進撃のコシュマール、VSルソン駆逐艦!
東洋王国のルソン級というと。
先にも述べたように、公式カタログお化けという印象が目立つ。
というのも、実戦での戦果記録が閲覧できても、データにならない散々足るものだからだ。
いや、例えばだけど。
戦艦大和・武蔵を評価する時に艦隊戦それも、戦艦同士或いは対巡洋艦相手のデータが無いので、本当に強かったのかとか、巨砲のスペックだけが独り歩きしている。
まあ、確かに当時の46センチ砲弾を正面から受け耐えられるような軍艦はなく、入射角度次第ではどんな戦艦もサバ折よろしくいなしてた可能性もなくもない――ってそんな浪漫を騙れるほど、魅力的な数字なわけです。
カタログスペックって素敵な数字の羅列ですね。
でも、ちょっと考えてくださいね!
記録上、46センチ砲の最大射程は約42キロメートルって話。
ウィキ〇ディアを参照しているから、多分、間違いは小差のはず。
で、この射程でどうやって当てるのかと。
地球は丸いんだよ、ね。
この船ゲーでも最大射程は42キロメートルにされてある。
いや、大和型の完成モデルを購入した場合は、ね。
ま、アウトレンジからの一方的な攻撃の場合、観測器による射撃修正が必要なので...恐らくは数十発撃って有効命中弾一桁、いやもっと少ないかなってレベルだった筈。
だってさ、帆船時代の英国船が決戦戦術として編み出したのは、超接近(=30ヤード)砲撃戦だった。
これの意味することは、いつの時代も当てるのは難しい。
さて、話を戻すとして。
ルソンのカタログスペックお化けなところは、その数字。
533ミリ5連装魚雷発射基部4基(=20門)搭載とする雷駆だったこと。
速力は最大で36ノット以上出すことが出来る機関を持ち、船首と船尾に1基づつ120ミリ連装両用砲を備えていたこと。しかも船体が細くミミズいや、水蛇みたいなタイプに見えたことだ。
「もっと艦隊から引き離しましょう」
航海士がいう。
確かに島の奥まで入ってきて欲しい。
相手の120ミリ砲も当たればそこそこ痛いけど。
射程が厳しい船なので、コシュマールとしても肉薄できる距離まで詰れるのは有難い。
ま、その時は――
「先手を取るのは我々です」
ルソン級には観測器は搭載されていない。
いや、駆逐艦には無用なのだ。
と、いうかプレイヤー艦でさえスペースの問題から搭載されていない。
ノワール・オーナーが特別、アホなだけだ。
「マルさん、アホじゃないです! 艦長はガチャのオマケだった魔法士の活用法に対して苦肉の策を取ったに過ぎません。これはまあ、閃きとでもしてあげておいてください」
と、告げてたけど。
やっぱりアホだと思う。
◆
ルソン級のひとつは、太平洋艦隊の隊旗を掲げてた。
普段は、太平洋にてパトロールしている群隊に所属している訳だけども、付近の港で定期点検中、ハードモードの中ボスとして参戦を請われた形であった。
「とんだ休暇だ」
艦長の愚痴は、艦橋内に伝染してた。
陸にまで揚がる予定はなかったけども、戦闘に駆り出されるものでもなかった。
ま、今のところは原隊の指揮官が怒髪天に雷を落としているだろう。
「電探に光あり!!」
観測兵が告げた。
艦長も身を捩って、
「船でいいのか?!」
と問い、続けて「はい」と応じてた。
電探は万能ではない。
疑似的に魔法士の直感を再現したものなので、当たるも八卦当たらぬも八卦くらいであった。
それでも、無作為に探さずには済んだ。
「よし、魚雷を流して様子見で...」
当たらなければ、当たるまで長そう...なんだっけ?




