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あなたの番は、もうどこにもいない  作者: 黒猫と珈琲


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15/16

番外編 もう一度、あなたの髪を結う【イルゼ視点】

 イルゼがツェツィーリアの髪を結うようになったのは、彼女がまだ幼い頃だった。


「痛いわ、イルゼ」

「申し訳ありません。ですが、お嬢様が動かれるからです」

「動いてないもの」

「先ほどから三度、窓の方をご覧になりました」

「だって、今日は竜族のところへ行くのよ」


 鏡の中で、幼いツェツィーリアが頬を膨らませる。


「テオ、いるかな」

「いらっしゃるといいですね」

「いたら、また竜になってもらうの」

「またですか?」

「うん」


 楽しそうに笑う。


 その頃のツェツィーリアにとって、竜族の領地へ行くことは、遊びに行くのとほとんど変わらなかった。


 テオドールと庭を走り回り、木に登る。


 帰ってくる頃には、朝きれいに整えた髪もすっかり乱れていた。


「お嬢様」

「なあに?」

「これはどういうことでしょう」

「……いっぱい遊んだの」

「見れば分かります」


 呆れながら髪を解けば、ツェツィーリアは悪びれもせずに笑った。


「楽しかったんだもの」


 そんな顔をされると、最後にはイルゼも笑ってしまうのだった。


 十五歳になった頃。


 ツェツィーリアは、鏡の前でリボンを選ぶ時間が長くなった。


「イルゼ」

「はい」

「こっちと、こっちなら、どちらがいいと思う?」


 淡い青と、白。


「どちらもお似合いになりますよ」

「それじゃ選んだことにならないでしょう」

「では、淡い青はいかがです?」

「……そうね」


 そう答えながらも、まだ鏡を見ている。


 今日は竜族の領地へ行く日。


 そして、レオンハルトに会う日だった。


「お嬢様」

「なあに?」

「楽しみなのですね」

「何が?」

「レオンハルト様にお会いになるのが」


 ツェツィーリアの手が止まった。


「そんなことないわ」

「そうですか」

「そうよ」

「では、白でも青でも同じでは?」

「それは違うの」


 即答だった。


 イルゼは思わず笑いそうになる。


「今、笑ったでしょう」

「いいえ」

「絶対に笑ったわ」

「気のせいでございます」


 まだ恋だと本人が気づく前から、イルゼには分かっていた。


 十七歳になる頃には、もっと分かりやすくなった。


「今日は白いドレスにするわ」

「昨日は淡い青とおっしゃっていませんでした?」

「こっちの方が、このリボンに合うもの」


 ツェツィーリアの手には、深い青色のリボンがあった。


 レオンハルトが旅先で見つけ、彼女に贈ったもの。


『お前に似合うと思った』


 そう言われたのだと、嬉しそうに教えてくれた。


「では、こちらで結いましょう」

「うん」


 淡い金髪へ、深い青を結ぶ。


 鏡の中で、ツェツィーリアが小さく笑った。


「どう?」

「とてもお似合いです」

「本当?」

「はい」


 嬉しそうだった。


 イルゼも嬉しかった。


 番だからではない。


 ツェツィーリア自身が、レオンハルトを好きになっていく。


 会える日を楽しみにし、贈られたものを大切にする。


 名前を口にするだけで、表情が柔らかくなる。


 そんな姿を、一番近くで見ていた。


 だから、このまま幸せになってほしいと心から願っていた。


 その願いが、少しずつ崩れていった。


 十八歳の誕生日。


 屋敷の者たちに祝われ、夕食にはツェツィーリアの好きな料理が並んだ。


 父親からは、青い石のついた髪飾りを。


 イルゼは、自分で刺繍したハンカチを贈った。


 穏やかで、温かな一日だった。


 それでも夜になると、ツェツィーリアは窓辺にいた。


 廊下で足音がするたび、ほんのわずかに顔を上げる。


 そのたびに何でもないふりをする。


 誰を待っているのか。


 聞かなくても分かっていた。


「お嬢様」


 イルゼは温かい飲み物を持って部屋へ入った。


「眠れませんか?」

「まだ眠る時間じゃないでしょう?」

「そういうことにしておきましょう」


 カップを置くと、ツェツィーリアが小さく笑った。


「蜂蜜?」

「少しだけ」

「ありがとう」


 両手でカップを包む。


 しばらくしてから、ツェツィーリアがぽつりと言った。


「今日、楽しかったわ」

「はい」

「お父様も、みんなもお祝いしてくれて」

「はい」

「だから、こんなことで寂しいと思うのは、贅沢よね」


 イルゼは眉を寄せた。


「こんなこと、とは?」

「……」

「レオンハルト様から何もなかったことですか?」


 ツェツィーリアはカップへ目を落とした。


「期待してなかったのよ」

