第七話 媚魔薬 ♡
ケインが部屋から出ていき、一人部屋に残されたクエル。
今はケインの事を信じ騎士団が助けに来ることを待つしかない。
クエルはケインが持ってきた食事を食べ終わると、ベットの上で横になっていた。
ガチャリと音がしてドアが開かれる。
入ってきたのはクエルが望んでいた助けではなく、誘拐犯のハゲだった。
「ゆっくり休めたかな、お嬢ちゃん」
男の背後には屈強な男たちが控えていた。
「きみに良いニュースだよ、きみのママが会ってくれることになったよ」
「母様が」
「歓迎してあげるよ何せ『暗黒街の魔女』を招待するのだからね」
「母様に何をするつもりですか?」
「きみのママには奴隷契約を結んでもらうよ」
「……奴隷契約、母様がそんなモノに契約するはずありません」
「そうだね、悪人と言うモノは自分が好きだからね。
だが女性の悪人と言うのはね、自分の子供だけは手元に置いて愛することが多いんだよ」
「母様がわたしを愛してくれているのは、悪人だからじゃありません」
「そうかい、どちらにしろ君を助けるためならあの女は、喜んでこの奴隷契約書にサインをするという事だ」
「……母様……」
「さて、あの女を歓迎するわけだが、その前に準備をしなければね」
男はスーツのポケットから一本の注射器を取り出す。
「本当はじっくりと時間をかけてきみに奴隷調教をしたかったが、あの女の絶望する顔が見たくてね」
シリンダーの中には、毒々しい桃色の液体が満たされている。
「な……なんですか……それは?」
「これは『ヘブン&ヘル』と言ってね。数年前に娼婦の間で使われていた魔薬だよ。
これを打たれると性欲中枢の活性化と感覚の鋭敏化を起し、理性から解放され多幸感、恍惚感に包まれるんだ。
媚薬と魔薬の良いとこどりの媚魔薬だ、ただあまりにも強力すぎてこれを打った女はすぐに発狂して壊れてしまうんだ」
「ぃや……やだ……怖ぃ……怖ぃょ……」
クエルが後退りをすると、屈強な男たちがクエルの身体を押さえつける。
「怖くないよ、きみはこれから人生で最高の体験を味わうんだ」
「助けて……だれか……母様」
クエルは涙をこぼし始めた。
恐怖に襲われ、クエルは必死に逃れようともがき始める。
「あぁ言い忘れていた、この媚魔薬を造ったのはね……きみのママだよ」
「……!? ……っ!」
その言葉に目を見開き身体を硬直させた瞬間、チクリと肌を刺す痛みと共にピンク色の液体が体内に注入される。
媚魔薬が打たれると、男たちが離れる。
そしてクエルの身体が狂った。
「あっ……あぅ……」
クエルの視界が赤く染まり、意識がぐずぐずに蕩けていく。
顔がだらしなくゆるみ、口の端から涎がとろりと垂れる。
顎からジャンパースカートの襟までべとべとにした。
身体が内側から熱くなり額やわき、服の下、手や足といった箇所が急激に汗ばみだした。
甘酸っぱいクエルの体臭が部屋にたちのぼる。
「あん……んっ……うぁ……」
肌が敏感になり無意識の内に身体をくねらせる。
額に浮いた汗が薄紫色の前髪を濡らす。
クエルの発情度合いは見た目にも明らかだった。
もはや恥も外聞もないといった感じで腰が上下に跳ねだした。
ビクンッビクンッと腰全体がバウンドする。
性感などまるで知らなかったクエルが耐えられるような悦びではなかった。
「ぁぁぁぁぁぁっ! ふぁぁぁぁぁぁっ!!」
クエルは甲高く絶叫しながら破滅的な快楽に吞み込まれる。
「自分の作ったクスリで愛する娘が狂ったと知ったら、あの女はどんな顔をするかな?」
クエルの醜態を見た男は、笑いながら部屋を出ていく。
「っ……ぅぅぅ……っあぅぅっ……はぁ……んっ……き、きもち……い………………」
部屋には発情した一匹の雌が残された。
◇
どれほどの時間がたったのか。
ベットの上で悶えのたうち回るクエル。
清楚で可憐な美貌が蕩けていた。
ゴスロリ服や下着が擦れ、性感帯となった敏感な肌へ休むことのない刺激を加えている。
ひたすらに自分自身の欲望に追われ、何度も性感を頂点へ追い詰めていく。
だらしなく開いた口からは、涎と喘ぎ声が途切れることなく洩れる。
身体中から昇ってくる凄まじい快楽に頭の中心が痺れ、意識は朦朧となっていた。
その為にクエルは部屋のドアが開いたことも、何者かが部屋に入ってきたことも分からなかった。
何者かが何かを言いながら、クエルの手枷と首輪を外そうとする。
誰だかわからない、ただ若いオスだという事だけは本能的に解った。
手枷が外され首輪が外された瞬間、一匹の獣が解き放たれた。
目の前にいるオスに飛び掛かるとそのまま押し倒す。
何かを叫んでいるがそれを理解することは、今のクエルには不可能だった。
オスの服を掴むと幼い身体のどこにそんな力があるのか、ビリビリと服を引き裂くと若いオスの裸体があらわになる。
禍々しい輝きを帯びた瞳が、薄紫色の前髪の奥から獲物を見据えていた。
再びオスが何かを叫ぶが、その口を桜色の唇が塞ぐ。
覆いかぶさるように抱き着き、クエルは自ら口を開き唾液にぬめる舌を突き出した。
オスの口腔を舐め回し、舌を絡ませあい互いの唾液を交換する。
口の中からクチュクチュと卑猥な音が聞こえ、クエルの淫靡な感情が煽られる。
「あんっ……んふ……んっ……」
濃密なディープキスの喜悦に酔いしれ、身体を裸体にこすり付ける。
何分かのあと、クエルが顔を離すと唇から唾液が糸のように互いを繋ぐ。
意識があるのかないのか、半開きになった唇からハァハァと息を吐く若いオスに、クエルは馬乗りになる。
「はぁ……あぁ……あおぉ……はっ……あぁ……あっ……」
喘ぎ声をもらしつつ、クエルの顔が上がった。
クエルはたまらないといった感じに光沢のある長髪をふり乱す。
全身の汗が飛び、少女特有の甘酸っぱい芳香が辺りを包んだ。
「ぁぁぁぁぁぁっ……はぁぁぁぁぁぁっ……ぉぁぁぁぁぁぁっ…………」
獣じみた喘ぎ声が部屋の中に響いた。
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