表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1625/2523

- C 500話 カラクム塹壕戦 4 -

「怒られてしまいましたね、先輩」

 後輩ともども、作戦部から追い出された。

 まあ、追い詰められてる側からすれば勘にも触る。


 東洋王国陸軍は、内情、火の車だった。

 各地に送った戦車は、前世代のに比べて燃費が悪く足回りが致命的だった。

 かつての傑作戦車は軽戦車とカテゴライズされた軽いものだ。

 ただ、北天側の対応も早く、緒戦の動揺から立ち直って以降の戦果が芳しくない。

 37ミリ対戦車砲を回転式砲塔内に収めたものとしては、だ。

 ナーロッパのそれぞれの陸軍とも、たぶん互角。

「と、まあカタログ上では東洋うちの軽戦車は、火砲だけでなら重戦車かも...しれない。が、装甲がなあ、紙も紙、ペラペラなんだよなあ」

 最高時速28km/h。

 どんな悪路も走り回れるよう、広い履帯を履かせてた。

 砂漠は、ちと無理らしいけど。

 攻城砲で利用されてた火砲が戦線に置かれる前までは、確かに東洋の軽戦車は“鬼”だったようだ。

 今は、チワワ?


「チワワ? いや、ウサギかもなあ。使い勝手がいいとは言うけども、所詮37ミリだ。ナーロッパ基準の標準戦車...いや、中戦車って言ったかな? あれには及ばんだろうなあ」

 冒険者ギルドから得た情報だ。

 バルカシュ鉄道で、これらの中戦車が運び込まれたかは未だに不明。

 相手方の情報封鎖もなかなかって話。

「まあ、冒険者ギルドの連中は不可侵、いや中立とか言ってたけども。情報の出し渋りはあるんだろう...彼らの本拠地もナーロッパにあるんだから、てめえんとこの大国に睨まれたくないって考慮すれば、だ。東洋うちの情報部さまとしちゃあ、最悪を想定しなくちゃならねえ」


「じぶんとこの事になると、とたんに口悪くなりますね? 先輩」

 阿武隈の横に後輩。

 追い出された部屋の壁にもたれかかりながら、煙草をふかしてた。

 敷設工作分隊が設営したプレハブ小屋。

 方面軍の小さな司令部である。

「だとして、ナーロッパのとこの戦車。持ってきてると思いますか?」


「さあな? 新装備に50ミリ砲を搭載したってのも聞いたが...」

 後輩からごこで?!なんて声が上がるんだけど。

 阿武隈大佐は、微笑しつつ『内緒』なんて茶目っ気をみせる。

 まあ、彼個人ならナーロッパにそれなりのパイプがある。

 駐在武官だった頃のものだけど。

「この場合は、兵器のテストを兼ねている場合じゃないって()()かな。北天の連中は、世界の端っこにある大国に打診して、協力を取り付けた。今までは局地的な狭い戦いだったが、文字通り世界を敵に回した()()()()の戦いになる」


「それって...」


「世界大戦だ!! 方面軍の司令おやじが恐れてたことでもある。あの人も普段こそ、ちゃらついたとこはあるんだがな、蜀や超を追い詰めなかったのも、これらの危惧につながってたんだが...これで即時撤退が出来にくくなった」

 小首を傾げる後輩。

 阿武隈は、背中を向けると『殴りやすいだろ?』って後輩に呟いてた。

「膠着状態の内に兵を退いてれば、な」

 隠者たちがカラクムに上陸した時点で、撤収の好機を逃した。

 背中を見せて逃走すれば、尋常ではない速度で追撃してくるだろう。

 北天がではなく、隠者の率いる選抜部隊がだ。

「じゃ、じゃあ、先輩ならどう...受けますか?」


「総力をもって叩き伏せる!!」

 その日の夜、方面軍司令は総力戦を指示してた――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