「はい」

「本当に」

「はい」

「でも……覚えていてほしかったみたい」


 困ったように笑う。


「馬鹿ね」

「いいえ」

「まだ好きなの」


 イルゼは何も言わなかった。


 好きなのだ。


 傷つけられても。


 待たされても。


 簡単には消せないほどに。


 それを分かっていたからこそ、これまで何度も言葉を飲み込んできた。


「お嬢様」

「なあに?」

「もう、待たなくてもいいのではありませんか」


 ツェツィーリアが顔を上げる。


「……何を?」

「レオンハルト様が、以前のように戻ってくださることをです」

「私は待ってなんて」

「待っていらっしゃいます」


 きっぱり言った。


「今日も。昨日も、その前も。いつか元のレオンハルト様に戻ってくださるのではないかと、お嬢様はずっと待っていらっしゃる」


 薄青の瞳が揺れる。


「私は、お嬢様がこんなふうに毎日少しずつ傷ついていくのを見るのが嫌です」

「イルゼ」

「好きな気持ちまで、無理になくせとは申しません」


 イルゼは少しだけ俯いた。


「でも、その方を待ち続けなくてもいいのではありませんか」


 長い沈黙のあと。


「好きなのよ」


 小さな声が返ってきた。


「……はい」

「レオンハルトが私をどう思っているかとは、別なの」


 声は少し震えていた。


 それでも、ツェツィーリアは顔を上げていた。


「私がレオンハルトを好きなのは、私の気持ちでしょう?」

「……はい」

「無理に嫌いにならなくてもいいと思うの」


 イルゼは何も言えなかった。


 嫌いになってほしいわけではない。


 ただ。


 もう、待つことばかりでこの人の時間が過ぎてほしくなかった。


 そう願っていたはずなのに。


 もう、その時間は動かない。


「……お嬢様」


 返事がない。


「お嬢様」


 もう一度呼ぶ。


 いつもなら。


『なあに?』


 少し面倒そうに。


 それでも必ず返ってきた声がない。


 ツェツィーリアは、自室のベッドに横たわっていた。


 白い服へ着替えさせられ、傷は見えないよう整えられている。


 イルゼは淡い金髪へ櫛を通した。


 手が震えた。


「……どうして」


 冷たい。


「どうして、こんなに冷たいんですか」


 返事はない。


「お嬢様」


 涙が落ちた。


 それでも、髪を整える。


 何度も。


 何度も。


「朝は、温かかったじゃないですか」


 震える手で髪を撫でる。


「昨日だって、海へ行ったら何を着ようって、お話ししていたじゃないですか」


 春になったら。


 海へ行きたい。


 泳いでみたい。


 何を着よう。


 髪はどうしよう。


 そんな話をしていた。


 つい昨日まで、未来があると思っていた。


「……お嬢様」


 呼んでも、もう返事はなかった。


 レオンハルトが扉の外にいることは分かっていた。


 けれど、会わせたくなかった。


 部屋を出たところで目が合う。


「……イルゼ」

「お帰りください」

「ツェツィーリアに」

「お帰りください」

「……会わせてくれ」

「嫌です」


 自分でも驚くほど、はっきり言えた。


「俺は」

「お嬢様があなたを許しても」


 声が震える。


「私は一生許しません」


 ツェツィーリアは最後まで、彼を好きだった。


 彼を庇って死んだ。


 命が消えるその瞬間まで、レオンハルトが生きていることを喜んだ。


 だからこそ、許せなかった。


「番なんかなければ!」


 気づけば叫んでいた。


「お嬢様は死なずに済んだ!」


 普通に恋をして。


 普通に結婚して。


 もっと長く生きられたはずなのに。


「返してください」


 涙で顔がぐしゃぐしゃになる。


「お嬢様を返してください」


 返事など求めていなかった。


 返せないことくらい、分かっていた。


 夜になり、テオドールが来た。


 イルゼは彼をツェツィーリアと二人きりにした。


 廊下で待っているあいだ、声はほとんど聞こえなかった。


 ただ、ずいぶん長い時間が経ってから扉が開いた。


 出てきたテオドールの目は赤かった。


 イルゼは何も聞かなかった。


 聞かなくても、分かることがあった。


 ◇


 葬儀は、三日後に決まった。


 白い花を入れる。


 父親が選んだ、ツェツィーリアの好きだった花。


 イルゼは最後に、もう一度髪を整えた。


 これが最後になると思っていた。


 その翌朝。


「生きてる」


 レオンハルトが言った。


 最初は、何を言っているのか分からなかった。


「……え?」

「ツェツィーリアが、生きてる」


 棺へ駆け寄る。


 治癒師たちの向こう。


 白い花に囲まれた胸が、ほんのわずかに動いていた。


「お嬢様……?」


 息をしている。


 脈がある。


 温かい。


