夢でなく現実
僕の名前は紗雨花流、天才(自称)だ。
そんな僕は今、扉の向こうの光景を信じられずにいる。
それは──
「【あっ……】」
僕の姿をした人形を解体にされていたことだ。
僕は一回扉を静かに閉め、整理する。
(『…まさかね?僕が便利アイテム作ってる間にね?
解体してるわけないよね?…ないよな?…ないと言え?』)
…そう、これは夢。
そうだよ、夢だよ夢。
僕の思い込みが作った夢、幻だ。
もう一度開ければ僕が出ていったときと同じ景色。
さぁ、開けようじゃないか。
・ ・ ・
「【………】」
…どうする?
最悪なことに、花流に解体していることを見られてしまった。
「お、おい、どうする?このままだと俺たち二人とも不味いぞ」
そう、ナーヤの方に視線を向けると、
【我は止めたのじゃ、全ては此奴がやった。
…よし、これでいくのじゃ】
訂正、一人だけ不味い。
……やってやろうじゃねぇか。
逆境上等っ!一か八か、どうにでもなれいっ!
「(…収納!)」
【?】
俺は早口で呟き、バラバラになった人形の破片をしまった。
「(…遡行!)」
間髪入れず、人形をバラす前へと戻していく。
(間に合え…!)
もう目の前のドアからうっすらと光が漏れていた。
・ ・ ・
扉を開けた先には──
『あれ?』
私が出ていったときと何も変わらない?
じゃあさっきのはやっぱり幻…?
「お…おう、花流。用事は済んだのか?」
『え?…あぁ…済んだんだけど…』
あっれぇ―?ほんとに見間違いだった?
ん―?でも確かに人形には何も……
『…あれ?少し軽くなった?……それに黒目がないよ─』
「さぁさぁさぁ花流さんっ!!
君が作りにいって出来上がったアイテムを見せてもらおうじゃあないかっ!」
『…あいや…その前にこれ─』
「いいからいいから……ほら、ナーヤも聞きたそうだし」
【ん?あー、我は別に──ゔっ!】
「(いいから口裏合わせろよ。察せっ!)」
【(…え?…あぁ…すまぬ…じゃが、だからといって脇腹に強烈なのを入れんでも…)】
「(いいからやれっ)」
【……やはり我も聞こうかの。主の作ったものに興味がある(脇腹サスサス、イテテッ)】
『あ、ほんと〜!?も〜…しょーがないなぁ。そんなに聞きたいのかぁ。まったく〜///』
なんか2人で喋ってた気がしたけど、珍しく自分の話に興味を持っていたのが嬉しくて、そんな疑問はどこか遠くへ吹っ飛んでった花流であった。




