第六十八話 魔導の塔と風の少年シルフ
精霊シルフと名乗った少年が放った風で僕は壁まで吹き飛ばされていた。
何か攻撃をされたことに気がつく余裕もなかった。
「こ、これは」
気がついたら、壁に飛ばされ
ダメージを受けていた。
背中が痛い。
「しかし、痛いのはいいけど、気がつかないほどの速さの攻撃はヤバイ」
ほんとは痛いのも嫌だけど、
攻撃されたのも気がつかないほどの鋭い攻撃だと、
原理的に一生受け続けることになる。
避ける方法はないのか。
なんとか立ち上がりながら反撃の方法を考える。
「どう、ナオヤくん?僕の攻撃は」
シルフは笑って、そう言った。
「スゴイっす」
僕は単純にそう答えた。見えないほどの攻撃たしかにすごい。
「ふふ、そうでしょ!」
鼻を鳴らしてシルフくんがそう言った。
態度は生意気な少年そのものだ。
しかし、能力はほんとに高い。
このままだと負けてしまう。何か考えなければ。
「おらァ!!」
僕とシルフくんがしゃべっているところにガルクが襲いかかった。
「ふふ、お行儀が悪いね!話し中だよ!」
そう言いながら、ガルクに向けて手を出した。
瞬間、ガルクが壁まで吹き飛ばされた。
「ちくしょォ」
ガルクは壁に飛ばされ、腰をついた。
剣を杖のように使い立ち上がろうとしている。
あのガルクすら、一瞬で吹き飛ばすほどの威力。
「やはり、いきなり四大精霊であるシルフは強すぎる。レベル設計間違ってるって、この塔」
「ふふふ、この先はもっと大変だよ!ナオヤくん!ここで引き返す?」
「まさか」
僕は笑った。
「君を倒して先に行くよ」
「ふふ、そうこなくっちゃ」
シルフは楽しそうに笑った。
僕も楽しくなってきた。
とはいうものの、圧倒的な強さだ。
どうするかな。
いままでの階はほぼホブゴブリンでゆっくりした動きをする相手だった。
こんどはいきなり、超高速攻撃をしてくる相手だ。
「まぁ、とりあえず、ここからだな」
右手をシルフの方に向け魔法を放った。
「ファイヤー(mp小、スピード速)」
火の玉を放った。
まずは先制として攻撃を放つ。
火と風の相性が悪いのはわかっていたが、
まずはここからだ。
「バーリア!」
シルフはそう言って体の回りに風のバリアを作った。
一瞬で火の玉は消えた。
「やっぱり火と風は相性が悪いか」
あたりまえの事を確かめ次の手を打つ。
「ワープ!」
僕はオーラをまとい、シルフのそばにワープした。
「アイスソード」
右手に氷の剣をまとい、シルフに向かって抜いた。
さっとシルフは避けた。
「ナオヤくん君ねえ」
シルフは生意気な少年そのままに言った。
「君の体術で僕に攻撃が当たるわけないでしょ」
氷の剣を避けて、蹴りを入れてきた。
「そうですよねぇ」
吹き飛ばされた僕はそう言った。
そして、シルフの足元を見ていた。
「ははは、やるなぁ」
シルフは悔しそうに笑った。
僕は、彼が僕を蹴る一瞬の接触時に足に冷凍魔法をかけていた。




