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blood ~ネコミミ~

~前回のあらすじ~

朱雀慶斗専用女装委員会発足!


~予告~

赤い液体が…

 僕は泣いている。目の前では、己の持てる力を駆使して戦う僕の義姉と義妹。人間のスピードではないその技に、周囲の女子の一部は感嘆し、他の女子は目を回している。だけど僕にはそんな事を気にしている余裕が無い。全ての男子は鼻血を流して倒れ伏している。教室の床は赤い液体で塗れている。特に翔太からの出血が相当酷いみたい。ざまみろ☆ って言いたいけど、僕はそんな気分じゃないよ…。

「けー君の耳が増えた~。」

「慶斗ぉ。可愛いよぉ。」

 いつもの事ながら、僕の耳をハミハミする夢。そして、僕を羞恥の奥底に閉じ込めようとする渚。このカオス空間を作り上げたのは、他でもない僕。ううん、詳しく言えば僕は使われた…。


―10分程度前。

「はっ、たっ、とうっ!王手チェックメイト秘儀!クラッシュキーック!」

「ネコッ!にゃにゃにゃっ!」

 二人の技が衝突する。多大な衝撃波が走る。当然の如く吹き飛ばされる僕。

「ケイ!いつでも俺の胸に飛び込んで来い!」

 何か叫んでる翔太の頭を蹴って、何とか体勢を立て直した僕。しかし、その時腕をガッチリとホールドされてしまった。だ、誰っ!?

「捕まえましたわ~。朱雀ちゃん。」

 ヤバイ!迂闊だった。そのまま引き摺られるようにして教室を連れ出される。他の皆は二人の戦闘から目が離せないみたいだ…。うぅ…。今まで空き教室だった所に連れて行かれる。チラッと見たら、“朱雀ちゃん専用女装委員会室”と書かれてる!何で数分前に会長が宣言した事が実行されてるの!!教室の中には、何かたくさん服が置いてあって、目をキラキラさせた女子の皆さんが…。一年生から三年生までいる。

「さぁ!朱雀ちゃんを幸せにしましょう!」

「はい!」

 やめて~!僕を裸に剥こうとする人たちを無理矢理引き剥がして逃亡を図る。

「泉さん!魔法の使用を許可します!」

 無口そうな女子が出てきた。杖を片手にそれを振り下ろす。すると猛吹雪が!え、なんで魔法が使えるの!?

「企業秘密…」

 心を読まないで!僕は肩からゴロちゃんを引き離し、嫌がるのを無視して吹雪の方にぶつけた。ごめん、ゴロちゃん。氷付けになったゴロちゃんを置き去りに、僕は教室を抜け出した。

「待って!朱雀ちゃん。…泉さん、せめてコレだけでも。」

「了解」

 頭に何かが装着される感覚、ふと立ち止まって頭を触ってみた。フワフワした感覚。携帯のディスプレイで確認してみたら…

「三種の神器の一つ、“ネコミミ”ですわ。」

 外れない、外れない…。これは魔法のせいなのか…?

「さぁ、クラスの皆とご対面といきましょう。」

「やだ~!」

 じたばたする僕を押さえつけ、再び引きずられながら我らが教室へ。そこでは今だ義姉妹の勝負が続いていた。

「はい、みなさ~ん。こちらをご注目ください。」

 しかし、皆はまったく振り向かない。二人の勝負に見入ってるようだ。よかった…。

「朱雀ちゃんが女の子宣言…」

 ポツリと呟いた委員会の人。すると過剰に反応した男子が一人。翔太だった。

「何!俺のケイが?な、なんと…、ケイ、それは反則じゃないか…」

 鼻血を撒き散らしながら倒れた翔太。それに気付き、他の皆が振り向いた。次の瞬間男子は鼻血を垂らし、翔太の後に続いてこの世を旅立った。クラスの女子も顔を赤くしてる。

「可愛いぃぃぃぃ!」

 ライフル弾の如く突っ込んでくる人影。突然のこと過ぎて、僕はそれをまともに食らってしまう。黒板に後頭部を強打してしまった。

「反則だよ、慶斗…」

 やたらと摺り付いてくる渚。しっかり僕を捕まえて、耳をハミハミし始めた夢。そして、今に至る。


「けー君の耳が増えた~。」

「慶斗ぉ。可愛いよぉ~。」

 泣いていいですか?この地獄絵図、先生にどう説明すれば…


「授業を始めるでおじゃる。」

 あ、とうとう来ちゃった。国語の“おじゃる先生”。もちろんあだ名。本名は…、この際どうでもいいよね。

「すまなかったでおじゃる。教室を間違えたようじゃ…」

 おじゃる先生は、“何も見てないでおじゃるよ…”と言って、去って行ってしまった。

・泉可憐の交換日記

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