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Give and Take ~for girls 留学編  作者: 月岡 愛
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浄化槽

秋田国際大学の海外留学制度で渡米し約一年が経とうとしている。


日本へ帰国しお正月、成人式も経てあれから数カ月、季節は冬から春へと変わっている。私の留学生活もこの5月をもって終了し秋田へと帰国することとなった。


思えば会話もロクに出来ず、空港でオロオロしていたところに、エリカという1人の女の子との出会いが私のアメリカ生活のスタートだった。まさか同じ大学で部屋まで一緒だったなんて本当に驚いたが、アリアナ・グランデのライブやハロウィンのコンテスト、それに鹿児島まで遠征したことなど本当に充実していた一年だった。これもエリカとの出会いがなければ、また違った過ごし方をしていたかもしれないだろう。


そんなエリカとの生活もあとわずかな日で終わりを迎えようとしている。



(ね、明日、知り合いのとこで、ちょっとお手伝いしてみない?)


(え?お手伝い?なんの?)


エリカのことだから、また、私にいやらしい格好させようと思ってるんじゃ・・・


(フフフ・・楽しいよ。お金も出るし。 ウフ。)


(明日は大学の講義もないし、休みだからいいけど。何をするのよ?)


(それは明日になってから。笑)


どんなことをするのか分からんが、エリカのことだから何かあるに決まってる。 



そしてその日・・・



(じゃ、出発よ。)


出発はいいが、まだ明け方じゃん。私、眠いんですけど・・・


(エリカ、どこにいくのよ? こんな朝早く。)


(いってからのお楽しみ。笑。ちゃんとお給料もでるから。)


(お給料?? 何、アルバイトでもするの?)


(さ、行くよ。)


私の手を引っ張り大学を後にした。



少し歩き、待ち合わせなのか車が止まっていてエリカが私を連れて近づいていく。


(エリカのお友達? かわいい子じゃない?日本の子?)


キレイな髪をしているモデルさんみたいな人が車から出てきた。


(日本から留学に来ていて。私と同じ部屋なの。愛っていうの。)


(日本の子って肌が白くてきれいよね。 エリカに何かされてない?大丈夫? 笑。)


(よろしくお願いします。愛と言います。)



このキレイなお姉さんは誰なんだ??



(じゃ、行こうか? 着いたら作業着も渡すからそれに着替えて。)


さ、作業着?? あの・・・



(大丈夫よ、エリカも何度かやってるし、愛もすぐに慣れるわよ。)



( GO!!! 笑 )


私は車の中に押し込まれて、謎の所へと向かった。



20分ほどでその場所へと到着した。ホワイトプレーンズという街で郊外都市のようなところだった。街並みを見るとビルやショッピングセンターも多く、アメリカにしては便利そうなところだ。


(ここは、いろいろなお店がたくさんあるのよ。映画館やショッピングセンターも充実してるし買い物も便利よ。車もそう使わないくても買い物に行けるから日本人も住んでるわよ。あ、まだ私、言ってなかったわね。 ジェシカ。よろしくね。)


到着したところは5階建てほどのビル。 ここでいったい何をするのか・・・


(さ、これに着替えて。このビルの地下に小さな部屋があるからそこで着替えるから。)


作業着を渡され、ジェシカと一緒にビルの地下に降りた。



(いやぁ、よく来たね。あ、エリカ、しばらく。元気してたか? お?この子かい?ルームメイトは?)


(うん、そう。日本から留学に来てる、愛よ。)


(こんにちわ。愛です・・)


(よく来た。俺はブラットだ。よろしくな。さ、着替えておいで。)



その男の人を見て驚き。体重100㎏は越してるだろうその体。色黒で腕には刺青もある。お腹もすごいが丸太のような太い腕。こんな腕にビンタされたら私なら首が折れてしまいそうだ。


(じゃ、着替えようか。)


女3人。上下作業着にチェンジ。 髪も後ろに結び体勢を整えた。


(よし、着替えたな。じゃ、これを付けたら開始だ。)


そう渡されたのは、長靴、ゴム手袋、それにお面みたいなやつ・・


(これは・・・?)


(これはね、防毒マスク。これ付けないと中毒症状起こす危険があるからね。)


中毒症状??? あの・・何をするんですか?


ブラットと一緒に一階にあがりビルの裏手に回った。


(さぁ、ここが今日の作業場だ。集中してやればすぐに終わるからな。じゃ、マスクして。)


ブラットが示したのは、一つのマンホール。 このマンホールが何???


(当たり前だけど、女の子はこんなこと初めてよね。だけど慣れると結構、楽しいもんよ。笑)


(エリカ、なんのお仕事?これ?)


こんな防毒マスクなんかつけるから、爆弾処理か毒ガスの中にでも入るのかと思ったが、どうやらこのマンホール違うみたいだ。


(フフフ・・・浄化槽よ。これ。)


は?浄化槽??? なんですか?それ?




