進撃のコシュマール、砲雷撃戦再び!
コシュマールの全長は160メートル前後の軽巡洋艦の船体を利用した、大型駆逐艦というのにしてある。帆船時代でもとくに作り過ぎたり、型落ちになった戦列艦を下位であった、フリゲートにダウンサイズする“レイジー”化工事によって、当時のフランス海軍に対抗したという歴史がある。
大西洋と地中海の覇権をめぐっては、イングランドとフランスの間でし烈な紛争が幾度となく起きた。
まあ、そうした“レイジー”化工事に倣って、ノワール艦長のマイホーム1番艦は――建造されたわけじゃあないとは思う。
これは推測なんだけど。
セール品になんとなく手が出たんじゃないかな。
ま、とにかく“セール”って書かれた値札と、“お買い得品”なんて値札にも踊らされて...。
吟味も甘く購入したと言った流れ。
それはそれでいいんだよ。
たださ、これ、自作er向けの船体で。
これ買っちゃったせいでビギナーズラックで奇跡的に浮いてるんだと思う。
しかも、かなりの幸運が重なってた。
ボクのユニークスキル『造船技師』で、当該船を観察したところ...フィジカルポイントはは、余るべくして余った様子。今、増加装甲に振ったり、耐久のHPを増やすことも出来た――が、流石にハードモードをクリアするまではお預けではある。
「本艦の魚雷は、610ミリ4連装発射基部を舷側装甲でカバーしながら、2基配置してあります。射角は、前後約60度からとなりますから...少し窮屈な射界でしょうな」
と、糸目エルフさんだ。
装甲帯の上部に埋め込むように配置された。
上甲板に置いても良かったけど、小口径の砲撃でも簡単に壊れてしまう可能性拭えず、結果的に元からあった発射位置から動かさなかったわけだ。これがデフォルトだった為に、更に必要なところへフィジカルポイントが振れるようになっていた。
だから、この軍艦は化ける要素がいっぱいある。
「むむ! 610ミリというとまさか!! あの九二式酸素魚雷か?!!!!!」
ってハナ姉が興奮してる。
あ、そっかこの人この手のマニアだった。
女の子なのにリアルな部屋には、ヌイグルミと言えばボクを模した人形しかなく。
邪魔だと言っても、一向に片してくれない箱詰みされた、ミリタリーなプラモデルが玄関を占領してたひとであった。
そんな人が610ミリと聞いて目を輝かせているお宝というのが、
太平洋戦争で、猛威を振るった日本海軍の決戦兵器という。
「酸素? いえ、今一つ意味が分かりませんが...そういう代物ではありません。ただ、まあ雷速68ノットで射程12キロメートルを実現した“ロング・ランス”の固有名詞を持つ特殊兵装ですので...まあ、あまり使いたくは無いのですが」
それでも目を輝かせる姉さまは、なんか、ね。
子供っぽいと思った。
◆
再び観測器を上げて、上空監視しつつ。
各個撃破できるまでルソン級が戦隊長から離れるまでしぶとく待った。
これを“芋”るというのなら、芋るでもいい。
そうして痺れをきらした船から精彩を欠くようになる。
いや、駆逐艦らは頑なに分散開する旨を断っていたようだ。が、受け入れられることは無かった。
指揮官を恨んで欲しい。
「では水雷戦を始めましょう!」




