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ルンルンの報われない想い

「じゃあ、これからよろしくお願いしますわ。ヨシヨシ」

「・・・はい」

満面の笑みでクレイドルに、たった今、決まった名前を呼ばれて、微妙な顔をする吉人・・・改め、ヨシヨシ。

その顔は、いいですとか言わなきゃよかったという顔をしている。

「まー、もう戒名できないし腹をくくったら?ヨシヨシ?」

ルンルンは、その表情からヨシヨシの内情を読みとって、クスクスとからかうように笑う。

「・・・他人事だと思って」

そんなルンルンに、顔を渋くするヨシヨシ。

「ねー、ヨシヨシとルンルンって仲良しさんなの??」

すると、リンリンが楽しそうに二人のやり取りを見ながらそんなことを尋ねてきた。

「えっ!?」

「はっ!?」

当然、当の本人たちは思ってもないことを言われて素っ頓狂な声を上げる。ヨシヨシはいいとして、珍しくルンルンまでもが同じ反応だ。

「まあ。ふふ。そうなの。この二人はね、大の仲良しさんなのよ?」

いたずらを思いついた子供のような無邪気な顔をして、驚いて質問に答えられない二人に代わって、クレイドルが答えた。

「そうなんだあー!!良かったねぇ、ヨシヨシ」

どうやら、子供ながらに異世界にやってきたばかりのヨシヨシの事を心配してくれていたらしい。心底、嬉しそうで安心している表情を浮かべた。

「そうね、良かったわね」

クスクスとクレイドルは二人の様子を見ながら笑う。

「・・・・・・クレイドル、笑いすぎじゃない?」

驚きから戻ったのか、ルンルンの方がヨシヨシよりも先に口を開いた。

「まあ、そうかしら?でも、本当に二人とも仲良しさんに見えるわよ?」

さっきの仕返しとばかりに、クレイドルはこれでもか、とルンルンをいじめる。

「あ~、そんなこと言っていいのかなあ~?あのこと、メイメイに言っちゃうよ~?」

しかし、すぐにルンルンは通常運転を始め、逆襲とばかりにクレイドルを笑顔で脅す。

「なっなんのことかしら。全く身に覚えがないのだけれど!?」

クレイドルは、まんまとルンルンの罠に引っ掛かり、形勢逆転され今度はクレイドルがいじめられる側に。

「ねー、もしかして二人ともこいびとさんー?」

「「はああああっっ!?」」

今度は、リンリンの無邪気な質問に、ルンルンとクレイドルが驚く番だった。

「え~?違うのー?だって、お母さん言ってたもん。お父さんとけんかするのは、お互い好きだからだって」

キラキラな瞳をして、二人を見る。

どうあっても、二人を恋人同士にしたいらしい。

「だから、けんかする二人ってこいびとか、ふうふかなー?って。でも、二人ともまだお母さんたちみたいにゆびわはめてないし、ならこいびとさんかなー?って」

「・・・あのね、リンちゃん。この男と私は、因縁のライバルなの、敵なの、邪魔者なの!!」

日ごろの鬱憤を思い出したのか、クレイドルはどんどん険しい顔になり、声を荒らげていった。

「いつもいつもいつも、メイメイと私の邪魔をしてくれますの。だから、世界が終わっても、槍が降っても、天と地がひっくり返っても、私がこの男を好きになるなんてありえませんわ!!」

握りこぶしを作り、憎々しげに吐き捨てる。

いつだって、メイメイの隣にいて近寄れば邪魔をして。そんなルンルンを羨ましいと何度思ったか。何度、殺そうと計画したか。しかし、それではメイメイが悲しむと計画を潰してきた。それくらいは憎い。

でも、クレイドルは、憎いルンルンと喧嘩するのを楽しいと思っていた。好き放題、気にせずに言えるのはルンルンしかいないから。けど、決して好きにはならない。それは絶対。

「・・・そんなに嫌われてるのか」

ヨシヨシの隣で、ヨシヨシにも耳を澄まさなければ聞こえないぐらい小さな声で、ルンルンは呟いた。

流石に、そんな声が聞こえてしまばヨシヨシだって正気に戻る。

心配そうにルンルンを見ると、その視線はクレイドルに注がれていた。


今回はなんか、ルンルン可哀想です。

まあ、ルンルンの方が好きになったのは遅いですからね。でも、時間じゃありませんが。

しかし、それにしてもクレイドルのいい方は酷いですね。というか、憎いんですって・・・。それほどまでメイメイを愛してしまったのですね。


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