 昨日まで、あんなにも冷たかったのに。


 奇跡だった。


 代償があるのだと聞かされた。


 番との結び。


 番となってから積み重ねた記憶。


 それらを失う代わりに、もう一度生きる。


 そんなものは、イルゼにはどうでもよかった。


 生きているなら。


 それだけでよかった。


 やがて、ツェツィーリアが目を開いた。


 父親を見る。


 イルゼを見る。


 知らない人を見るような目だった。


「……だれ?」


 胸を抉られた。


 けれど、泣いてはいけない。


 この人は今、何も分からないのだから。


「イルゼです」


 どうにか笑う。


「……イルゼ」


 初めて聞いた名前を確かめるように、ツェツィーリアは繰り返した。


「はい」


 涙がこぼれた。


 それでも笑った。


「私はずっと、お嬢様のおそばにおります」


 覚えていなくてもいい。


 また一からでもいい。


 何度でも名乗る。


 何度でも、この人のそばへ戻る。


 それから少しずつ、記憶が戻った。


 父親のこと。


 幼い頃のこと。


 イルゼのこと。


「イルゼ」


 ある日。


 自然に名前を呼ばれた。


「はい」


 返事をした途端、涙が落ちた。


「どうしたの?」

「何でもありません」

「泣いてるでしょう?」

「嬉しいんです」

「どうして?」

「お嬢様が、私を呼んでくださったからです」


 ツェツィーリアは少し困ったように笑った。


「変なの」

「はい」


 変でもよかった。


 もう一度、呼んでもらえた。


 体が回復し始めると、イルゼは再びツェツィーリアの髪を結うようになった。


「痛くありませんか?」

「痛くないわ」

「きつくありません?」

「大丈夫」

「本当に?」

「イルゼ」


 鏡越しに睨まれる。


「前より慎重すぎるわ」

「そんなことは」

「あるわ」


 イルゼは思わず笑った。


「だって」


 そこまで言って、やめる。


 もう二度と、この髪へ触れられないと思った。


 そのことは、言わなくてもいい。


 やがて、ツェツィーリアはテオドールを「テオ」と呼ぶようになった。


 昔の記憶が戻ったから。


 最初は、そうだった。


 けれどイルゼには分かった。


 少しずつ、それだけではなくなっていくことが。


「イルゼ」

「はい」

「これ、どう思う?」


 差し出されたのは、銀色の髪飾りだった。


 青い石が嵌め込まれた、翼の形。


 十八歳の誕生日を祝って、テオドールから贈られたもの。


「お似合いになると思います」

「そう?」

「はい」


 ツェツィーリアが鏡を見る。


「今日は、これにする」

「よろしいのですか?」

「だって、使ってるかって聞かれたんでしょう?」

「そうですが」

「なら、使わなくちゃ」


 イルゼはほんの少し笑った。


「かしこまりました」


 髪へ飾りを留める。


 鏡の中のツェツィーリアは、どこか嬉しそうだった。


 昔。


 レオンハルトに会う日の朝。


 何度もリボンを選んでいた少女を思い出す。


 少し似ている。


 けれど、同じではない。


 今度は、番だから会う相手ではない。


 運命が決めた人でもない。


 ツェツィーリアが、自分から会いたいと思っている人だった。


 春。


 テオドールと空を飛んだ日。


 帰ってきたツェツィーリアの顔を見た瞬間、イルゼは何かが変わったことに気づいた。


「お嬢様」

「なあに?」

「楽しかったですか?」

「うん」


 それだけだった。


 けれど、頬が少し赤い。


「何?」

「いいえ」

「何か言いたそう」

「何でもありません」

「イルゼまでそれ言うの?」


 ツェツィーリアが笑う。


 その顔を見ながら、イルゼは胸の中だけで願った。


 今度こそ。


 どうか、この笑顔が続きますように。


 その日の夕方。


「イルゼ」

「はい」

「私ね」


 少しだけ照れたように。


 でも、とても幸せそうに。


「テオが好きみたい」


「……そうですか」

「驚かないの?」

「ええ」

「どうして?」

「お嬢様のことは、よく存じておりますから」

「いつから分かってたの?」

「秘密です」

「もう」


 ツェツィーリアが笑う。


 イルゼも笑った。


 昔の恋を否定する必要はない。


 レオンハルトを好きだったことも。


 幸せだった時間も。


 傷ついた時間も。


 すべて、ツェツィーリアの人生だった。


 けれど、だからといってそこへ戻らなければならないわけではない。


 今のツェツィーリアが、今誰といたいのか。


 それを自分で選んだ。


 イルゼには、それが何より嬉しかった。


 ◇


 二年後。


 婚姻の日。


「お嬢様、動かないでくださいませ」

「動いてないわ」

「先ほどから三度も振り返っていらっしゃいます」

