第五十〇話 魔法のコントロール
「おっとっと」
ワープではるか上空に飛び、そこから降りてきた。
この時に無防備に着地してしまうと死んでしまうので、全身にオーラをまとい、空中浮遊をして着地した。
以前、ジージ師匠を抱えて飛んだ時の50メートルより遥かに高く飛んだ、なので、落下速度は前回と比べ物にならないほど速い。
どのくらい速いかというと計算できる。
高校物理でならうmgh=1/2mv^2だ。つまり(重さ×重力加速度×高さ)=1/2(重さ×速さの二乗)。2倍の高さに飛んだら。1.4倍の速度になる。計算式は便利だ。
ただ体感速度はこんなものではない。
カートとかに乗るとわかるのだけど、同じスピードが出ていても、乗用車にのるのと、風を感じるカートに乗るのでは、感じ方が全く違う。だから、かなり早く感じる。
はっきり言ってめちゃくちゃ怖い。
そもそも人はこんな高さから飛び降りては行けない。
魔法使いだから許される所業だ。
だから楽しいとも言えるが。
いままでできなかったことが、できるようになるのは、いつだって楽しいものだ。
ただ、かなり危険といえる。
修行により出力が上がっている。
もっと繊細なコントロールが必要だ。
魔法使いは常に、死と隣合わせであることを深く自分に刻み込む必要がある。高出力の魔法を使うたびに強く思う。画面上のプログラムとは違って、肉体はコントロール+Zで簡単にアンドゥーなどできない。
現実世界は、疲れるし、お腹もすくし、回復しない。
と思ったけど、いや待てよ、そういえば回復魔法使えるんだった。
そうか、高出力に対して、福利厚生として回復魔法がついてるのか、神様やるね!
とふと、この世界に飛ばした、神様の事を思い出した。
そういえば、元の世界に戻れないのかな。
魔法を極めたら戻れるみたいなボーナスはないのだろうか。
そういう情報ももしかしたら大魔導師なら知っているかもしれない。
とにかく魔導の塔を目指すというのは悪くない。
「フォッフォッフォ、ナオヤよかなり上達しておるな」
「ありがとうございます。こちらの修行で、かなり魔法力があがったようです」
来た時とはまったく別の魔法力になってると言える。
本当に来てよかった。修行は死ぬほど辛かった。実際気を失ったし。
「そろそろ最終訓練にするかのぉ、ラクスとガルクもそろそろ準備ができたようじゃ」
「はい!よろしくお願いします!」
最終修行、一体なにをやるのだろう。楽しみだ。
最後は実践的なものだろうか?基礎力が向上してきたいま最後にやるべきことは、これらの組み合せだろう。
いったいどういう修行をやるのだろうか。
僕はわくわくしていた。
「最終訓練はミコルと戦う!じゃ」
ジージ師匠は事もなげに、そう言った。
このかよわい女の子と戦うのか、それは危険すぎる。
「よろしくだよ!おにいちゃん」




