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color ~お着替え戦隊~

~前回のあらすじ~

ゴロちゃんは天に召されました。


~予告~

五人揃って…


※間違って昨日投稿したものです。

 あの後、留美は自分の意志で人間態に戻ったり、猫の姿になったりする事が可能である事が判明した。僕の無性にネコを可愛がりたくなる癖を知ってか、

「これで気兼ねなく、お兄に撫で撫でしてもらえるですぅ。」

 と上機嫌で帰っていったのだった。頼みます、留美の本当のお兄さん。早く帰ってきてください。留美と僕の為に…。


 土曜日、早速ネコ、もとい希用にベッドを買ってきた。ペットショップって何でも揃ってるね、感心感心。そしてとうとう、週末中に希は人間の姿に戻る事はなかった。日曜日に一回渚の家を訪ねて、ゴロちゃんと面会しようとしたんだけど、渚が多忙らしく、ゴロちゃんはその手伝いをしてるとか。なので会う事は出来なかった。家の置くから、“朱雀~、助けてくれ~。”と言う声が聞こえたけど、気にしない気にしない♪あ、後、これからも渚が朝食作りに来てくれるって。やった!そしてゴロちゃん、ドンマイ☆


「慶斗~、起きて~。朝だよ、あ~さ~。」

 僕はアーサー王じゃないよ?あれ?このネタ一番最初に使った気がするけど、気にしない。

「おはよう、渚。」

「朝食できたよ。あのメイドさんも起こしてくるね。」

 タオルを僕に手渡して、希の部屋に向う渚。あれ?何か忘れてる気がする。でも、いいか。“可愛いぃ!!”と渚が叫んでるが、気にしないで洗顔を続ける僕だった。

 いつもの様に渚と二人で登校する。僕の肩にはゴロちゃん、渚の腕の中では、グッタリとする黒猫がいた。因みに、希だよ。朝見つけて、やっぱり反応した渚はネコを抱きしめて止まない。いつも渚の肩に乗ってるゴロちゃんは、立場を奪われた様だ。

「週末は大変だったが、こうも冷めると逆に寂しいな…」

「淋死しないでね、ゴロちゃん。」

 無駄に可愛いゴロちゃんであった。

「けー君、渚ぁ!おはよ~。」

 夢のご登場。今日も元気良いね。走って追いついて並んで歩く夢。お互いに挨拶を交わす。

「あれ?渚、ネコ飼い始めたの?」

「違うよ。これ慶斗のメイドさん。だけど私のペット。ゴロちゃんの宿敵。」

 簡潔に希の紹介をする渚。いやいや、色々違うんだけど。何?ゴロちゃんの宿敵って?

「あぁ、夢。このネコは本当は人間で、名前は小波希。僕の爺ちゃんが雇ってくれたメイドさんなんだって。それで、今ネコの姿なのはゴロちゃんの仙人術の為。月の光を浴びると元に戻るんだって。」

 折角だから、そんな設定を作ってもいいよね?楽しそうだし。ってか、本当になりそうなのが怖い。

「ふぅん。よろしくね、希。」

「にゃぁ~」

 学校に向って歩く僕ら。校門が見えてきた。毎日恒例の生徒会員による朝の挨拶運動。ここでも僕は…。

「おはよう。わが弟よ!」

「おはようございます。生徒会長。」

「お姉ちゃんと呼びなさい。」

 大西雅。通称、生徒会長や“獣使い”などと呼ばれる凄腕の三年生。遥を一撃で破ったあの技は忘れもしない。前にも話したけど、自分の深層意識から動物の記憶を呼び覚まして、それを自己に貼り付けているらしい。そんな事を思ってるうちに、僕は捕獲されてしまう。

