台風が来るぞー、おー!!!
台風七号の凶悪的なとこは、その大きさ。
暴風圏で130キロメートル。
中心からというから、直径ってことだよね。
強風圏は東側と西側で大きくずれてる。
東には陸地が無いから、どんなに広くても気にしなくていいとはしても。
500キロメートルちかくあるという。
西側の一番広いところは280キロメートルっていう。
GoogleMAPで、280キロメートルだというと。
東京から愛知県まで直線で結んでもまだ、余裕があるという範囲。
これ、中心から西側へむけて一番広い範囲なんだよね。
すごいよね。
で、強風圏って15m毎秒の風が吹くらしいのよ。
そんな台風。
ひどいことになりませんように。
ボクの棲む実験都市は、官民連携で生まれたメガフロートの上にある。
本土からの干渉は殆ど寄せ付けないって話だけど。
それはたぶん、エサちゃんのお爺ちゃんが盾になっているからだと思う。
政界にはフィクサーとしての一面でみられ、経済界では妖怪ぬらりひょん的なイメージ。
まあ要するに、首魁のような人物なんだわ。
そんなイタリアンマフィアみたいな人たちと、ボクは家族ぐるみで交流してて。
可愛がってもらってた。
◇
ナプキンを買いにコンビニへ。
レジに並んだ時、
「マ、マルか?!!」
って声がかけられた。
聞き覚えのある声に敏感に反応したボクは、首だけでなく体ごと左に飛んでた。
「なんで逃げた?」
「な、なんでですかね?」
震える声のボク。
だって、ベック・パパの声をした青年を見るのは初めてなんだ。
「で、だ、誰?」
「ベックだよ」
やっぱりそうか。
アバター名とリアルな外見が似合わない。
いあ、本当はハナ姉から容姿については聞いてたんだけど。
「ああ、その様子だと知ってるのか、華から聞いた?」
うん。
聞いた。
「誤解があると思うけど。俺の好みはマルちゃんなんだよな」
レジ、会計しろよ。
後ろつかえてるって――あ、ボクもだ。




