イギリスへ。
私が今、住んでいるマンハッタンも5月を終えようとしていた。日本に帰国すれば季節は梅雨の時期になる頃だろう。 本来なら、今頃、秋田での生活をしているはずだが私はイギリスへの準備を進めている。
アメリカに来て一年が経ち、思えばいろいろなことがあり、ほんとにあっという間だった。
エリカとの出会いがあり、ハロウィンパーティーでのミスコン、ジョーイの事件、う〇このお掃除、デビットの出会いと極真空手、それに神風特別攻撃隊・・・この一年、ジェットコースターのごとく過ぎてしまった。イギリスでは半年というけど、それもすぐに終わってしまうのだろう。
アメリカに来て感じたことがある。それは、日本が恋しくなるということだ。 アメリカ生活も初めは新鮮でいいが、月日が経つと日本と違うとこも一つ一つ感じるようになり、日本にいたならこんなことが簡単に出来たのに・・・とか、気軽に利用できたセブンイレブンの100円コーヒーや吉牛もたまらなく食べたくなるときがある。 それにアメリカは食生活の面でも、味付けが濃く私にはちょっと辛い。
帰国して祖母の手料理を食べたときには本当に早く日本に戻りたいと思った。温かいお味噌汁とごはん、お新香と焼き魚、食後のほうじ茶・・・ティファニーやセギョン、エリカでさえ、日本の朝食に絶賛したほどだ。 イギリスではどう生活がなるか分からないが、エリカとも離れ私一人になってどう生活をしていったらと思うと不安でたまらない。
(やっぱり、不安?)
(エリカなら、どうする? 行く?)
(私なら、行くな・・・だって明日どうなるかわからないもん。)
(分からないって??)
(いつ死ぬか分からないじゃない? 冗談で言ってるんじゃないんだよ。日本にいたって、車に突っ込まれたり、殺されたり、病気で死んだり・・・あるじゃん。明日のことなんか分からないんだから。だから今、出来ることやれること・・私ならするな。)
(でも・・・)
(人って死ぬときどんなことを思うと思う? あの時、こうしとけば良かった・・もっとこんなことしとくべきだった・・って、後悔することが多いんだよ。 だからこうして生きてるときにやれることはしておきたいな。私なら・・)
たしかにエリカの言うとおりかもしれない。私だって死ぬときに後悔などしたくはない。
(お祖母ちゃんも言ってたんだ。本当に楽しかった人生だったって思いながら死にたいって。)
私の両親は共に病気で亡くなっている。自分の人生の幕を下ろすときどんな思いだったのだろう・・・
(愛?だからこそ行くべきよ。オックスフォード大学は生半可な気持ちじゃ続かない。厳しい学生生活を経験してもっと自分に自信をつけるのよ。アメリカもイギリスも日本とは違い、本当にシビアな世界だから。 そんな厳しい世界でも生きていける女にならなきゃ。)
(エリカ・・・ )
一年、住んだ、ルミエラ大学の学生寮。いざ、部屋を出ると思うと寂しくなるもんだ。
スーツケースに衣類など詰め込み渡米したときと同じ大荷物となった。イギリスへと出発ももうすぐだ。エリカのコルベッティで空港まで送ってもらうことにした。
アメリカに来たときもこうだったっけ・・・ 警察に追われながらも逃げ切り翌日、学生寮に入ったらエリカがいて・・・ ほんとに一年、経ったんだな・・・
ジョン・F・ケネディ空港に着き、エリカとも別れのときだ。
(愛、見て。)
エリカが差し出したのは(i pad )
(i pad )から映像が出てきた。
エミリー、シャロンだ。それにシャロンのお母さん、ブラットもいる。
(愛、しっかりね。)
(何かあったら必ず連絡しなさい・・)
(待ってるからね。)
(イギリスに行っても電話くらいしろよ。笑)
(エミリーたちも空港まで見送りにくると辛くなるからって。これにしたの。)
(ううん、このほうが私はいい。だって、みんなに会ったら行きたくなくなっちゃうもん。)
エリカは、ipadを持ったまま私を抱きしめて、
(愛のこと、待ってる。絶対、待ってる。)
エリカ・・・
エールフランス航空 19:30発。
フライトの時間になり、エリカともお別れだ。
(エリカ、なんだかもう会えなくなるみたい・・)
(何、泣いてんの・・・待ってるっていったじゃん。)
エリカも私を抱きながら泣いていやがる・・・
イギリスではどんなことが待ち受けているのだろうか。 新しい人との出会い、出来事、色々あるだろう。だけど、どんな災難があろうとも私は立ち向かっていくつもりだ。
see you soon... next Give and take 留学編 season2




