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第八百五十七話 とある皇居ダンジョンにて

「おい、マジで十七階層だぞ」


「玉藻様を疑っていたのか?と言いたくなるが、驚く気持ちはわかるな」


 ここは皇居ダンジョンの十七階層。そこでは地上から転移してきたばかりの二つのパーティーが呆然と景色を眺めていた。


「地上から一気に最先端階層に飛べるなら、行きにかかった時間も消耗していた体力もなくなる。こりゃとんでもない事だぞ!」


「話で聞いて分かっちゃいたが、こうやって体験するとその凄さが実感出来るな」


 地上から十七階層への転移に成功し興奮しているのは、元々このダンジョンを担当していた特別攻略部隊の面々だった。


 完全攻略が為され、玉藻がこのダンジョンに潜る意義は失われた。その為彼女が来る前にここを担当していた彼らが呼び戻されたという訳だ。


「設定変更前に潜った履歴も有効な事が証明されたわね」


「階層選択で三十四階層まで選択出来たから大丈夫だと思ったけどね」


 そして特別攻略部隊と同行しているもう一つのパーティーがあった。かつて玉藻と共にこのダンジョンを攻略していた冬馬軍曹率いる三人娘パーティーである。


「軍曹、早速来ましたよ」


「お前達のお手並み、見せてもらおうか」


 久川伍長がゴーレムの接近を告げると、特別攻略部隊のリーダーが上から目線で言い放つ。元々そのつもりだった三人娘は何も言わずに接近するゴーレムへと駆け出した。


 ブランクがあるとはいえ、三人は三十四階層まで到達した経験を持っている。例えそれが玉藻の力が大きかった功績だとしても、強敵と戦った経験は彼女らの力となっているのだ。


「・・・お前ら、本当に二戦級だったのか?」


「ええ、私達は玉藻様と潜る前は間引きを担当していたわ。それは軍の公式履歴にも残っている筈よ」


 危なげなくゴーレムを倒した冬馬パーティーに疑いの目を向ける特別攻略部隊の面々。彼らが驚いたのは、無傷で倒した事よりも倒すのにかかった時間であった。


 本来ダンジョンの中ではろくに回復する事が出来ない。更に、誰かが負傷した場合負傷者を庇って地上までの長い道のりを戦いながら戻らなければならなくなる。


 その為、戦いは怪我をしない事と体力を温存する事が優先される。慎重に戦えば時間がかかり体力を消耗するが、怪我をすれば撤退せざるを得なくなるのだ。


「私達は玉藻様の迷い家で休む事が出来たからこんな戦い方が出来たのよ」


「ダンジョンの中で熟睡出来るとか、初めは本当に驚いたわよねぇ・・・」


 遠い目をしてかつての驚きを思い出す冬馬パーティーの三人。隙だらけの三人を特別攻略部隊のリーダーか叱責する。


「思い出に浸っていないで行動しろ。一旦地上に戻って三十二階層に潜るぞ」


「そうね。出来れば今日中に三十三階層に行っておきたいわ」


 特別攻略部隊は三十二階層までしか到達していない。彼らをその先に導くのが三人娘に与えられた任務であった。


「玉藻様、私達は別の道を行く事になりそうですがどうかご無事で」


 冬馬軍曹は自分達が変わる切っ掛けを作ってくれた恩人の無事を願いつつ渦へと身を投じるのであった。

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― 新着の感想 ―
>冬馬伍長率いる 玉藻「冬馬嬢は軍曹に昇進していたと思っていたのじゃが、何ぞ不祥事でもやらかして降格したのかのぅ?」
久々の出演で緊張のあまり御飯が喉を通りません 台本の読み合わせの際のオヤツも 略称がハイブランドみたいな名前のバーガー屋の 手錠みたいな名前のバーガーを二つしか食べれないし 三度の御飯も丼三杯しか食べ…
やっぱり別行動かー。仕方ないですが、引退なんてことにならなかっただけマシですね。新たな門出に幸多かれ!
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