ライブ練習
「おれ、全体ももちろん、特にここ好きだわ!」
大志が直人の歌詞のフレーズを口ずさむ
♪失ったものは戻らない
それでもまだ鳴らせる
We’re still alive
We’re not done yet♪
「おう!ありがとな!」
直人の表情は明るくなっていた。
森田が「直人の歌詞、歌いながら噛むなよ、
大志~。」
「噛むわけ…、噛んだら、ドラム鳴らしてごまかして。」
「いや。
スティックで大志の頭コンコンするわー」
大志達のバンド、AFTERGLOWは
練習場件ライブ会場の、
「LIVE HOUSE『EMBER』」
に集まって盛り上がっていた。
仕事終わりに、ここに集まる。
懐かしかったライブハウスの空間が
日常に戻っていく。
プロにはならなかった。
でも、辞めたくない。
趣味?
違う。
俺は、ステージに立って歌いたい。
生きる意味を歌に求めない。でも
人生の大切な場所が
AFTERGLOWだ。絶対に失くさない。
やっと。帰ってきたんだ。
大志の気持ちだけじゃない。
皆も、きっとそうだ。
大志の作った曲は、
AFTERGLOWならお馴染みの
ゴリゴリのロックだった。
高瀬ベースは、Music Man StingRay
今回の曲に合わせて選んだ愛機の1つ。
森田のドラムは、Pearl Reference 。
ゴリゴリの低音を、響かせる。
昔から、愛してやまない森田のドラムだ。
大志は長年の愛機、Gibson ES-335
高校生の時アルバイトを掛け持ちして
やっと手に入れた宝物だ。
直人は、この前購入したPRS Core Custom 24、
弁護士の力を使ったトドメのギターだ。
森田が、「あー、今日、大学生のバンドが
見学に来るから!」
高瀬が「ん?ライブ参戦の大学生か?」
「そう!RE:PLAYってバンド名だっけな、
大学生1年生だって。
きゅるんきゅるんの目で見られるから
かっこよく、鳴らしてくれよー」
なんて、森田が言ったから
俺達は気合いが入った。
しばらくすると大学生が、
「失礼します!RE:PLAYで見学に来ました!
G大学の1年生です!今日は宜しくお願いします」
と、元気に、入ってきた。
「宜しく!さっそく、聴いてくれるかな、
俺達の、新曲、初披露なんだ!」
「うっわ!!マジすか!
俺達いま、曲作ってるんで勉強させてもらいます」
大学生が、目をきゅるんきゅるんさせて
そう言った。
さぁ、やりますか!!
ステージに、上がる。
マイクスタンドの前に立つ。
イヤモニの角度を調整する。
フロアを見る。
お客さんは大学生だけ。
だけど、いつもと変わらない気持ち。
俺達の音を、音楽を聴いて、
1つになれる。