浄化槽じょうかそうとは、水洗式便所と連結して、屎尿(糞および尿)および、それと併せて雑排水(生活に伴い発生する汚水、生活排水)を処理し、終末処理下水道以外に放流するための設備。





(う○このお掃除。笑 )


(へ? う○こ???)



(みんないいかい? 浄化槽は硫化水素が発生するから防毒マスクはしっかりと付けろよ。)



(硫化水素ってまさか自殺でも使う?)


(そうだ。日本でも洗剤を混ぜ合わせて自殺を図る事件があるだろう?それがこの浄化槽からも出るんだよ。酸欠にもなりかねないから危険なんだ。だからこのマスクだけはしっかりと付けないとな。)


私も、エリカも、ジェシカも装備万端。 浄化槽に溜まったう○こを吸い上げるバキュームカーも到着。太いホースをブラットが手にしてジェシカが高圧洗浄で水を流す。


(よし、行こうか!!)


ブラットのホースから吸い込むもの凄い音。それをマンホールに当てた。


ドッカン!! ホースの吸引力でマンホールの蓋が見事に空いた。凄い力だ。中を覗いた・・・ どす黒いものがビッシリと張り付いている。これ、まさか?


(う○こも、放っておくとこのように黒く固まってくるんだ。だから定期的にこうして吸い上げて清掃しないとトイレが詰まったり逆流したりして大変なんだよ。)


スポン!スポン!と音を立てながらホースがどす黒いう○こに当る。強い吸引力がビクともしない。


(ちょっと手ごわいな、エリカ、やってみるか?)


(貸してみて。やってみる。)


エリカにバトンタッチ。スポン!スポン! 勢いよくホースがう○こに当る。 とその時、割れ目ができた。


(よし。いいぞ。その調子だ。)


その割れ目から茶色い液状のモノが出てきた。 ゴォーーー すごい音で吸引されいくう○こ。


(この表面に固まってるのは(スカム)といって固形状の物なんだよ。早くいえばう○こだがな。笑。この表面を吸い取ったあとに液状の物をろ過するんだ。しっかりと見てなよ。)


どす黒い(スカム)がどんどん吸い上げられて液状の中には機械らしきものがある。


(この中には、ばっき槽というがあって固形物と液状物を分離するんだよ。ろ過装置やポンプなどもあってただ溜まってるだけではないんだ。これらをキレイにしてまた正常に機能させるんだ。それが俺らの役目さ。)


今まであったどす黒い(スカム)も無くなっていき、液状物も少しづつキレイになってきた。


(この白い虫みたいなのは何ですか?)


(これは、この浄化槽で発生する(チョウバエ)の幼虫だよ。これは殺虫剤で処分するんだ。)


ジェシカがタンクみたいなのを肩にかけてそのノズルを一気に浄化槽に向けた。強い勢いで殺虫剤が噴射される。


こうして作業をしていくうち、さっきまで目を伏せたくなった浄化槽もキレイに清掃された。


(仕上がりを見るといいだろう? こうすることでトイレも気持ちよく使えるってもんだ。笑。まだ一か所あるから愛もやってみるか?)


もう一つマンホールがあり、そこを私がやることになった。


(愛、こうだよ。こう持って・・)


エリカが補助してくれる。その横でジェシカがホースを持ってくれている。バキュームカーのおじさんが


(大丈夫か? 吸引入れるぞ。)


勢いよく吸引がスタート。ドカン!と、マンホールの蓋が一発で開いた。 ひゃぁーーー真っ黒で凄い。


さっきの(スカム)よりこっちのほうが厚みがありそうですごい。 スポン!スポン! 吸込み口が音を立ててスカムを攻撃する。息が荒くなり防毒マスクの中が曇ってきた。 スカムから割れ目が出来て液状物が出てきた。


(愛、その調子よ。もっと当てて。) 


ジェシカが煽るが、ちょっともう私には無理っぽい。さすがに20歳の小娘にはう○こは刺激が強い。


(私、リタイア。ジェシカ、変わってくれる?)


ジェシカに頼むことにした。そのときエリカが、


(何よ!愛、ティラミスだと思ってやればなんてことないわよ!)


と、私の手に重ねて補助してくれた。しかし、どう見ても私にはこの(スカム)はティラミスには見えん。


グォーーー  大きな吸込み音をたて(スカム)が吸い上げられていく。


ブラットも私の横で高圧洗浄をしながら浄化槽の中をキレイにしてジェシカも殺虫剤を散布し2つのマンホールの掃除は終了した。 ホースなど道具類をキレイに洗浄してバキュームカーのおじさんも処理場へと向かった。 


(どうだった?浄化槽の掃除は? いい経験したろ? 笑 )


(作業着のまま私の会社に来て、シャワー浴びたあとに着替えればいいわ。)


(愛もエリカも、今日は午前中で終わったからジェシカと一緒にランチすればいい。ちゃんと一日分の日当は出すから大丈夫だぞ。)



しかし、毎日、何気なしにトイレを使っていたけど、う○ことはいえ、こんなにも過程を経て処理をされてるなんてぜんぜん知らなかった。








































 









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