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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1605/2525

- C 480話 いざ、外洋へ 14 -

 南極の転移門の出口は多数ある。

 聖櫃のログには一部欠けたものがあった――出口の座標である。

 いくつか改竄されたような痕跡の中から、手繰り寄せような細やかな希望で選んだのが“ジョインビル諸島”だが、数千年前の天変地異によってここいらの地域も、旧時代地図の上からは消えていた。

 光点が差す位置が、ここだというので...

 ボクらは、

 その場所を“ジョインビル”()()だと読んでいる。

 今は、そうだなあ。


 海...かな?


 ブリッジにてサンドイッチの朝食を採ってた、ウサギ艦長がある。

「ラヂオを頼む」

 なんとなく軽い気持ちだった。

 彼女の、そう、朝食の御供にはラヂオを聞くというのがある。

 音楽番組をながしてたり。

 或いはニュースとか。

 魔界での娯楽は、まあ、ラヂオでこと足りた。


 別の世界でラヂオ放送しているのかという疑問があるんだけど。

 その日の放送は...砂嵐の向こうから途切れ途切れの音声を、拾うことから始まった。


 ひどい雑音。

 その音の嵐の向こう側から...

『我が、......なん、よ、よう...お、おう、おうう、王国、は、は、...は、はい、ぼ、くをせ、宣言...』

 消えた。

 いや切れたんだ。

 電波を手繰り寄せられなくなった。

 圏外っちゅう奴だ。



 モモ提督がブリッジに呼び出される。

 腕の中に枕を抱え、可愛らしいパジャマのままでの出勤。

 頭に折れた三角の帽子を被ってるんだけど。

「なに、今寝付いたとこだったのに」

 ちょっと不機嫌だ。

 夜更かしでハナ姉相手に将棋さしてたらしいんだけど、何度やっても負けっぱなし。

 酒も飲んでるから、酩酊状態になるまで、互いに競い合ってたらしい。


 うわ~

 マジかこの人たち...


「南洋王国が敗北宣言を表明した()()()

 裏取りはしてないけど、そういう放送を受信たと告げた。

「ウサギが冗談を言うとは思えないけど」

 確かめるには、艦首を南米方面からオセアニア方面へ転進させる外ない。

 いずれにせよ聖櫃の航跡は見失っているから...

「ただ、そういうシーズンがあったというだけで、こちらは何も干渉できる話でもない。が、それでも確かめに行くのだとすれば、この当てもない世界で迷子をするよりかは...幾分、マシなのだろうな」

 そう。

 スポットライトが当てられているのは、太平洋の西側だけだ。

 一応、世界は完全に切り離されていない。

 北米・南米大陸のうち、そこで栄えている文明がナーロッパを通じて、各地域に影響しあってるからAIがリアルにNPCを演じてくれる。逆に閉じたら、閉塞感を感じて集団自殺とか、起きちゃうんじゃないかなあ。

 ストレスによって、とか。

「モモの言質が取れた!!」


「あ、おい...それは、」


「提督であるお前の判断が必要なだけだったから、二度寝、やってもいいよ」

 ウサギ艦長は、彼女をブリッジから放り出してた。

 履いてた筈のルームシューズの片方が無い。

 探すモモ提督は、再び襲う睡魔と格闘しながら廊下の端で寝落ちした。

 う~ん、風邪ひくよ?

 マジで...って、ボクは、彼女にタオルケットを譲った訳よ。

 えっと、端の方は嗅がないでおくれよ、モモさん。


 そこね、エサちゃんがしゃぶってたんだわ。

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