ビールとお肉
う●このお掃除も終わり、作業の道具なども片付け、一先ずブラットの自宅へと行くことにした。シャワーも入れるようで、それに食事もごちそうしてくれるらしい。 ひひひ・・
(エリカも愛も、疲れたろう? でも慣れてくると作業も楽しくなるぞ。笑)
私もマンホールの中を見たときには、正直【気絶】しそうになったが、ジェシカとエリカとやってるうちに少し楽しくなってきた。ま、エリカの言うように間違っても【う●こ】は【ティラミス】には見えんが・・・
(2人とも、ブラットの家に着いたらすぐにシャワーに入るといいわ。その間に着替えも用意しとくから。作業着も私服も全部、ランドリーにかけるから。)
ジェシカのおもてなしにも甘えることにし、少しゆっくりと休むことにした。
(さぁ、着いたぞ。家に入ったらすぐにシャワーに入るといい。)
ブラットの家は、【ウェストチェスター】という街にあり、モダンでどこか懐かしさを思わせるアパートメントに住んでいる。アメリカのアパートメントは日本にあるようなワンルームタイプの部屋とは違い、LDKのつくりになっており部屋もとても広い。 ブラットの部屋も5LDKもありずいぶんとゆとりのある生活をしているみたいだ。
(さ、脱いで。先に2人でシャワーに入るといいわ。私もすぐに行くから。)
ジェシカの気配りにはとても頭が下がる。
(俺はみんなが入ったあとに入るから、ゆっくりと体を洗うといい。)
エリカも私も、スッポンポンになりバスルームに入った。 このバスルームもただシャワーだけかと思っていたが浴槽もあり日本のお風呂とほぼ同じ作りになっている。それに広い。日本とはまるで別物だ。さっそく髪と体を洗い、このアメリカのお風呂にドボンと入った。 ひゃぁー、やっぱりお風呂は最高!!エリカもご満悦。
(楽しそうね。私も一緒に。)
ジェシカが入ってきた。作業着姿のときは分からなかったが裸の姿はすごい筋肉。お腹なんかバリバリに割れている・・
(すごい体・・・何かしてるの?)
(私、空手やってるのよ。それにボディビルもね。笑。)
空手??ボディビル???
(ジェシカは空手のインストラクターなのよ。それにウェイトトレーニングもしていて、大会なんかもでてるんだ。MUSCLE&FITNESSなんていう競技会とか。日本でもあるんじゃない?)
私は、こういう空手とかトレーニングなんてものは縁がないからよく分からないが・・・
(愛も、やってみたら? 笑)
いえ・・私しは・・・・(〃▽〃)
女3人、ワイワイとお風呂に入るのはとても楽しい。アメリカでも同じとは・・・
入浴タイムも終わり、ジェシカが用意してくれたT-シャツと短パンに着替えた。
(食事の用意はもう朝のうちに冷蔵庫に入ってるからなにもするこはないわ。ブラットのバスタイムが終わったら準備よ。)
(さぁ、俺の番だな。さっぱりとしてビールだぞ。笑)
(でも、ほんとに広い部屋だね。ブラットは一人で住んでるの?)
(以前は奥さんと子供と一緒にいたみたいだけど、今は一人みたいね。でも家族とはよく会ってるみたいよ。)
別居してもよく会ったりするのってどうも私は理解できないが、ここ最近、日本でもそういう家族があるしアメリカではごく普通のことなのかもしれない。
ブラットがバスタイムを終え、リビングに戻って何をするかと思いきや、足を床一面に広げペタンとお尻を落とした。
(すごい!!! 開脚ができるの?体操の選手みたいよ???)
(湯上りにはこういうふうに必ずストレッチをするんだ。疲れた筋肉をゆっくりとこう伸ばすんだよ。)
こんな巨体なのに、このしなやかな柔軟性、とても信じられん。
(ブラットは空手道場もやってるのよ。私はその道場で女性と子供にlessonしてるんだ。)
(愛、こっちに来てごらん。)
ブラットの部屋らしきところに入ると、白いものが目についた。胸のあたりに【極真会】と書道の字で刺繍が入っている。その横には額が飾ってあり日本人のような人の写真が入っている。
(この人は【マス・大山】という人でこの【極真空手】の創設者なんだ。【ゴッドハンド】とも言われていてアメリカだけでなく、海外に支部がたくさんあるんだ。そのうちの一つが俺の道場でもあるんだよ。)
(ブラットはこの道場の支部長よ。空手5段ですごいんだから。笑)
人は見かけによらないとはいうが、ブラットを見てほんとにそう思った。確かに【極真会】の空手着には黒い帯がかかっており、その帯には【 米国極真空手道連盟 ブラット・〇〇〇 】と日本語で刺繍されており、帯の下には金色の線が5本入っていた。
(さぁ、焼くぞ。たくさん食べろよ。笑)
ブラットが用意してくれたのは、バーベキュー。厚い肉はあたりまえ、ピーマンやネギなどの野菜、フランクフルトソーセージ、肉に合いそうな美味しそうなタレとサラダ、もう、よだれが止まらない。
(エリカも愛も、ビールくらい飲めるだろう?さ、準備して。)
ジェシカと私たちのグラスにビールを注いでくれた。
(よーし。乾杯だ!)
(乾杯!!!)
ハロウィンパーティーで初めてアルコールを口にしたが、そのおかげか【ビール】もそんなに悪くはない、いや、ほのかな苦みと炭酸がのどを潤してくれる。ビールってこんなに美味しいものなのか・・・ ラベルを見ると【Budweiser】というビールのようだ。
(ビールに肉ってほんとにピッタリよね。野菜も美味しいし。)
(仕事を終えてサッパリしてビールなんて最高だろう? ガツガツ食べろ。笑)
アメリカ人は、本当にアグレッシブだ。今日、初めて会ったというのにもう5年、10年と付き合いのあるような感じだ。それに全く、気を遣わない。 これが日本ならこうは行かないだろう。
(愛も俺の道場、一度、見に来いよ。空手の稽古もいいもんだよ。)
(どんな人たちが来てるの?)
(ジェシカは主に子供と女性のクラスを教えてるんだ。俺は障がい者と高齢者だよ。)
(障がい者? それに高齢者?)
(そうだ。目の見えない人、車いすの人、知的障害の人などいろいろだ。高齢者も60、70超えていても懸命に汗を流しに来ているよ。ジェシカのクラスもそうだが、アメリカでは【セルフディフェンス】を目的として空手をやってる人が多いんだ。)
セルフ‐ディフェンス(self-defense) 自己防衛・護身術という意味。
(でも、車いすとか目が見えないって・・・稽古できるんですか?)
(もちろんできるさ。俺は障がい者だから、高齢者だからといって優しくは教えない。むしろ健常者より厳しくしてるつもりだ。だから生徒たちも黒帯を目指して必死に努力してるんだ。その目標を達成できたとき今までとは違う【何か】を得るんだろうな。目の輝きが違うんだよ。 障がい者、高齢者も黒帯の有段者はうちの道場にはたくさんいるぞ。)
(ねぇ、愛、見に行ってみようよ。私も行きたい。)
空手ですか・・・・




