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recording ~チートと獣~

~前回のあらすじ~

怪しげな五人戦隊と、変体シルバーが現れた。


~予告~

今回は首領と幹部が登場

 あの後、玄関の靴箱の前で“やっと来ましたわね、朱雀慶斗。この首領が直々に…”とか言ってる瀬波さんがいた。あなたもですか?

今日は特別授業、なんと全教科がある。以前にも一回あったけど、その日はすごく疲れた。この学校の先生、変わり者ばかりだからなぁ…。留美と教室近くで別れて、渚と夢と教室に入る。その後ろから“放置プレイか、慶斗!”とか言ってきた変態しょうたがいたので、殴り飛ばしておきました。逝ってらっしゃい☆

「ホームルームの勃発だ!」

 我らが担任、護国鬼一郎先生が入ってきた。全員が国旗と先生に敬礼をする。これには慣れた。嫌だけどね。今だ渚はネコを持っているので、僕の机にはゴロちゃんが座っている。因みにクラスの全員が、ゴロちゃんが動く事は知ってるので、特に驚きもしない。…例え、クッキーを食べてたとしても。

「カシューナッツは癖になる。そう思わんか?朱雀よ。」

「なかなかマニアだね。僕はオーソドックスにチョコなんだ。」

 動くテディベアと他愛も無い会話をするなんて、もしかしたら僕だけかもしれない。十分に食べたのか、机の上で軽いストレッチを始めたゴロちゃん。その時、僕の机の上に影が躍った。詳しく言えば、黒猫のぞみが来た。そのままゴロちゃんに飛び掛る。そっか、まだ人間に戻れないからゴロちゃんに八つ当たりしてる訳ね。

「希、だめだよ。」

 自称史上最強メイドを自負する希。その力は自称仙人のゴロちゃんと互角のものだった。お互い短い手足ながらもパンチキック、目からビームを放って戦っている。あれ?まぁいいや。攻撃方法にこだわってたらダメダメ。だって、二人は文字通り人間離れしてるんだから。

「にゃ、にゃ、ネコパンチ!」

「ふん、はっ、ベアキック!」

 ネコが喋れないはずの人間語を喋ったのは、この際良い事にしておこう。僕は、ネコとクマの首根っこを掴んだ。まったく…

「二人ともいい加減にしてね。そうしないと…」

 僕の笑いに二匹の小動物の動きが止まった。ヤレヤレ…。

「渚、どっちか持ってって。」

 もちろんのこと、渚はネコを持ってった。


 さて、朝のホームルームは僕の知らない間に終わっていて、休み時間となる。そして、来たよ…。

「朱雀ちゃん。今日こそお着替えを…」

「いやだ~!」

 現れた先輩方+瀬波さん。因みに希は“小波”だよ。麒麟さんと相対する組織の方々。今朝現れた何とかレンジャーの幹部の人たち。

「なんで嫌がるのですか?女装はあなたの生活をハッピーに変えるんですよ!?」

「そんな幸せはいりません。渚と夢がいてくれれば僕は十分幸せですから。」

 そう言うと、“ひ、卑怯だよ~”と言って倒れ崩れる二人。え、だから僕は何か悪い事言ったの?僕の周りの女子って、みんな前触れも無く突拍子な事やりだすから困ります…。

「朱雀、これも言ったと思うが、お前も昔のわしみたいじゃな。」

 別に僕は仙人じゃないんだけど…。

「おのれ…、またもや私の渚と夢をたぶらかして…。許せませんわ!」

「け、慶斗!俺の名前が入っていないのは何故だ!新しいプレイか?贔屓ひいきプレイだとでも…グワゥ!」

 アブラカタブラ言ってる瀬波さんは無視して、翔太は殴っておいた。何がプレイだよ。こっちはお遊びしてる場合じゃないの。

「みんな、朱雀ちゃんを拘束しなさい!こうなったら強硬手段でいくわよ!」

『はい!』

 周りを取り囲んだ先輩方。翔太は気絶中、渚と夢は顔を真っ赤にしてヘナヘナしてる。誰も僕を助けてくれないの!?クラスの皆、か弱きクラスメートが危機に瀕してるのに!

