記憶の断片
首を切り落とした。
いつも通り、習慣のように、惰性で。
そんな事をしても殺せない事はわかっていた。
それでも今日もその首を叩き切る。
切り落とした首を見つめて、それを床に叩きつけるように投げ捨てた。
何故か。
目に入った薄い色素の唇。
半開きになったそれを自らのそれで塞ぎ、貪りそうになったからだ。
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殺す、と彼は言った。
あの日を境に彼は私を犯すのをやめた。
あの日を境に彼は私を殺し続けた。
私の願いを知って、それでもそうする彼はきっと、なんだかんだ言っていい奴なのだろう。
首を切り落とされる直前、思わず笑みがこぼれていた。
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母に手を掛けた父が、母が意識を手放している間、その手を握りしめていたことも。
父に手を掛けられる直前に、母が静かに笑っていたことも。
私だけがその理由を知り、理解していた。
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