- C 336話 侵略者たち 11 -
翼長14メートル。
尾の長さまで入れた、最大全長は22メートルの巨大な鷲――それが“カイザー・ヴィルト”。
12魔王領の霊峰に棲息しているという、極めて希少かつ雄大な猛禽類である。
ちなみに主食は...魔人でも喰らうどう猛さと、狡猾さを持ち合わせてて。
気が向けば、飛竜だってエサにする雑食。
絶対に出会いたくない、化け物だ。
ちなみに、
HP:485500
MP:12000
STR:SS-
DEX:AA+
VIT:SSS
SPD:SS+
INT:S+
MND:AA-
数値化したステータスじゃないけど。
魔界の冒険者ギルドが発行している“初心者ガイドブック”には、こう書かれてた。
どの世界でも似たハウツー本があるんだね。
で、だ。
飛竜の方は、ヴィルトと比較して相当格下に成る。
あ、え? ボ、ボク???
な、なんで、ボクまでモンスターズ間に倣わされるの...ああ、ちょっと~
個体名:マル・コメ
種族:スライム・ロード
危険度:A+
(宥めるには、洋物のハードなモザイク無しビニ本をそっと置いておくこと...
職業:ゴーレムマイスター
HP:341000
MP:1099280
STR:C++
DEX:SS
VIT:SS+++
SPD:S++
INT:SSS++
MND:SSS
あー。
公開しちゃってる。
ボクは危ないモンスターじゃないって!!!
ほら、ちょっと間違ってどっかに隕石墜としちゃうだけで、本当に無害だよ~
◇
四領の空には、今、5機の“カイザー・ヴィルト”が上がってた。
実際のカイザー・ヴィルトでさえ驚いて逃げるほどの巨体が、だ。
四領の空を狭く見せている。
翼長含め全幅438メートル、尾翼を含め全長約300メートル超の巨大な航空要塞“カイザー・ヴィルト”が地表から6000メートルあたりを巡航速度で行動している。
この当たりが一番、燃費がいいんだけど。
魔法飛行士たちを収容するために、飛行高度を収容可能な800メートルまで下げていた。
これが地表に暗雲たる、恐怖を与えるようだ。
ゴーレムだと分かってても、さ。
月見酒で、さ。
緊張感なく飲んでたら急に暗くなるわけ。
で、何気に空を仰いだら...ゴーレム見たら、何事かってなる訳よ。
陸軍上層部もそんな月見酒を、飲んでたクチだったらしく、慌てて軍本営に問い合わせしてきた。
「これは大将閣下...ご機嫌」
「ご機嫌も何もないわ!! ヴィルトが運用されとるじゃないか!!!!!」
俺に一言の相談もなくって具合の苦情は多数寄せられてた。
けど、カイザー・ヴィルトの運用実権は、新設された魔王直属空軍にある。
予備機を含めた、保有数すべてを空に上げても文句が言えるのは、魔王本人だけってことになり、その魔王が――「構うことは無い! 余の勅命に従わぬ犬など必要ない。処分しても構わぬ」――なんていう触れを出してた。
まあ、そもそも空軍とて。
侵略者だと思ってたのは、魔王の切り札だと後で知ったのだから、空軍省でも少し騒々しかった。
「ええ、...確かに」
なんだ、その対応はって憤りも。
海軍とこの将校らと同じ雰囲気だったけど...勅命が出ていますと、説明したら態度が軟化。
「なんだ、それを早く言え。海軍から回せるだけの魔法飛行士を上げるが、何人必要だ?!」
好意的な対応だった。
が、陸軍の方は臍曲げちゃった。
「勅命がどうのなんぞ知らぬわ! たわけが...今あがってるのは、海軍...のか?!」
「はい。海岸沿いの基地より約6000人の予備役、現役、訓練生までも供与して頂きました」
と、説明した。
陸軍にも似た戦力があるし、貸し出しという形で期待もした、が。
「ほう、ほう...では、陸から要らぬな」
だって。
すっげー仲、悪いなあ。