「う~ん。私の可愛い弟。オリエンテーション期間中は会えなくて寂しかったよ~。あれ?そこ!動物の持ち込みは禁止よ。」

 渚を見て生徒会長が叫ぶ。渚はムスッとするし、ゴロちゃんは僕の肩の上でギクッとなる。

「会長、これも動物ですから預かってください。」

 僕は惜しげもなくゴロちゃんを手渡す。だって、肩こるんだもん。ジジくさいとか言わないで。僕は正真正銘のお爺ちゃん子だから。癖とかも爺ちゃん譲りだったりする。

「慶斗は特例だ。それにそれは人形だろ?まったく可愛い奴め。このこの~。」

 会長、仕事をしてください。

「人形で遊ぶ慶斗とか、萌え…」

 ガスドガボコグシッベガ…。何時になったら君は学習するんだい?翔太。あの日から全然進歩してないじゃないか。

「君に対する愛なら、十分進歩してるはずだ。」

 死ね☆ 地上の星と化した翔太は、女子の手厚い介抱を受けながら、“天国”と呟いていた。

「にゃぁ」

 学校の門柱から、一匹の白猫が飛び降りた。まっすぐ僕へ向ってくる。慌ててキャッチした。ってか、僕はこのネコに見覚えが…。

「お兄、おはようですぅ」

「やっぱり留美か。おはよう。人間に戻ったら?」

「お兄の朝の撫で撫でをしてもらったら、基に戻るですぅ。」

 別に、ネコを撫でるくらいなら…。と軽い気持ちで留美ねこを撫でる。あぁ、この柔らかさと暖かさってたまらない。十分に満足したのか、ゴロゴロと喉を鳴らしてから、地面に降りた。そこで光がまとわれ、それが晴れると制服を着た留美が立っていた。

「改めておはようですぅ。」

「おはよう、留美。」

 周囲の人たちも何も驚かない。順応性が高いって、良いね♪


 生徒会長には適当に言って、ゴロちゃんと希は学校に入ってきた。生徒玄関へ向おうとするんだけど…。

「来たな、朱雀慶斗。さぁ、俺様に“萌えの称号”を渡すがいい!」

 麒麟さんだった。オリエンテーションの時に、マシュマロを投げつけて来たあのボーイッシュな女子ね。それに、僕はそんな称号持ってないから!

「止めたまえ、我が愛しの慶斗に手を出すのは!」

 翔太が復活&再登場。麒麟に勇敢に立ち向っていくが、回転蹴り、そして後ろ回転蹴りの連続二発の蹴りを受けて吹っ飛ばされた。すごい、彼女なかなかやるね。

「さぁ、邪魔者はいない。お前のその顔に描き眉を…。」

「待ちなさい!」

 響き渡る済んだ声。声の高さから言って、女子だけど。この状況では嫌な選択肢しか思いつかないよ。

「情熱の赤、ケイトレッド!」

「クールさの青、ケイトブルー!」

「ネチネチの黄、ケイトイエロー!」

「裏仕事のウフフ、ケイトブラック!」

「裏の顔を持つ純粋の白、ケイトホワイト!」

『私たち、“朱雀ちゃん着せ替え戦隊、ゴケイトー”!』

 人の名前を許可なしに使わないで!!それに、何?名乗りの後半三人。正義を守るヒーローの台詞じゃないよね?裏を持った時点で純粋じゃありません。

「現れたな、ゴケイトー。今日こそ私がお前らを倒してやる。世界の萌えは俺様が頂く!」

 麒麟さん!?何あなたも乗ってるんですか!

「あーはっは!正義のヒーローがピンチの時、新たな戦士が立ち上がる!光り輝く銀、ケイトシルバー!」

 トウッという掛け声と共に降りてきたのは、まさしくの翔太。死ね☆

「まて!俺は君の味方だ。萌えの塊、君は俺が必ず守ってみせる!」

 後ろで、“きゃ~!ケイトシルバー頑張れ~!”とか黄色い声が聞こえるけど、僕、泣くよ?

「お兄、大丈夫です。留美がついてます。」

「ありがと、留美…」

 危ない。本当にギュッて抱きしめちゃう所だった…。

・ゴロちゃんの交換日記

わし、死ぬかと思った。

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