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魔王様に恋されました  作者: 餅山せろり
3/3

イケメン

城の最上階で、魔王は今か今かと待ち構えていた。

愛しのメアリが来るのを…

「ん…??もしかしてあれは…メアリ!?」

何年もたっているがやはり、魔王はメアリを一目見ただけで分かった。

「ふふふ、メアリ…私はずっと待っていたよ…。迎えに行かなければね」

平均男性に比べて随分整った顔に笑みを浮かべた。



「すっ、すみません…誰かいませんか…」

うううう、自分の声の小ささを呪いたい…

なよなよとした声は、当たり前だけど誰にも届いてくれない。

あーぁ。帰りたい…。

凹みそうになる心を、なんとか奮いたたせる。

はぁ、とため息をつきそうになったその時、バサァァァァという大きな音と、風が私を襲った。

な、なにこの風…!

風に抵抗しながら顔をあげて見たのは…







イケメン…







いやいやいやいや、は!?!

なんで…えっっっ?!

めちゃめちゃイケメンやないですかーーーい

誰、え、なんでこんな山の上にイケメンがいるの!?

私が戸惑っていたら、イケメンは笑顔を見せて言った。

「待ってたよ、メアリ…!さぁ、おいで?」

手を差しのべられたので思わず握ろうと…した!

いやいやいや、誰ですかあんた!!!

「誰ですか…。どうして私の名前を?」

「ふふふっ、やっぱり覚えていないか。とりあえず城へ入りなよ?そんな質素なドレスじゃなくて…ちゃんとしたの用意するよ」

質素で悪かったなーーーーーーー!!!!!!

てゆか、本当に誰?

私のことを知ってる…?

「あの…私、このお城の魔王様…?に用があるんです。ごめんなさい。貴方に用はないんです」

ふっ、ここまで言ったら大丈夫だろう。

さーて、どーすっかなぁ。

この人、お城に入りな的なこと言ってたから…お城の人?

そんなことを悶々と考えていたら急にぷっ、という吹き出した音がした。

「ふはははははは…っ!やっぱり…メアリは変わってないね…っくくっ…そんなとこも…大好きだ」

きゅんッッッ

くっ…きゅんとしてしまった…

だってこんなイケメンにこんな笑顔で大好きだって言われたら…そりゃ!ね!

仕方ない…んだよ!!!

「だから貴方は…」

「私がメアリが言う…魔王、だよ。君を呼んだのもこの私だ」

……………は?

このイケメンが?

「…な、なに言ってるんですか…私を呼んだって言っても村の一番の美人、でしょう?私じゃないかもしれないじゃないですか」

「だって、君以外にいないだろう?」

ぐっ、っと言葉につまる私を見て、イケメンは妖艶な笑みを浮かべた。

「ふふ、さぁお城に来てもらおうか?悪くはさせないよ?」


いや…騙されるな私…!!!

立ち止まる私にイケメンはん?と微笑む。


…ほんとの魔王がおっさんだったら、このイケメンについていく方がいい…?

そんな思いも浮かんでくる。


阿呆か、私…

けど、どのみち誰かのとこに行かなきゃならない…


だったら…もう、いっか。

小さく歩き出した私を見て満面の笑みでありがとう、とイケメンは呟いた。




イケメンかよ…

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