦うなんてのもあった。


 まあ。

 結局、彼女の仕えた国は市民革命を経て、魔女狩りなんて愚考へと走っていく。

 しかし皮肉にも。

 魔女と魔法使いに再びスポットライトが当たり、かの国は、少年・少女を動員して魔法士航空隊なんてのがつくられるのだが。

 そんな時代に至る以前は、だ。

 魔力もちの子も、親も、市民でさえ虐殺の対象へ至った血の歴史。

 魔女が落ち延びるとしても。


 人払いの霧の先ってのは皮肉なんだろうねえ。



 かつて帝国の魔女と呼称された、少女は。

 マルの弟子だった時がある。

「いあ、まだ友達だと思うんだよね」

 と歯切れが悪い。

 いや、いや。



 歯切れが悪いのは、ちょっと悲しい出来事があったからだ。

 マーガレットはAIだ。

 生前、AIに人格の転写実験が行われた時からの被験者で、巨大な繭型医療ポッドに入ってた。

 患者の一人。

 不治の病で、数か月前に亡くなった。

 今はデータとして残るは片身だけ。

 彼女の面影や、性格などが精緻に受け継がれた人工物。

 まあ、ユニークな存在ではある。

「ユニーク? こういう時のユニークって、余りいい表現じゃないよね?」

 わたしの問に。

 ここはモモチさんが答えてくれた。

「そうだな。何でもそつなくプレイしてしまうマルに倣い、()()もセンスが良かった。いあ、マルよりも数段キレのある教え子と言ったところか。自身もセーブしないと、師匠を追い抜きかねないので、いいコンビだったよ。エサちゃんと揃うとな、手が付けられない暴れん坊っぷりでな」

 思い出しながら、

 涙ぐんで、

 そして嗤ってた。


 モモチさんも好きだった?

「ああ。タンクの前で、宴会とか、茶会とか、イベントは楽しかったな。...彼女が魔女、帝国の魔女なら手強いぞ!! 島の暴走も、彼女の仕業だと考えると...」

 これまでは壮大な実験だという事だ。

 島はこれまでに考えられないほどの大きなダメージを蓄積している。

 星の内海からエネルギーを得て、島自身が生命のサイクルに乗っていた。

 怪我をしたら傷が治るような仕組み。

 島の上の戦争は酷いばい菌による肌荒れのようなものだろうか。


 うっわ、痛そう。

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