「だって、少し緊張するんだもの」

「テオドール様の方が緊張なさっていると思いますよ」

「本当に?」

「ええ」

「じゃあ、あとでテオに確認してみるわ」


 いつもの鏡。


 いつもの椅子。


 イルゼはツェツィーリアの後ろに立ち、淡い金色の髪を梳いていた。


 一度、もう二度と触れられないと思った髪。


 冷たくなったその髪を、最後だと思って整えた。


 それなのに今、自分の指の間を柔らかな髪が滑っていく。


 温かい。


 生きている。


 幼い頃、遊びに行く朝にも結った。


 十五歳の頃、レオンハルトに会いに行く朝にも。


 十七歳。深い青のリボンを嬉しそうに選んだ日にも。


 傷ついて帰ってきた日にも、眠れなかった夜のあとにも。


 そして一度だけ、最後だと思って結った。


 今日。


 もう一度。


 お嬢様が、自分で選んだ相手と結婚する日の髪を結っている。


「イルゼ?」


 ツェツィーリアが鏡越しにこちらを見る。


「はい」

「また泣きそうな顔してる」

「しておりません」

「してるわ」

「気のせいです」

「みんなそればっかり」


 ツェツィーリアが笑った。


 その笑顔を見たら、本当に泣きそうになる。


「イルゼ」

「はい」

「今日の私、きれい?」


 何度も聞かれた言葉だった。


 幼い頃にも。


 レオンハルトに会いに行く日にも。


 外出の日にも。


 そのたびに。


『とてもお似合いです』


 そう答えてきた。


 けれど今日は、別の言葉が浮かんだ。


「はい」


 イルゼは鏡の中のツェツィーリアを見る。


「とても、お幸せそうです」


 空色の瞳が、わずかに見開かれる。


 それから、ツェツィーリアは笑った。


「うん」


 穏やかな声だった。


「幸せよ」


 その一言で、涙が落ちた。


「あ」


 ツェツィーリアが振り返る。


「やっぱり泣いてる」

「申し訳ありません」

「どうして謝るの」

「せっかくのお支度なのに」

「泣いてるのはイルゼでしょう?」

「……そうでした」


 二人で笑う。


 そのあと、ツェツィーリアが手を伸ばした。


「イルゼ」


 イルゼは、その手を取る。


「ありがとう」

「何がですか?」

「ずっと、そばにいてくれて」


 一瞬、息が止まった。


『……だれ?』


 あの日。


 目を覚ましたツェツィーリアに、そう聞かれた。


『イルゼです』


 名前を教えた。


『私はずっと、お嬢様のおそばにおります』


 あの言葉は、安心させるためだけに言ったのではない。


 本当だった。


「お嬢様」


 イルゼは、その手を両手で包んだ。


「私は」


 声が震える。


「お嬢様がお幸せなら、それでいいんです」


 誰を好きになっても。


 誰を選んでも。


 どこで暮らしても。


 たとえ、自分のそばから離れていっても。


「お嬢様が笑っていらっしゃるなら」


 それでいい。


「それが、私の願いです」


 ツェツィーリアの目にも涙が浮かんだ。


「もう。イルゼったら」

「はい」

「そんなこと言ったら、私まで泣いてしまうでしょう」

「申し訳ありません」

「だから、謝らないで」


 ツェツィーリアは困ったように笑った。


 笑いながら、イルゼの手を握り返す。


「ねえ、イルゼ」

「はい」

「これからも、髪を結ってくれる?」


 胸の奥がいっぱいになる。


「もちろんです」


 イルゼは答えた。


「何度でも」


 ツェツィーリアが笑った。


 もうすぐ、毎朝自分が彼女の髪を結うことはなくなる。


 これからは、テオドールとの暮らしが始まる。


 新しい家。


 新しい毎日。


 イルゼの知らない時間も、少しずつ増えていくだろう。


 それでいい。


 ツェツィーリア自身が選んだ人と、新しい日々を重ねていくのだから。


 会いに来たときには、また髪を結えばいい。


「お嬢様、動かないでくださいませ」


 そう言って。


『分かってるわ』


 と返されて。


 きっとすぐに動いて。


 また注意して。


 そんな日が、これからも続いていく。


「できました」


 最後の髪飾りを留める。


 鏡の中には、花嫁姿のツェツィーリアがいた。


 生きている。


 笑っている。


 幸せだと言っている。


 イルゼは、その姿をしばらく見つめた。


 あの日。


 もう二度と結うことはできないと思った髪を。


 今日、もう一度。


 自分の手で結うことができた。


 それだけで、十分だった。


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― 新着の感想 ―
イルぜさん‥ こっちまで泣いてしまう
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