「…朱雀の女装、実は見てみたかったんだよな…」

「…いやいや、もしかしたら実は男装してるのかもしれないぞ?」

「…俺、インスタントカメラ持ってる。一枚500円で買わないか?」

 殺す!絶対後でグチャグチャにしてやるぅ!そう誓った。それに何?僕の女装の写真が一枚たったの500円?僕の貞操はそんなに安いんですか!


「あれ?お兄が楽しそうなことしますぅ♪」

 教室にピョコっと顔を出したのは、留美だった。留美、これのどこが楽しそうに見えるの?カオスだよ、貞操の危機だよ!はうぅぅ…。

「お兄、地理の教科書貸してくださいですぅ。」

「この人たち追い払ってくれたらね。」

 “分かったですぅ”と簡単に肯定の返事をくれた留美。そうだ、留美って怪しげな我流武術のチート少女だったっけ。それなら助けて…

「我が弟を危機に晒すのはあなた達ね!」

 続いて現れた生徒会長。名前は大西雅。そうです!この人たち怪しげな非公認クラブを作って、僕を襲うんです!助けてください!

「“お姉たん”と涙目で呼んでくれたら、助けてあげる。」

 体がわなわな震えてきた。どちらにしろ、僕は大切なものを失ってしまいそうじゃないか…。“あ、だったら留美もハグハグして欲しいですぅ”と言ってる人が増えちゃったじゃないか!

「生徒会長!少しお話が…」

 非公認クラブの人が会長を呼ぶ。お願い、なんとか僕を助けて!

 だけど、事は予想外の方向に転がっていった。なにやら会長がどんどん顔を赤くしている。え、何を話しているの?

「決めた!私も慶斗の女装に一票。ついでに、“慶斗専属女装クラブ”を正式に認可し、委員会とする事を宣言します。」

 クラスが歓声に包まれる。かいちょー!何言ってるんですか!僕の味方じゃないんですか?

「弟の女装姿の写真集…」

 ポツリと会長の言った言葉を聞き逃さなかった。そ、そんな物で僕を売るんですか!?えぇい、こうなったら恥じも何でも捨ててやる!

「お、おぉぉ、お姉たん!」

「!!」

 反応した。

「お姉たん。僕を助けてよ!お姉たんだけが頼りなんだよ?」

「慶斗が私をお姉たんって…。決めた!やっぱり私は我が弟の味方よ!」

 やった。これで常人離れした戦力を二人分確保できた。


「ポチッとな。録音完了。生徒会長、こちら側について頂けるなら、この音声データのコピーを差し上げます。CDでもiP○dでも、何でも良いですわ。」

「そ、それは今の台詞を何度でも聞けるという事なの!?」

「はい、勿論ですわ♪」

 抜かったぁ!相手が一枚上手だった。不用意にあんな言葉を喋ったから…。生徒会長は完全にあっちサイドに行ってしまった様子。この状況、確実に不利だ…。

「倉元さん、あなたも写真集と音声データ。差し上げてもいいですよ。その代わりこちら側に…」

「いいです!」

 きっぱりと言った留美。う、嬉しくて涙が出てきそう…。ありがとう、留美。

「お兄が女装したら、留美はお兄を“おねぇ”って呼ばなくてはいけないのですぅ。そんなの留美は嫌ですぅ。」

 理由はなんだか変だけど、兎に角ありがとう、留美!

「ふぅん。じゃ、私とは敵対関係なのね、倉元留美ちゃん。慶斗の妹設定があるなら、私とは義姉妹と言った感じかな?格上って奴を見せてあげる。」

「さっきも言った通り、留美は“お姉”と呼ぶのが嫌ですぅ。だから全世界の師匠の名に掛けて、あなたを倒すですぅ。」

 留美の戦う理由が意味不明だけど、何も言わない事にしておく。だって、ぼくの唯一の味方だから。

 こうして、チート少女と獣使いの戦いの火蓋が切って落とされた。

・大西雅の交換日記

弟の存在を我が物にするため、妹よ覚悟しなさい!

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