異世界へ
俺はナオと一緒に行くことを決心し、一歩踏み出した。
その瞬間だった。
「姫ええええええ!!!」
「様ああああああ!!!」
あまりに騒がしい2人がこちらに向かってくる。
「おいお前ら」
2人が到着するやいなや、ナオは警戒するように俺との間にすかさず入る。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…」
思いっきり運動不足なのに全力で走ったからか、膝に手を付き息を切らしている。
よくよく見るとあらゆる所に擦り傷が…。
ここに着くまでに何度かすっ転んだっぽいな…痛そう。
「あなたは姫ですよね!?」
息が整わない内に片割れが俺に問いかけてくる。
「え?またそれ?いやー多分違うと思うけど」
「え?でもここに急に現れませんでしたか?」
「それは…そうなんだけど、なんで知ってるの?」
「やったー!」
「やっぱり成功してたー!」
疲れを忘れたように、2人は喜び勇む。
「何か成功なんだ?」
思わずナオが訊く。
「姫は私達が召喚したんです!」
「俺をお前らが!?」
このちっこい双子みたいな女児2人が俺を召喚した?
いくらなんでもあり得るのか?
「私達の国の姫は、もう割り合わない!姫なんてやめる!と家出をしてしまいました」
バイトか何かかよ。
「姫が不在で困った私達は、姫を召喚してしまおうと思いました」
もっと手頃なやり方あるだろ。
「あとは目をつぶって選んで」
「こちらに召喚しました!」
なるほどなるほど。
「って納得できるかああああああ!!」
ツッコミどころを我慢しスルーし続けすぎたことによる反動で、ついに叫んでしまった。
「姫選ぶの適当すぎるだろ!」
「えーでも、結果的にとっても可愛い姫が召喚できました!」
「こういうのは変な主観が入らない方がいいんです!」
「確かに」
いつの間にかナオは警戒を解き、俺の顔をまじまじ見つめていた。
恥ずかしい。




