聖護邸の中へ。
「あそこが、村長の邸だよ。こっからでも、大きく見えるよね」
何やら、意味深げな笑みを浮かべてルンルンはそう言った。
「じゃ、行こっか」
質問をする暇を与えず、ルンルンは先に進んだ。
「・・・・・?」
今まで、そんなに長いことルンルンと付き合っていないが、しかし、今までの感じから言うと、恐らく、吉人にとって良くないことを考えている、と推察できる。
それが、なんのことだか分からないから、吉人は質問はせず首をかしげることにとどめた。
そうして、村の真ん中をどんどん突き進んでいくと、森に入った。
「あれ・・・?森なんて・・・」
入口の所で見たが、聖護邸の近くになんて、森はなかった。
森があったとしたら、山の斜面にあるわけでもない、聖護邸が見えるはずがない。しかし、実際には、森があり、今度は聖護邸が見えない。
「森の方があったんだよ」
ぽつりと、吉人の呟きに対して、答えを言う。
その顔は、とっても意地の悪い笑みを浮かべていた。
「もしかして、ウソを教えていたのか!?」
「・・・そんなわけないでしょ。嘘なんて、僕が一番大っ嫌いな言葉だよ」
吐き捨てるように、ルンルンは言った。
恐らく、過去に嘘をつかれてとても辛い目に遭ったことがあるんだろう。
その顔は、憎しみで歪んでいた。
「・・・っと、取り乱しちゃった。ゴメンね。もう、弱虫君のせいだからね」
「何が?」
「そっれわあ、教えない~。で、嘘吐いてたわけじゃないんだよ?でも、ここに初めてくる人間が必ず掛る、魔法なんだよね。だから、僕の目には、大きな聖護邸が森に見えたわけ。だから、あんなに大きかったんだよ」
種明かしをするように、話し出す。
とっても、愉快そうだ。
イタズラが成功した子供のように無邪気に笑う。
「あと、もう少しだからね~。いやあ、僕も初めて来たときもそうだったな~。懐かしいな~」
過去を振り返るように、ルンルンは目を細める。
ルンルンが、初めて来た時も、吉人のように森が聖護邸に見えた。
それを、なんだか愉快そうにメイメイが笑い、種明かしをされた。
そして、吉人と同じように驚き、少し、悔しかった。
でも、それは今では、楽しい思い出の一つだ。
「さあて、そろそろだよ」
そう、ルンルンが言った瞬間、ピンクの花びらが一斉にどこからか散って、吉人達の視界を阻んだ。
「うわっ!」
花びらが、一斉に散ってくるもんだから、吉人は腕で目を庇い、コケないように気を張った。
「そうそう。僕も、そうやって驚いたよ~」
吉人とは正反対にルンルンは、この状況を楽しんでいる。
「もう、目を開けていいよ」
どれくらい経っただろうか。
ルンルンが、肩を数回、優しく叩いた。
「うん・・・」
言われた通り、吉人は目を開ける。
「なんでっっ・・・!?」
目を開けると、そこは邸の中だった。
「はい、聖護邸へようこそ~。新たなこの村の住人、吉良沢吉人君」
吉人の前で、ルンルンが礼をした。
実は、村の入り口から見えていた聖護邸は森だったんです。
驚きっっ!!!
私も、凄い驚いてます。。。。
まさか、森だったとは・・・・。
はい。村長登場!?です。




