第八百六十四話
「それと、漸く次に攻略していただくダンジョンが決まりました。大宮ダンジョンです」
「大宮、ですか。関東は皇居ダンジョンを攻略済ですから、他の地域から選ばれると思っていました」
あっ、皇居ダンジョンは決まった人間しか入れないから、攻略済でも効果が薄いのか。だとしても巣鴨とか都内のダンジョンにならなかったのは何故だろう。
「大宮の次は横浜、そして京都となる予定です」
「また関東で、次が京都・・・もしかして!」
大宮には氷川神社が存在し、横浜に近い伊勢原市には八意思兼神社が存在している。そして京都には伏見稲荷大社が。
それぞれ素戔嗚尊様、八意思兼命様、宇迦之御魂神様を祀る神社だ。そしてその三柱の神々は皇居ダンジョンにて顕現なされた方々である。
「議論の末、ご助力いただいた神々の本社に近いダンジョンから攻略するのが筋ではないかとなりまして」
素戔嗚尊様は三貴子の一角なので最優先。八意思兼命様と宇迦之御魂神様では実際に制御区画に入れる八意思兼命様が優先された感じだろうか。
「潜るタイミングはお任せいたします。補給が必要な物資があれば何なりとお申し付け下さい」
「迷い家で自給出来るから補給の必要は無いけど・・・迷い家に置いたままになっている車両は戻さなくて良いのかな?」
「もし邪魔でないのならそのままで大丈夫です。あれば活用出来るかもしれませんし」
俺単独で潜るなら、玉藻になって空歩で移動するから使い所は無い可能性が大きい。でも、あっても邪魔になる訳では無いのでこのまま借りておこうか。
「・・・と言う訳で大宮ダンジョンの攻略を行う事となりました」
関中佐が帰り、夕食後に大宮ダンジョンを攻略する事になったと皆に報告した。じっと俺を見る皆の目が一緒に行きたいと訴えている。
「大人組はお仕事、舞とアーシャは学校があるだろう」
正直、アーシャの千里眼があればダンジョン攻略は飛躍的に楽になる。地図がある階層は良いのだが、未踏階層は次の階層への渦を自分で探さなければならないからな。
「お兄ちゃん、設定変更するまで帰ってこないの?」
「いや、一気に最後まで行くと時間が長くなりすぎる。だから期間を決めて戻ろうと思っている」
一気に最下層まで潜るのが最も効率が良いのだろうけど、一人で渦を探して彷徨い歩き続けるというのは気が滅入りそうだ。
「それなら、春休みに入ったタイミングで一緒に行けますね」
「アーシャちゃん、それ名案!」
「宮内省と陸軍から許しが出たらな」
これは軍の正式な作戦行動となる為、部外者である舞とアーシャを同行させるなら許しを得る必要がある。
今更と言えば今更なのだが、なあなあにしてしまうと汚職の元となったり事故の元となったりしてしまう。
「舞ちゃん、アーシャちゃん。暫く玉藻ちゃんの尻尾をモフれなくなるから堪能しないとね」
この後、三人が満足するまで尻尾をモフられた。撫でられ過ぎて尻尾が少し細くなったような気がするのは気のせいだろうか。




